顧客満足度とは?
小売業や製造業など、モノやサービスをお客さまに対して提供する企業にとって欠かせない指標の1つが「顧客満足度」です。
顧客満足度とは、顧客となる人がモノやサービスを得ることで満足しているかを行動的にリサーチし、企業における戦略や販売計画に活かす指標のことを意味します。顧客満足度を調べるにはさまざまなリサーチ方法があり、企業や業種によっても異なる傾向にあります。
顧客満足度の調査方法とは?
モノやサービスを提供する側が顧客の満足度を把握するためにはどのようなリサーチ方法があるのでしょうか。顧客満足度を調査するには、アンケート方式とデータによる分析の2つのタイプに分かれます。
顧客から直接意見や感想を聞くのがアンケート方式で、よりリアルな反応を把握することができます。データによる分析は顧客の行動を分析しながら調査機関やシステムを利用して分析する調査方法です。
アンケートツールの利用
顧客満足度を調査する方法の1つ目は、「アンケート方式」です。アンケート方式は、モノやサービスを提供した後に顧客に直接アンケート依頼をして意見や感想を把握する方式です。
化粧品や食料品などに多いのがアンケート方式で、顧客がアンケートに答えていただくと粗品や景品を渡すことが多い傾向にあります。アンケート方式で調査する場合は設問は短く、意見を把握しやすい設問を設定することがとても重要です。
リサーチ会社・調査機関の利用
顧客満足度の指標を調査する方法の2つ目は、調査機関などを利用しながらデータをもとに分析する方法です。有名な調査機関としては、JCSIやNet Promoter Score®を利用したリサーチ会社などが挙げられます。
また企業によっては独自のシステムを開発し、顧客の行動パターンなどから顧客満足度を推定することで今後の事業計画や販売戦略に活かしている企業も多い傾向にあります。
顧客満足度を測る指標3つ
モノやサービスを取り扱う企業にとっては重要指標の1つが「顧客満足度」です。顧客満足度を把握できていないと顧客が求める「需要」と企業側が提供する「供給」のバランスが合わず、販売ロスや売上実績に大きく影響してきます。
顧客満足度の指標を測るためには、「CSI」、「JCSI」、「NPS®」という代表的な指標が3つあります。次は顧客満足度を測る指標についてくわしく見ていきましょう。
顧客満足度を測る指標1:CSI
顧客満足度を測る上でもっとも有名なのが「CSI」と呼ばれる指標です。CSIとは英語で「Customer Satisfaction Index」の略で、顧客の思考や行動パターンに関する設問を行い分析します。
CSIは1つのモノやサービスについて設問するのではなく、他のモノやサービスなどもリサーチします。同じ業界の動向なども把握できるため、顧客満足度を知る上で重要な指標の1つといえるでしょう。
CSIの特徴
顧客満足度を測るために重要な指標となる「CSI」は、モノやサービスなどにおける設問を設定し、回答をもとに顧客の期待度や不満足度を調査します。
CSIの特徴としては、回答や設問を細かく行うため、顧客の思考やパターンを理解することができます。また同業他社との比較などもしやすいため、多くの企業が顧客満足度を把握する上でこの指標を利用しています。
顧客満足度を測る指標2:JCSI
顧客満足度を測る指標の2つ目は、「JCSI」と呼ばれる調査機関です。「JCSI」は英語で「Japanese Customer Satisfaction Index」と記し、公益財団法人が行う顧客満足度調査のことを意味します。
JCSIには大手航空会社や百貨店事業なども登録されており、400社以上の企業の顧客分析を行っています。さまざまな業態や職種における満足度を6つの指標をもとに数値をデータ化しています。
JCSIの特徴
JCSIの主な特徴は、ネットを中心に指定された質問を投げかけ、2段階の方式で回答を分析しています。JCSIでは、「顧客期待」、「知覚品質」、「知覚価値」、「顧客満足度」、「推奨意向」、「ロイヤルティ」の6つの指標を使用しています。
6つの指標をそれぞれ10段階に分けながら分析することで、企業の戦略や販売計画に活かせるデータを分析することができるのが最大のメリットです。
顧客満足度を測る指標3:NPS®
顧客満足度を測る指標の中でも最近注目されているのが「NPS®」です。「NPS®」とは英語で「Net Promoter Score®」と記し、現在は世界でも有名な大手IT企業なども顧客志向を把握する上で重要な指標として活用しています。
アメリカの企業においては全体の3割以上の企業がNPS®を利用しながら顧客分析を行っています。比較的シンプルなデータなので、同業他社との分析や比較にも効果的な指標です。
NPS®の特徴
NPS®の主な特徴は、顧客を3つのグループに分けて分析することです。NPS®では顧客を「推奨者」、「中立者」、「批判者」に分け、推奨者と批判者の割合でデータ分析を行います。
NPS®は顧客分析だけでなく、従業員の満足度(ES)の調査としても利用されることが多い傾向にあります。NPSの基準をあらかじめ設定することで、現在の状態がどのような状況下なのかを理解することができます。
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顧客満足度を向上させるポイント6つ
顧客満足度の指標を上げていくためには、顧客満足度を向上させる施策が必要です。顧客満足度は需要と供給がマッチし、かつ顧客を継続的に維持しなければなりません。
また顧客の満足度や志向、行動パターンなどは時代やトレンドなどによっても変化します。では顧客満足度を向上させるポイントについていくつかご紹介いたしましょう。
顧客満足度を向上させるポイント1:やるべきことをきっちりやる
顧客満足度を向上させるためのポイント1つ目は、今できること、やるべきことをすべて行うということです。顧客満足度を向上させるためには基本に戻り、業務や計画に落ち度がないかしっかり確認することが大切です。
たとえば、顧客に提供する施設が常に清潔な状態か、常に提供するモノやサービスがベストな状態にあるかなど、基本を徹底することは顧客満足度を向上させる上で必要不可欠です。
顧客満足度を向上させるポイント2:定期的に顧客満足度調査をする
顧客満足度を向上させるポイントの2つ目‘は、定期的に顧客満足度を調査するということです。顧客満足度は常に一定なものではなく、時代やトレンドの変化により満足度も変化していきます。
顧客満足度をしっかり把握するためには、週間や月間などの短い期間で定期的にチェックするのが重要なポイントです。顧客の行動パターンやライフスタイルを常に把握し顧客のニーズに応えることが顧客満足度の向上へとつながります。
顧客満足度を向上させるポイント3:顧客の心を読み取る
顧客満足度を向上させるポイントの3つ目は、顧客の心を読み取ることです。顧客が欲しいという思う「需要」に対して、企業側が「供給」することも大切ですが、顧客が将来的にどんなモノやサービスを欲しいと思うかという「期待度」を分析することも大切です。
常に顧客が欲しいタイミングでモノやサービスを提供できる状態を作ることこそが、顧客満足度の向上につながります。
顧客満足度を向上させるポイント4: 顧客満足の定義を共有する
顧客満足度を向上させるポイント4つ目は、顧客満足の定義を共有することです。顧客満足度の定義とは、企業の方針、提供するモノやサービスによっても異なります。
企業における全従業員が顧客満足とは何かを共有することで、どんな仕事においても顧客の満足度を重要視しながら仕事を進めることができます。企業における新たな戦略においても顧客満足の定義を理解した上で進めることが重要です。
顧客満足度を向上させるポイント5:採算度外視の施策で満足しない
顧客満足度を向上させるポイントの5つ目は、採算度外視の施策で満足しないということです。新たな市場を開拓したり、企業として新たな戦略を打ち出すときは、時にモノやサービスの認知度を高めるために高い宣伝費や人件費をかける場合があります。
採算度外視の施策は、企業側が顧客側のニーズを意識せずプロセスだけで満足することが多いので注意が必要です。
顧客満足度を向上させるポイント6:トレンドをリサーチする
顧客満足度を向上させるポイント6つ目は、常にトレンドや市場動きを把握するということです。モノやサービスにおいては時代のトレンドやライフスタイルの変化で顧客の動きは大きく異なります。
国内の市場だけでなく世界の顧客動向を把握し、国内と国外におけるトレンドの違いや傾向などを把握することも重要です。また顧客ターゲットを絞る場合は、より計画的なモノやサービスの構築が必要なことを理解しておきましょう。
顧客満足度の指標を理解しましょう
製造業や小売業など、モノやサービスを提供する企業にとって顧客の志向や行動を理解することはとても重要です。顧客のニーズと企業の提供するものがマッチするためにも欠かせない指標となるのが「顧客満足度」です。
顧客満足度はさまざまなデータをもとに顧客の志向や行動パターンを把握し、次の事業計画や販売戦略に活かす重要指標です。常にトレンドや市場の動きを把握しながら、顧客満足度の分析をすることが大切です。