エフィカシーとは?
エフィカシーとは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラに提唱された「自己効力感」のことで、簡単に言えば「自分はできる」という自信のことを言うコーチング用語です。
エフィカシーは、自己の能力をどう評価しているかを「高い」「低い」で表現します。「自分は能力があり達成できる」と考える人は「エフィカシーが高い」、「自分は能力がなく達成は無理だ」と考える人は「エフィカシーが低い」と言えます。
エフィカシーのタイプ3つ
エフィカシーには「自分の行動」「他人との関係」「学校での学習」の3つのタイプがあります。
学校で高い成績を達成でき、先生や友人と良好な関係を築ける、そのような行動をとれる能力が自分にはあると信じられるのは「エフィカシーが高い」人です。
この3つのエフィカシーは、例にあげたように学校に通う間はもちろんですが、社会に出て会社で働いたり、ご自身で事業をされる場合にも、とても重要なポイントとなっていきます。
エフィカシーのタイプ1:自己統制的自己効力感
自己統制的自己効力感とは、自分の行動を制御する際のエフィカシーです。
何事を行うにも、まずは自分の能力を知り、できることを的確に判断することが成功への近道です。
ここで「できると判断できること」が増えれば、つまり自己統制的エフィカシーが高ければ、実際にできることの幅も広がります。
エフィカシーのタイプ2:社会的自己効力感
社会的自己効力感とは、他人とコミュニケーションをする際のエフィカシーです。
何をするにも重要となる対人関係の能力ですが、自信を持てなければ消極的になってしまい、さらに関係が悪化することもあるでしょう。
ここで「自分は良い人間関係を築ける」と自信を持っていれば、つまり社会的エフィカシーが高ければ、積極的に人と関わり、良い関係を築ける機会も増えることでしょう。
エフィカシーのタイプ3:学業的自己効力感
学業的自己効力感とは、学習をする際のエフィカシーです。
勉強をして理解できて、テストでも良い点数を取れるようになると、もっと難しい問題に挑戦してみたくなりますが、勉強をしても理解できないし、テストの点数も思うように上がらないと、もう勉強をしたくないと感じてしまうことでしょう。
ここで「自分はもっと学べる」と思うなら、つまり学業的エフィカシーが高ければ、学ぶ機会が増え、高い成績を修められることでしょう。
エフィカシーが高いことによるメリット3つ
エフィカシーが高いことは、メリットしかないというほど良いことばかりです。
エフィカシーが高いと、失敗や困難に強くなり、先のことを見通せ、成功しやすくなります。また、周囲の人とも相乗効果があり、エフィカシーの高い人達の集団にいることで、お互いにエフィカシーを高め合うことができます。
エフィカシーが高いことによるメリット1:失敗や困難に強くなる
エフィカシーが高いと、失敗や困難にぶつかっても強くなることができます。
目標をあきらめてしまいそうな失敗や困難にぶつかった時、エフィカシーが高い人は、「自分は目標を達成できるはずなのだから、失敗や困難はその目標達成をより良いものにするための過程に違いない」と考えることができます。
結果、エフィカシーの高い人は目標を達成できる機会が増えるでしょうし、質の高いことを成し遂げられることでしょう。
エフィカシーが高いことによるメリット2:見ているビジョンをイメージできる
エフィカシーが高いと、ビジョンをイメージしやすくなります。
エフィカシーが高い人は、自分は何ができるのかが分かっているので、何をするべきかもイメージできるようになります。
自分は何ができるのかも分からずにとりあえずやってみて、失敗や困難に直面すればすぐにあきらめる、そんなエフィカシーが低い人に比べて、エフィカシーが高い人はさまざまなことで成功する機会が増えるでしょう。
エフィカシーが高いことによるメリット3:コレクティブエフィカシーを形成できる
エフィカシーの高さは相乗効果も生み出します。それがコレクティブエフィカシー(集団的自己評価)を形成できることです。
エフィカシーが高い人達の集団の中にいると、さらにお互いのエフィカシーを高め合うことができます。
会社など、組織やグループで目標達成をするにあたって、コレクティブエフィカシーが形成できるかはとても重要なポイントになります。
エフィカシーを高める方法5つ
エフィカシーを高めると、さまざまな場面で成功する可能性が高まるということがわかりました。さっそく今からでもエフィカシーを高めていきましょう。
エフィカシーを高めるには、要は「自分はできる」と信じられるように自身の心の声を聞き、成功体験を増やしながら求めることや心地いいことを知って、自己評価を修正していくことです。
具体的な方法5つをひとつずつ見ていきましょう。
エフィカシーを高める方法1:セルフトークマネジメント
エフィカシーを高めるには、まずセルフトークマネジメント、心の声を聞き、マネジメントするようにしてみましょう。
例えば、会議で発言しようとして「恥をかいたらどうしよう、たぶん恥をかくだろうからやめておこう」という心の声が聞こえたら、「自分にはできる、もし恥をかいてもたいしたことではないし、逆に自分のことを覚えてもらえるのでは」と考えてみます。
こうすれば、行動もできて失敗への恐れも減らすことができます。
エフィカシーを高める方法2:成功経験を増やす
セルフトークマネジメントによってエフィカシーを高めることで、自信を持って行動できる機会が増えると、成功経験も増やすことができます。
成功経験は確かな自信となり、エフィカシーを高めます。
成功体験でエフィカシーが高まったことによって、またさらに自信を持って行動できるようになり、成功経験が増えるという好循環が生まれることでしょう。
エフィカシーを高める方法3:将来なりたい自分を見つける
エフィカシーを高めるためには、将来なりたい自分を見つけることも効果的です。
「自分がどうしたいのか」が明確になっていると、そのために何をするかも明確になってくるため、「したいことのためならできる」と、エフィカシーが高まりやすくなります。
ポイントは、将来なりたい自分を見つけないといけないという義務的な意識ではなく、本当に「自分がしたい」と思えることは何かを考えてみることです。
エフィカシーを高める方法4:コンフォートゾーンの設定をする
コンフォートゾーンとは心地の良い範囲のことで、この設定を高いところへずらすことによって、エフィカシーも高めることができます。
例えば、「どうせがんばっても認められない」と愚痴ることがコンフォートゾーンになっている人は、頑張らないので認められることもなくずっと心地よく愚痴っていられます。
エフィカシーを高めるには、これを「がんばらずに愚痴ってばかりだと心地悪い」という設定にするとよいでしょう。
エフィカシーを高める方法5:自己評価の修正
エフィカシーを高めるには、自己評価を見直して修正してみましょう。
低い自己評価は、過去の経験や他人に言われたことから思い込んでいるだけだったり、失敗した時の保険だったりするでしょうが、果たして妥当でしょうか。
「自己評価」と言うくらいですから自分で決めることができますし、いつでも修正してかまいません。自分で決められるなら、これから先の成功へつながる評価にしておいたほうが良いでしょう。
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勘違いされる偽物エフィカシー3つ
ここまで、エフィカシーが高いとさまざまなことがうまくいき、そのためにエフィカシーは高めていけるということを見てきました。
エフィカシーは高まったり低まったりしますが、簡単に揺らいでしまう「やる気」「その日のテンション」「気持ちの浮き沈み」などは、偽物のエフィカシーですのでまどわされないでください。
どんな状況でも、自分のしたいことのためなら自分はできると言える人が、本当にエフィカシーが高い人です。
偽物エフィカシー1:やる気
やる気は偽物エフィカシーです。
「今日はやる気が出ないな、エフィカシーが下がっているのかも」
そんな風に考えず、これからの未来のことをイメージしてみましょう。しっかりとエフィカシーが高められていれば、やるべきことならできるはずです。
偽物エフィカシー2:その日のテンション
その日のテンションも偽物エフィカシーです。
「今日はテンションが下がってるな、エフィカシーも下がったからもうダメかな」
そんな風に考えず、気分転換をしてみましょう。しっかりとエフィカシーが高められていれば、行動しているうちに、いつの間にかテンションが上がってきたことに気づくでしょう。
偽物エフィカシー3:気持ちの浮き沈み
気持ちの浮き沈みも偽物エフィカシーです。
「気分が沈んでるな、エフィカシーの低い人になってしまったんだ」
そんな風に考えず、ちょっと休憩してみましょう。しっかりとエフィカシーが高められていれば、そんな時間さえも必要なものであったと思えることでしょう。
エフィカシーを高めることが目標達成の近道
エフィカシーを高めることは、さまざまなメリットをもたらす目標達成への近道です。エフィカシーを高めることは、人生を高めることにほかなりません。
一度きりの人生ですから、ぜひエフィカシーを高めて、素晴らしいものにしてください。