チェンジエージェント
近年、企業経営に関連する事柄で頻繁に使われる「チェンジエージェント」という言葉についてご存知でしょうか。
チェンジエージェントとは、組織マネジメント論で有名なかのピーター・ドラッカーがその著書の中で触れたことがきっかけで、企業経営者やビジネスパーソンの間でその重要性が認知されるようになった概念です。
ここではまず、チェンジエージェントのという概念の意味について確認していきましょう。
チェンジエージェントの意味
まずはチェンジエージェントの意味について確認しておきましょう。
チェンジエージェントの意訳としては「改革請負者」「改革促進人」などがあり、組織がよりよい方向へと成長できるように、その内部の悪しき慣習や文化を改革していく役割をもった人物や集団のことを意味します。
低迷している企業にこそ、チェンジエージェントの力が必要だと言えるでしょう。
チェンジ・エージェントが会社を変える
チェンジエージェントは、風通しが悪く古い慣習に囚われている企業に風穴を開け、組織内にはびこる病を取り除き、正しい方向性を示してくれる存在です。
時には大きな変革を組織内にもたらし、それによって企業内部の活性化を効果的に実現させてくれるのがチェンジエージェントという存在です。
低迷している企業だけでなく、より一層の成長を遂げたい企業にとっても、チェンジエージェントはなくてはならないでしょう。
チェンジ・エージェントの役割と責任5つ
以上では、知っているようで意外と知らないチェンジエージェントの概要についてご紹介してきました。
では、企業の内部を改善し、よりよい方向へと導いていくためにチェンジエージェントは具体的にどのような役割を果たすものなのでしょうか。
ここからは、チェンジエージェントに求められる役割と責任を5つピックアップして解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
チェンジ・エージェントの役割と責任1:改革への動機づけ
チェンジエージェントに求められる役割と責任としてまず挙げられるのが、改革への動機づけを行うということです。
なぜ改革を行わなければならないのか、その必然性と重要性を組織内の人間に隅々まで周知して理解させ、自発的に「改革を行わなければ」と思わせることこそが、チェンジエージェントが果たすべき役割であり責任でもあります。
というのも、改革を実行するのではあくまでも組織の人間であるからです。
チェンジ・エージェントの役割と責任2:改革への決断を促す
改革への決断を促すということも、チェンジエージェントに求められる役割であり責任として挙げられるでしょう。
どうして今改革が必要なのか、また改革を実施することでどのようなメリットが得られるのかを説得力をもって企業の経営陣に説明し、改革に踏み切るための決断を促すのも、チェンジエージェントの仕事のひとつです。
チェンジ・エージェントの役割と責任3:改革の組織化
チェンジエージェントに求められる役割と責任のひとつに、改革の組織化も挙げられます。
改革がより効率的かつスムーズに行われるように、改革を実際に行う人々を集め、組織化し、一人ひとりにふさわしいタスクを割り当てて、改革を実施するモチベーションをアップさせるということも、チェンジエージェントが果たすべき役割です。
そのためには、チームと適切にコミュニケーションを図ることが不可欠になるでしょう。
チェンジ・エージェントの役割と責任4:改革の見届け・フォロー
改革が履行されるプロセスを見届け、問題がある時には適切にそれをフォローするということも、チェンジエージェントに求められる役割であり責任でもあります。
目標を掲げ、そのための適切な方向性を示していても、実際に改革を履行していく中でさまざまなトラブルや誤差が生じるものですので、そのような事態に備えて適切なフォローアップを行い、時には助言をしたり方向修正を行うように提言することも必要です。
チェンジ・エージェントの役割と責任5:意識改革
チェンジエージェントに求められる役割と責任として、組織の意識改革も含まれるでしょう。
組織の人間の意識が古いままでは改革を実現することも、そのための道のりを歩むこともできないため、チェンジエージェントは経営陣をはじめとする組織の人間と頻繁に意思疎通を図り、改革を促すべく人々の意識の改革を行っていくことが求められています。
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チェンジ・エージェントに求められる組織改革
以上では、チェンジエージェントが果たすべき役割と責任について詳しく見てきました。では、チェンジエージェントは具体的にどのような組織改革を担い、それを実現すべきなのでしょうか。
チェンジエージェントという存在についてもっと深く知るためにも、ここからはそれに求められる組織改革の内実についてチェックしていきましょう。
組織にはびこる病
チェンジエージェントに求められる組織改革としてまず挙げられるのが、組織にはびこる病を見つけ、それを一掃するということです。
どんな組織であっても、組織内の人間が気づかない病がはびこっているものですので、チェンジエージェントはそのような病をつぶさに観察し、それに対する適切な対処法を講じ、組織の「病気」を克服して健全な状態へと導かねばなりません。
上司と部下の意思疎通が出来ていない
では、チェンジエージェントが克服すべき組織にはびこる病とはどのようなものなのでしょうか。
改革すべき組織にはびこる病としてまず挙げられるのが、上司と部下の意思疎通ができていないという状態であり、それによりお互いにストレスが蓄積したり、業務が滞るのを防ぐ必要があるでしょう。
組織内の健全なコミュニケーションの手助けをするのも、チェンジエージェントに求められる組織改革のひとつです。
やたらと上を向いて仕事をする
やたらと上を向いて仕事をするということも、チェンジエージェントが改革すべき組織にはびこる病でしょう。
もちろん上を向いて仕事に取り組むことは必要ですが、地に足のついていない状態で仕事をしては本末転倒ですし、現実が見えていないという状況を改善し、まずは現状を把握させることをチェンジエージェントは担わねばなりません。
組織全体の動きが見えない
チェンジエージェントに求められる組織改革のひとつに、組織全体の動きが見えないということも含まれるでしょう。
企業が大きく成長すればするほど、経営陣と現場との間に大きな乖離が生まれ、また組織全体の動きが見えずに統率が取れなくなってしまいます。
チェンジエージェントはこのような状態にメスを入れ、組織の流れの「透明化」を行うことが必要だと言えるでしょう。
組織と組織の壁が厚い
組織全体の動きが見えないということはつまり、組織と組織の壁が厚いということでもあります。
組織と組織との間の分厚い壁を破り、風穴を開けて風通しのよい状態にすること、また組織間のコミュニケーションが取れるように適切な意思疎通方法を設け、その必要性をそれぞれの組織の人間に理解させることも、チェンジエージェントがつかさどる組織改革の一端だと言えるでしょう。
組織全体の目標を見失う
組織全体の目標を見失ってしまうということも、組織全体の動きが見えなくなってしまう理由のひとつとして挙げられるでしょう。
組織としてどのような方向に向かえばよいのか、またいかなる目標を掲げ実現すればよいのかが組織内でまとまっておらず、それゆえ足並みがバラバラの状態だと、組織が成長を遂げることは難しいでしょう。
チェンジエージェントは、組織全体で共有できる目標を設定できように助けをしていきます。
弱いところにしわ寄せが来る
組織全体の動きが見えないということは、弱いところにしわ寄せがくるということでもあります。
経営陣と現場との間に大きな乖離が存在する組織では、組織の根幹を担っているものの発言権がなく弱い立場にある人々や部署に大きなしわ寄せがくるものですので、それを防ぎ、組織内の動きをスムーズなものへと導いていくのもチェンジエージェントの仕事のひとつです。
決めるべき人が決めていない
決めるべき人が決めていないということも、組織全体の動きが見えなくなってしまう原因のひとつです。
本来ならばどこに決定権をもたせるべきかを明確にし、決定権をもつべき人や部署にその権限と責任を与えるよう導くことも、チェンジエージェントの役割として含まれます。
チェンジエージェントについての理解を深めよう!
今回はチェンジエージェントについて特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。チェンジエージェントは企業の悪しき風習や文化を改革し、組織としてより一層成長を遂げるために欠かせない存在です。
ぜひこの機会に、チェンジエージェントの役割やその組織改革の内実について詳しく調べてみてください。