ストレスコーピングとは
現代はストレス社会と言われています。ストレスを感じる事由は人それぞれで、何が引き金になるのかは自身でもわからないほどです。
そのようなストレスと上手に付き合っていく必要があり、このストレスを自身で制御してストレスをためないように対処していくことをストレスコーピングといいます。
ストレスの構成要素
ストレスという言葉は市民権を得たと言っても過言ではなく、老若男女問わず使用していますが、いまだ明確なストレスの定義はないと言われています。
そこで、具体的なストレスコーピングの説明の前に、ストレスの基礎知識として、ストレスを構成するいくつかのキーワードをご紹介します。
ストレッサー
ストレッサーとは、ストレスの要因のことをいい、個人にとっての負担や負荷となるような外からの刺激などのことをいいます。
このストレッサーである要因は、人それぞれで、家族関係や人間関係がストレッサーになったり、職場での業務内容や期待されることだったりします。これらのストレッサーを取り除くことをストレスコーピングといいます。
認知
認知とは、物事や出来事の受け止め方のことをいいます。ストレッサーがあるとストレス反応がおきますが、同じストレッサーでもストレス反応が起きる人と起きない人がいることから、ストレッサーには個別性があります。。
このような個人差が、認知、つまり、その物事などへの受け止め方です。この認知である受け止め方によるストレスの発生とその発生したストレスの対処であるストレスコーピングは綿密に絡み合っています。
ストレス反応
ストレス反応とは、ストレッサーにより引き起こされた不満や不安などを代表とする心理的反応と不眠や食欲不振といった身体的反応に加え、ストレスがかかったときに自身がとる行動を含め、ストレス反応といいます。
大脳辺縁系で生じた感情や興奮は視床下部に伝わって自律神経系、内分泌系、免疫系の反応を引き起こします。この一連のストレス反応に対するストレスコーピングを3つご紹介します。
ストレスコーピングの種類
それでは、ストレスの対処法であるストレスコーピングには、どのような種類があるのでしょうか。
ここからは、ストレスコーピングの3つの型をご紹介します。複数の対処法を知ることで、あなた自身に合う方法やケースによって適切な対処法が選択できるようになります。
1:問題焦点型コーピングとは
問題焦点型コーピングとは、「問題に焦点をあてる」つまり、問題とされるストレスの理由や原因を排除して、ストレスのかかった状態から抜け出すように対処する方法です。ストレスにならないように、原因を根本からなくすストレスコーピングです。
ストレスの原因が把握できている場合に有効な方法となります。しかしながら、明確な把握ができていない場合でも、一つ一つに対処していくことで、原因が特定できる可能性が高まります。
実施方法
では、実生活で問題焦点型のストレスコーピングを実践するには、どうすればよいのでしょうか。それは、原因を取り除くことにつきます。
例えば、人間関係がストレッサーであるとした場合であれば、その相手との接触を避けることが該当します。また、自分自身で解決できることばかりではありませんので、特に、環境がストレッサーになっている場合などには、環境を変えられる権限のある方などに相談することも該当します。
2:情動焦点型コーピングとは
情動焦点型コーピングとは、自身の感情をコントロールし、ストレスがかかった状態を切り替え、ストレスと感じないようにする対処方法で、ストレスになりそうな感情を違う方向へ導いていくストレスコーピングです。
実施方法
では、実生活で情動焦点型のストレスコーピングを実践するには、どうすればよいのでしょうか。それは、ストレスを感じる自分の感情を意のままに操ることにつきます。
例えば、ストレスをため込むような思い込みをやめ、ストレッサーとなっている考えを違う考え方で支配させます。また、ストレッサーになっている事象を考えなくてもよいような環境やカウンセリングなどの会話により、積極的に気分を紛らわすことも該当します。
3:ストレス解消型コーピングとは
ストレス解消型コーピングは、いままでの2つのコーピングとはアプローチが違い、受けてしまったストレスを解消する方法になります。受動的なストレスコーピングとは違い、能動的なストレスコーピングを展開していきます。
つまり、ストレス解消型コーピングとは、その名のとおり、解消型・発散型のストレスコーピングです。さらに、この方法は、ストレスを受けた状態ですので、適切に素早く解消する必要があります。
実施方法
具体的なストレス解消型コーピングは、どのようにすればよいのでしょうか。この対処方法は、三者三様になります。それは、人それぞれでストレスが解消できる方法が違うからです。
例えば、自分の大好きなことに没頭する。この場合、じっとしているよりは体を動かすなどの受けているストレスを考える暇がないようなものが良いでしょう。また、リラックスできる空間を求め、マッサージやネイルサロンなども効果があります。
あなたの会社に仕事の生産性をあげる「働き方改革」を起こしませんか?
名刺が多すぎて管理できない…社員が個人で管理していて有効活用ができていない…そんな悩みは「連絡とれるくん」で解決しましょう!まずはこちらからお気軽に資料請求してみてください。
企業が従業員に取りたい対策
企業において、メンタルヘルスに関する取り組みを行っていくことは重要な使命ですが、一体どのような対策を行えばよいのでしょうか。メンタルヘルス不調のまま業務を行うことはさまざまなリスクがあります。
例え、従業員がメンタルヘルス不調を感じていても、相談をしてくるとは限りませんので、企業はメンタルヘルス対策を構築しておく必要があります。そこで、実際に企業が従業員に行うべき対策をご紹介していきます。
カウンセリング制度の導入
対策の1つにカウンセリング制度を導入するのは有効です。実際には相談までには至らなくても、いざというときに相談ができる環境があることはとても励みになります。
ただ、カウンセラーが内部の方か外部の方かなのかには良し悪しがあります。相談をしたことがネガティブファクターとなり、職場に居辛くなったり、昇進や昇格に影響がでたりすることが心配になる場合や見知らぬ人にいきなり相談できない場合などが、その理由です。
講座や研修の実施
たくさんの企業でメンタルヘルスに関する講座や研修は行われてきています。ただ、この講座や研修が形式的なものでは意味がありません。管理職なのかスタッフなのかによっても講座や研修の内容は変えるべきです。
折角の講座や研修を整備したとしても、ストレスを抱える従業員がゼロになるわけではありません。従業員の内面的なフォローやストレスコーピングを含めたストレスに順応できるメンタルを育成していく必要もあります。
職場でのコミュニケーション促進
ストレスの原因が人間関係や職場環境であるケースが多いのが現状です。少しのコミュニケーションにより環境は大きく変わります。従業員同士の会話がないような状態では、何かストレスを抱えても相談してみようということは通常考えません。
うまくいっている職場には円滑なコミュニケーションがあります。このコミュニケーション促進によりチームとしての相乗効果も期待でき、企業の成長に寄与します。
ストレスコーピングを実施して上手にストレスと向き合おう
現在の世の中でストレスを感じずに生活できている方は皆無で、ストレスを感じるのは、もはや避けられない状況です。そのような状況を続け、本当に病的な状態になってしまうことは大変悲しいことです。
そうならないためにも、ストレスコーピングを身につけることは、ご自身にとって有益なスキルとなります。ストレスを完全に除去することを目標にするのではなく、ストレスと上手につきあっていくようにできることが大切です。