帳票とは?帳票の種類と役割|帳票作成における便利なクラウドサービス9選

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帳票とは?

帳票とは「帳簿」と「伝票」の両方を合わせた会計用語のことです。

ビジネスシーンにおいて頻繁に登場し、職種によっては毎日目を通すものでもあります。この記事では帳票の種類や管理期間、現代における帳票のありかたなどを紹介しています。帳簿作成の際に役に立つクラウドサービスも紹介しているので参考にしてみてください。

時代の変化と帳票の変化

帳票は一般的に紙に手書きで記帳され管理されます。法人税法でもパソコン上で作成した帳票であっても印刷してファイリングすることが義務付けられていました。しかし法改正に伴い、ルールに従い許可を得れば電子データでの管理も認められています。ノートやファイルなどを使用して管理されてきた帳票は時代の流れと共にデータ化され、パソコンやインターネットのクラウド上に管理されるようになってきています。

帳票の種類

帳票とは業務上発生する伝票とそれを管理する帳簿を総称した会計用語であることは冒頭でも紹介しました。では実際にどのような帳簿と伝票があるのでしょうか。帳簿や伝票にはそれぞれの役割と分類があり、丁寧に管理することで企業のデータを正しく管理することができます。以下ではそれぞれの種類や役割を紹介していきます。

帳簿

帳簿とは伝票を元に日々の取引を記入し、明確化するための書類の総称です。帳簿には主要帳簿と補助簿があります。主要帳簿は仕訳日記帳、総勘定元帳、売掛・買掛帳があります。補助簿には現金・預金出納帳、経費帳、固定資材台帳があります。以下では各帳簿についての使い方や役割を紹介していきます。

仕訳日記帳

仕訳日記帳とはその名のとおり、日々の取引内容を記録する帳簿です。
複式簿記や確定申告の青色申告の際には欠かせない書類なので事業に勤めていない人でも収入や支出を管理する立場にある人には馴染のある帳簿となっています。買ったもの、売ったものなどを取引の発生順に並べて記帳していくという特徴もあります。

総勘定元帳

総勘定元帳とは科目ごとにお金の動きを細やかに記帳する帳簿のことを指します。
仕訳日記帳と同じく複式簿記の必須書類として知られています。勘定科目別に記録が分かれていることが特徴で、勘定項目は資産、負債、純資産、収益、費用、損益(大陸式、英米式)、残高にわけて記帳します。

売掛買掛帳

売掛買掛帳とは仕入先や得意先ごとに取引を管理した書類です。
企業によっては売掛帳と買掛帳を分けて使う場合もあり、売掛帳は「仕入先元帳」、買掛帳は「得意先元帳」と呼ぶこともあります。複数の仕入先や得意先を持つ場合はそれぞれで取引を管理する方がより明確に取引内容を管理することができます。

補助簿

補助簿とはより取引内容や企業の経営状況を明確化するための帳簿です。
一般的には上記で紹介した主要帳簿のみでも試算書、決算報告書などの作成も可能です。しかし帳簿が多ければ多いほど取引内容が細かく管理でき、必要な時に必要なデータが瞬時に手に入ります。補助簿には現預金出納帳、固定資産台帳、経費帳があります。

現金・預金出納帳

現金・預金出納帳とは1種類の補助簿を指すのではなく、現金出納帳と預金出納帳の2つをまとめた総称のことです。
現金出納帳は現金の出入りをまとめた書類で、預金出納帳は口座上における取引をまとめた書類となっています。お金の出入りをより明確化するための補助簿と考えるとわかりやすいです。

経費帳

経費帳とは名前のとおり、企業の運営に必要な必要経費の記帳をしておく補助簿のことです。
必要経費は企業や事業によって異なりますが、電気代、ガス代などの光熱費などが代表的です。また、消耗品や作業着といった業務上必要な道具なども必要経費として計上することができます。

固定資材台帳

固定資材台帳とは減価償却の必要な固定資産をまとめた書類です。
固定資産とは1年以上保有、または利用する資産のことを指します。減価償却とは設備投資の費用配分の方法の1つで、固定資材台帳を使用して正しく計算、記帳することで節税に繋げることも可能です。

伝票

伝票とは取引ごとに発生する書類のことをさしています。
帳票に記されている取引を証明するための大事な書類なので無くさないように管理しておく必要があります。私達に一番身近な伝票といえばスーパーやコンビニなどの買い物の際に受け取るレシートも伝票の1つです。

入出金伝票

入出金伝票とは入出金が記録された書類のことです。
伝票の中では最もポピュラーで、お金の出入りが明確に記載されている基本的な伝票となります。お金の出入りが一件ずつ記載されているので、帳簿をより詳細なものにすることができます。後日見返した際にも取引が即座にわかるというメリットがあります。

見積書

見積書とは取引における報酬や費用の見込額を記載した書類です。
報酬や必要な経費を事前に明確化しておくことでよりスムーズな経営ができるというメリットがあります。見積書は発行する場合、受け取る場合があります。

請求書

請求書とは名前のとおり取引先に金銭を請求する書類のことです。
事前に受け取ったり、発行したりする見積書とは違い、請求書は取引成立後に受け渡しをすることが多いです。

納品書

納品書とはサービスや商品を取引先へ納品したことを証明するための書類です。

通販サイトなどを利用した際に商品と一緒に送られてくるので一般的にもなじみのある書類となっています。お互いの取引を証明するための重要な書類とも言えます。

領収書

領収書とは金銭を受領したこと、支払いしたことを証明するための書類です。

経費を利用するためには必要不可欠な書類で、会社側は経費を支払った証拠として保存、使用します。領収書は企業名と商品名、サービス名が記入されていない場合や空白がある場合は効力が無いので注意が必要です。

帳票の管理方法

帳票とは原則として紙での保存が義務となっています。

パソコンで制作した帳票もプリントアウトしてファイリングしておくことが原則となっていますが、事業規模が大きくなる程帳票は膨大な量となります。そこで3か月前までに税務所に申請書を提出し、承認を受けることで電子データでの管理も可能となります。また、契約書・領収書など以外スキャニングしたデータでの保存が可能です。

保存期間

帳票書類は法律で保存が義務付けられています。

保存期間も法律によって定められているため注意が必要です。法人税法上の保存期間は保存義務は7年間となっていますが、欠損金が生じた事業年度は9年間の保存が義務付けられています。領収書などの伝票については法人が7年(欠損金が生じた場合は9年)、個人事業が5年の保存が必要となっています。また、会社法上では10年間の保存期間が義務付けられているので10年間の保管が必要となります。

紙における保存方法

上記した通り、パソコン上で作成した場合でも帳票は紙に印刷する必要があります。

各項目、年代ごとにファイリングして保管しておくことで必要なデータをすぐに見つけることが可能です。パソコンの立ち上げが不必要で、思い立ったらすぐに確認することができます。企業における帳票作成ルールを把握すれば誰でも簡単に保存、保管ができます。

メリット

紙における保存方法のメリットとは特別なスキルも必要なく、きちんとファイリングすることができれば瞬時に企業データを提示、確認することが可能な点です。

書類での保管は改ざんや不正などを防ぐメリットもあります。税務所とのやり取りの際にもファイルを提示するだけで済みます。

デメリット

紙における保存方法のデメリットとは事業規模が拡大すればするほど帳票も増えていくため、紙での保存の場合膨大な数のファイルや書類を管理する必要があります。

きちんと整理されていない場合、必要な情報を探すのに時間が取られてしまいます。また、火災などの際はデータが破損するリスクも大きくなります。

電子データにおける保存方法

電子データ化された帳票はパソコン上やUSB、SDカードなどのメモリに保存することが可能です。

紙に印刷してファイリングするよりも小スペースで管理することができるので社内環境の改善にもつながります。最近ではインターネットのクラウド上に保存することができるサービスも多く普及しています。またクラウドサービスでは帳票を保管するだけでなく取引先との帳票授受も一括して行うことが可能となります。

メリット

電子データにおける保存方法のメリットとは作業効率のアップや紙、ファイルなどのコスト削減につながる点です。

紙は劣化などによる損失、紛失の危険がありますがデータ化された帳票は紛失などのリスクを防ぐことも可能です。セキュリティ面でも紙での保管より安全度があがります。また、クラウド上で管理することができればいつでもどこでもデータ作成、送信などが行えるため隙間時間を利用した業務も実現可能となります。取引先への帳票発送もボタン一つで行うことが可能です。

デメリット

電子データで帳票を管理する場合のデメリットとは経理担当者にパソコンスキル必須となる点です。

長年手書きで帳票を管理してきた経理担当者が電子化に対応できなければ電子データでの管理ができません。また、電子化に伴う手間など時間的なコストもかかってしまいます。長期的な目で見ると紙面上での管理よりも電子データの方が効率が良いようにも感じますが、企業の経営管理と電子データ化がマッチしているかを検討する必要があります。

クラウドサービスを導入した帳票9選とは?

クラウドサービスとはパソコン上のデータをインターネットサービス上で作成、保存できるサービスのことです。

データの共有もメールやUSBなどを必要としないためよりスムーズになり、さまざまな面でクラウドサービスが利用されています。帳票クラウドサービスを導入することで帳票の作成、配信、管理をより効率的に行うことができます。上記した通り法改正によって電子データでの帳票保存も認められていることからクラウドサービスを導入する企業が増えてきました。

帳票作成できるクラウドサービス1:SVF Cloud

SVF Cloudとは複雑な帳票フォームが設計可能なクラウドサービスです。

専用のGUIで開発できるだけでなく、社内でもともと利用していた紙の帳票を読み込んで作成することも特徴となっています。PDFやExcelなど出力形式も自由に選択することができます。また、プリンターで出力も可能なので電子データを書類にして管理することも可能です。帳票基盤化してシステムを一元化することも可能となっているので運用管理もよりスムーズに行うことができます。

帳票作成できるクラウドサービス2:Concur Invoice

Concur Invoiceとは消耗品・外部サービスに関する取引先をもとにした請求書、支払依頼、承認などを自動化することができるクラウドサービスです。

取引先とのアポイントメントも適切に管理し、キャッシュフローも正確に予測することができます。効率化、適正化、ガバナンス強化、コスト削減に繋がることが可能です。申請・支払い状況を統計し、可視化することで企業データをより明確化することができます。優れた操作性も特徴です。

帳票作成できるクラウドサービス3:FNX e-帳票FAXサービス

FNX e-帳票FAXサービスとは受発注、経理、物流等の業務上で発生する書類を自動でFAX送信してくれるクラウド型帳票FAX送信サービスです。

発注書や納期回答書、支払通知書などの帳票も自動で送信することが可能となっています。従来はFAXサーバ構築、モデム、FAX回線が必要とされてきましたがFNX e-帳票FAXサービスはそれらの必要がありません。システム管理の工数削減やコスト削減を実現できます。24時間365日のサポート体制も魅力です。

帳票作成できるクラウドサービス4:BtoBプラットフォーム 請求書

BtoBプラットフォーム 請求書とは企業間における請求書の授受の電子化、請求業務の生産性向上させることができるクラウドサービスです。

時短やコスト削減、ペーパーレスを実現することが可能です。Web請求書の作成や発行、受取・保管をシステム内で一元管理することができるので業務の効率化を図ることができます。帳票の送付や入金消込・督促連絡など豊富な機能が搭載されていることも特徴となっています。電子帳簿保存法にも対応しています。

帳票作成できるクラウドサービス5:FAX自動帳票サービス AUTO帳票

FAX自動帳票サービス AUTO帳票とはインターネット環境を整えるだけで利用することができるクラウド帳票FAX配信サービスです。

必要なのはインターネット環境のみなので新たに電話回線や機器を準備する必要はありません。簡単・安全・確実に帳票をFAXすることができます。帳簿、伝票などのテキストファイルやイメージファイルをメール、Web-APIなど利用してアップロードするだけで簡単にFAXが送信されます。

帳票作成できるクラウドサービス6:DOCUMENT MARK

DOCUMENT MARKとは企業の帳簿、伝票などの情報資産をPDF化して安全に保管できるクラウドサービスです。

プラットフォームに活用しやすい機能を利用して作成・生成から、活用・出力、保存、管理、廃棄をトータルでマネジメントすることが可能となります。管理や分類の自動化、高度な検索等も搭載されています。作成・生成、自動でフォルダに振り分るなど感覚的な操作で帳票を作成することも可能です。出力機能、PDFの二次加工もできます。

帳票作成できるクラウドサービス7:Misoca

Misocaとは豊富なデザインテンプレート帳票を作成することが可能なクラウドサービスです。

作成も文字を入力するだけで簡単にできます。印影やロゴ入りのオリジナル請求書も作成可能です。また、見積書から納品書・請求書への変換、請求書から領収書・検収書の作成を行えるので作業の効率化を図ることもできます。転記ミス、記入漏れなどのリスクを防ぐことができるだけでなくスマホアプリからでもデータ作成が可能です。外出での空き時間や隙間時間を有効に使えます。

帳票作成できるクラウドサービス8:楽楽明細

楽楽明細とは請求書、納品書、支払明細など業務上で欠かすことができない帳票をWEB上で発行することができるクラウド型のシステムです。

帳票データをCSVまたはPDF形式で楽楽明細にアップロードするだけで自動振り分けをすることも可能となっています。帳票発行におけるWEB、メール添付、郵送などの方法も自動で割り振りすることができるため手間のかかる印刷・封入・発送の作業も時間削減することが可能です。充実した機能と丁寧なサポート体制も魅力です。

帳票作成できるクラウドサービス9:銀行向け定型・非定型帳票OCRエントリーシステム

銀行向け定型・非定型帳票OCRエントリーシステムとは住民票、謄本、印鑑証明、納税証明書等の公的機関の書類から必要なデータを抽出し、入力作業を効率化することができるシステムです。

キヤノン独自開発エンジン(Rosetta-Stone-Components)が、帳票イメージを元に画像補正を行ってくれるので、不要な背景の網掛けやノイズの除去なども簡単に処理できます。同時にデータ入力に必要なテキスト部分を抽出し精度の高いOCR処理を行うことが可能です。

帳票とは記録を残したり伝達したりするための証拠

帳票とは企業の経営状態や取引の記録を管理するために欠かすことができない書類です。

長期間記録に残して保管することで、企業の運営をより強固にすることも可能です。予算の組み立てや経営費用の算出も帳票を元に行うことができます。また、他社や相手先への情報伝達にも帳票が欠かすことができません。今後は帳票作成、帳票管理をより正確にするためにもクラウドサービスなどの電子データでの管理を視野に入れていくことが大切になっていきます。

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