ジョブローテーションとは?
企業ですでに働いている人、現在就職活動を行っていて、これから企業で働くという方はジョブローテーションという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
ここではジョブローテーションという言葉の意味からその目的、メリット・デメリットについてご紹介していきます。
ジョブローテーションについてしっかり理解して、ジョブローテーションを活かした効率的な働き方を目指していきましょう。
ジョブローテーションの意味
ジョブローテーションとは、定期的に職場内で異動したり、職務を変更したりする制度のことを言います。
ジョブローテーションは人材研修の一環で、企業にはさまざまな部署や業務があるため、多くのことを経験することによって、さまざまな能力を活かして働くことが求められます。
さまざまな業務を経験しながら、従業員の能力開発を行う仕組みとして、日本でも多くの企業が採用している制度です。
ジョブローテーションの期間
ジョブローテーションの期間は、実施する目的によって異なります。
新入社員や入社して間もない社員に対しては、会社全体の雰囲気や職務内容を把握してもらうために比較的短い期間で複数の部署を巡ってもらい、これから責任のある立場になる社員に対しては、もう少し時間をかけて部署を巡ってもらいます。
このように、ジョブローテーションは、大きく分けて2つの活用方法があり、目的に合わせてその実施期間が異なります。
ジョブローテーションの目的5つ
ジョブローテーションの目的1:会社・事業理解
ジョブローテーションの一つ目の目的は、会社や事業について理解を深めるということです。各部署でどのような仕事をしているのか、部門ごとの課題は何か、商品やサービスの細かい特徴など、実際に働いてみないとわかりません。そのため、実際に経験をするとともに業務に対する理解も深めていきます。
実際に多くの職場を経験することで、仕事に対する理解を深めていきます。
ジョブローテーションの目的2:能力発揮
二つ目の目的は、これまでのキャリアや適性を活かして多くの業務に就くことで、持っている能力を最大限に発揮してもらうということです。ジョブローテーションによって複数の職場を経験してきた中から専門分野に特化してもらい、プロジェクトを率いたり、管理職へとキャリアチェンジしたりするなど、多様化が進みます。
業務の効率が上がるような仕組みを作り、部署を率いていく人材を目指していきます。
ジョブローテーションの目的3:人材育成
三つ目の目的は、入社後のジョブローテーションでさまざまな職務に就いて、実務を通して経験しながら、適性や本人の意向を見極めて正式の部署でどのような仕事をしてもらうかなどを決定し、人材を育成することです。
新人研修などで多く用いられる目的であり、企業内のさまざまな職種や部署を経験させることができるようになります。
ジョブローテーションの目的4:属人化の防止
四つ目の目的は、属人化の防止です。その人にしかできない仕事は多くなってしまうと、その従業員の負担は大きくなってしまいます。現代ではワークライフバランスとよく言われていますが、それが実現できなくなってしまい、従業員の多様な働き方を阻止してしまいます。
その人にしかできない仕事ができる従業員の方が退職された場合に、会社側は大きな問題を抱えます。ジョブローテーションは退職リスクの軽減にも役立ちます。
ジョブローテーションの目的5:仕事のマンネリ化を防止
同じ仕事をずっと続けていると、次第にマンネリ化するということがあります。しかし、ジョブローテーションを導入することで、仕事への新鮮な気持ちや姿勢が生まれ、マンネリ化を防ぐことができます。
安定を感じてきたところに、他の業務を覚えるということを好まない従業員もいるでしょう。しかし、新しいことへの挑戦や変化への適応力をつけることは有効的です。
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ジョブローテーションの5つのメリット
ジョブローテーションには5つのメリットがあります。ジョブローテーションに関する正しいメリットについて理解して、会社に導入する際の参考になるように学んでいきましょう。
1:コミュニケーション活性化
一つ目のメリットは、コミュニケーションが活性化するということです。プロジェクト内容によっては、成果を上げるためにさまざまな部署との連携が求められ、コミュニケーションを取ることが必要となる場合があります。
しかし、普段あまり関わらない人といきなり関係を築くことは難しいことです。ジョブローテーションを取り入れることで、異動者がコミュニケーションの橋渡し役となり、部署間の連携が生まれやすくなります。
2:新入社員の入社後のミスマッチを防ぐ
二つ目のメリットは、新入社員は適性を判断した後に配属となるため、ミスマッチを防ぐことができるということです。
新入社員は自分の希望や適性を正しく把握できていないということが多々あります。そこで、ジョブローテーションによってさまざまな部署や業務を経験したのちに配属されることによって、自分には合わないなどといったミスマッチを事前に防ぐことが期待されます。
3:適材適所の配置
三つ目のメリットは、適材適所の配置が実現するということです。従業員は、さまざまな職務や部署を経験することによって、その経験から本人の適性と意思を見極めることができるようになります。
人材を適材適所に配置することができれば、従業員のモチベーションを高めることにもつながり、従業員だけでなく、企業側にとっても大きなメリットとなります。
4:幹部候補の育成
四つ目のメリットは、幹部候補生を育成することができるということです。幹部候補生の育成には、非常に長い時間がかかります。また、日本の企業では、幹部が現場を知っているということが強みになると考えられています。
優秀な人材を早いうちからさまざまな現場を経験してもらうことによって、各部署への理解が深まり、将来幹部になった時に、現場で得たものが役立ちます。
5:モチベーションを維持できる
五つ目のメリットは、仕事に対するモチベーションを維持できるということです。日本の企業では、ジョブローテーションを組むことで、幹部候補生の一員というメッセージを送ることで、従業員のモチベーションを高めようとする傾向があります。
従業員もジョブローテーションに組み込まれたというメッセージを受け取ることで、幹部候補生の一員ということで、モチベーションを維持または向上させていきます。
ジョブローテーションの3つのデメリット
ジョブローテーションには5つのメリットがありましたが、逆に3つのデメリットもあります。ジョブローテーションに関する3つのデメリットについてしっかり理解して、導入する際の参考にしていきましょう。
1:スペシャリストの育成には向いていない
一つ目のデメリットは、一定期間で業務の内容が変わってしまうため、専門性の高い人材いわゆるスペシャリストを育成することが難しいということです。
たとえば、10年間一貫して同じ領域で経験を積んだ人材と、10年間で3種類の業務を経験した人材では、ある特定の分野での専門性に大きな差が生じてしまいます。
2:指導に時間と労力が必要
二つ目のデメリットは、業務内容の異なる職場への異動の後は、新しい業務に慣れるまでに時間がかかり、さらに、従業員に業務について指導することにも時間がかかるということです。
引継ぎの進歩次第では、業務が停滞してしまうということも考えられます。
3:離職した場合に教育コストの損失が大きい
三つ目のデメリットは、さまざまな部署や業務を経験させて、期待ができる人材に従業員を育成できたとしても、その人材が退職するという可能性は十分にあり、育成にかけた教育コストの損失が大きいということです。
企業での育成戦略が成功すればするほど、従業員のキャリア志向は高まるため、転職するという可能性が大きくなってしまいます。育成した従業員を失ったときの教育コストの損失は、予想以上に大きなものとなります。
ジョブローテーションを導入して企業の活性化に繋げよう!
ジョブローテーションを導入することによって、社員のモチベーションを高めたり、業績向上につながる可能性があります。多くのメリットがある反面デメリットもあります。ジョブローテーションを効果的に活用してより良い会社、強い会社づくりに取り組んでいきましょう。