マーケティングの基本ポジショニング|実施方法と成功させるポイント2つ

マネジメント

ポジショニング

ポジショニングとは、マーケティングのプロセスにおいてセグメンテーション、ターゲティング、マーケティング・ミックス(4P)と関連している重要な考えの一つです。

ポジショニングをどう設定するかによって、マーケティング・ミックスのすべて変わってしまうこともあり得ます。ポジショニングは、価値と居場所を決めて顧客にそのことをアピールするために重要なことです。

ポジショニングの基本

マーケティングに欠かせない考えであるポジショニングは、顧客へ自社製品の魅力を認知させるために行う活動だと思えば良いでしょう。他社よりも自社製品を選択してもらうため、価値を明確に示す必要性があります。

その際は、他社製品と比較した時に何がどう優れ、魅力的な製品なのかがはっきりしていなくてはなりません。顧客に自社製品のユニークな価値をアピールすることがポジショニングです。

ポジショニングの歴史

マーケティングにおけるポジショニングは、1970年代より主流となった消費者志向「マーケティング2.0」にて登場しました。1970年代に日本ではオイルショックがありました。物価高となった市場は売り手の立場から、消費者主体の買い手に変化していきました。

そこでは競合同士による熾烈な争いが始まり、自社製品やサービスを差別化する上で、顧客ターゲットを明確にし競争の優位性を確立させる戦略ポジションの重要性が叫ばれたからです。

戦略的ポジショニングの作り方

マーケティングにてポジショニングを考えるには、どのような視点で軸設定をしていくのかが必要不可欠となっていきます。これは「ポジショニングマップ」とも呼ばれています。軸を設定するには、競合との違いを並べる他に、消費者や顧客から見た役割を中心に意識します。

特にポジショニングの軸を取るには、ブランドの属性が最優先です。例えば、車を開発するのなら、その車をどんなターゲット層(男女、年齢など)に向けるかを設定します。

マーケティングの基本ポジショニング

マーケティングではSTPの設定は重要です。STPとは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の各々の頭文字を取った略称のことを意味します。

マーケターの仕事は、常にSTPを設定することから始まるとも言われています。では、STPの書く内容について簡単に触れていきましょう。

マーケティングの基本ポジショニング1:セグメンテーション(Segmentation)

セグメンテーションとは、市場細分化という意味があります。自社製品やサービスを開発するには、それがどの市場を狙えるのかを探るのですが、そのためには市場をどう分ければいいのかを考えなくてはなりません。

今現在の市場にはどのような種類があるのかを確認しなくては、全く的外れになってしまうからです。市場を切り分けて軸を定めれば基準ができます。セグメンテーションは、マーケティングで欠かせない考え方です。

マーケティングの基本ポジショニング2:ターゲティング(Targeting)

セグメンテーションで決めた判断基準から、今度は実際の的を狙うのがターゲティングです。例えば、日本を細分化し47都道府県に分けることがセグメンテーションで、実際にどの都道府県を市場にして狙うかを定めていきます。

特に地域密着した店舗などは、ターゲットの選定条件一つが左右していきます。仮にターゲティングの選定に不備やミスが生じたら、セグメンテーションから新たに軸を選びなおします。

マーケティングの基本ポジショニング3:ポジショニング(Positioning)

標的となる市場が決まったとしたら、今度は立ち位置を決定させます。これがマーケティングでのポジショニングの確立です。その時に計らうポイントは、顧客に認識される立ち位置を見定めることです。

野菜を買いたい人に魚を売ることはナンセンスです。自分としては魅力的だと思えても、一般顧客からはそうだと映らなければポジショニングが失敗しています。最も大切なのは、顧客がそれを必要としているのか否かです。

ポジショニングの基本となる切り口4つ

マーケティングにてポジショニングを検討するとなった場合、大きく4つの切り口を眺めて、自社製品やサービスの分析を行なっていきます。ここでは、ポジショニングのための4つの切り口についてご紹介します。

ポジショニングの基本となる切1:商品による切り口

ポジショニングの基本的な切り口の一つ目は、商品による切り口を見出すことです。これは自社商品やサービスの機能、品質、デザインなどを指します。

もし衣類やバックといった商品が機能面や耐久性などで他社にはない特徴的な部分を持っているのなら、その優れた部分の差別化を図ることが重要です。なにが飛び抜けているのかを見極めていく作業です。

ポジショニングの基本となる切2:サービスによる切り口

マーケティングでのポジショニングにて、サービスによる切り口とは、顧客がいかに楽な方法で自社商品を購入できるかについて工夫する考え方です。商品購入にて生じる顧客のストレスを緩和するには、どうすればいいのかを考えていきます。

事例としては、商品購入時や予約注文のしやすさ、配達の的確さ、メンテナンスのきめ細かさなど、その商品の付加価値的な内容です。

ポジショニングの基本となる切3:人による切り口

マーケティングにおけるポジショニングにて、人による切り口も考える要因です。これは製品購入前後での、対応するスタッフの質についてを指しています。

その中に含まれるのは、スタッフが顧客に提供する技能、知識、誠実さ、礼儀正しさ・敏速さなどがあり、それらの善し悪しによって、商品購入に変化が出るとされています。誰をいつどんな条件で配置させ、スタッフとして活動してもらうのかを図ります。

ポジショニングの基本となる切4:イメージによる切り口

マーケティングにてポジショニングの切り口となる要素の4つ目が、イメージによる切り口です。これは客に連想してもらうイメージのことを指しています。

自社製品やサービスを実際に触れてみることで、どのような満足感が得られるのか、あるいは特別感や使用感などがどう心の中で動くのかなどを考えていくことです。

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ポジショニングの実施方法

それでは、マーケティングにおけるポジショニングの効果的な実施方法について言及していきましょう。ポジショニング設定に欠かせない点は、製品ベネフィットを明らかにすることです。

ベネフィットとは、顧客がその商品を使って得られる良い効果や利点のことです。そのベネフィットをどれだけ多く、また優れたものを見出せるか否かに掛かってきます。

実施方法1:ポジショニングマップの活用

マーケティングを成功させるためのポジショニング、その最初の仕事は、自社製品がどこにポジションを設ければ成功となるのかを見極めることにあります。そんな状態を合理的かつ視覚的に表わしたものがポジショニングマップと呼ばれる図解です。

縦軸と横軸を掛け合わせ十字の図を作ります。その際の各軸を決める視点、切り口は多種多様ですが、適した軸を選定するのに参考とするのがベネフィットです。

実施方法2:ポジショニングマップの軸と組み合わせを決定

ポジショニングマップの縦軸と横軸を決める際、商品ベネフィットを洗い出すことになります。また市場ボリュームを把握しながら、その商品の特性やニーズを分析したり、ユーザーのニーズや行動を分析して決めます。

例えば、衣類を販売するのであれば、「安い」「高い」という価格設定の見方もあれば、「フォーマル」「カジュアル」といったスタイルでの見解もできます。価格設定とスタイルを十字に掛け合わせます。

実施方法3:自社のポジション(立ち位置)を決定

マーケティングにてポジショニングを考える時、どのような視点でポジショニングするのかは軸の設定によって左右します。ポジショニングマップにて最も大切な心構えは、ユーザー目線で軸を選定することです。

専門的な用語などではなく、フラットで誰にでも理解できる立ち位置の幅を決めます。安いのか高いのか、艶やかなのか落ち着いているのか、重いのか軽いのか、希少なのか量産なのかといった軸幅に中で立ち位置を決めます。

実施方法4:マーケティングミックスの実施

マーケティングミックスとは、マーケティング戦略を行う際、望ましい反応を引き出すため、マーケティングのツールを組み合わせることを意味します。つまりは、実際にツールを活用して分析を始めてみるということです。

製品や価格、プロモーション、流通といった側面から、マーケティング戦略が顧客にとって魅力的で効果があるのかを整理していきます。さまざまなマーケティング・ツールがあり、中でも4C、4Pなどが一般的です。

ポジショニングを成功させるポイント2つ

ポジショニングを決めて成功させるコツは、自社製品がなぜ1番なのか、なにと比べて優れているのかという具体的理由を見出すことが必要です。

ポジショニングマップのどの軸で他社製品との差別化を図れるかに掛かっています。そのためには、次の2つのポイントを押さえるといいでしょう。

ポジショニングを成功させるポイント1:顧客の視点に立つ

やはり肝心なのは、顧客のニーズがどこにあり何を具体的に求めているのかを探り出すことにあります。そのためには、生産者側や販売者側の視点に立つのではなく、自分もしがない一人のユーザー、顧客になったつもりで商品と向き合うしかありません。

今何が不足していてそれを解決させるために、どんな商品が求められているのかをマーケティングのツールなどを活用して眺めてみることです。

ポジショニングを成功させるポイント2:差別化戦略と混同しない

差別化戦略とは、マイケル・ポーター氏が提唱した競争戦略の一つです。ある特定商品の市場を同質とみなし、競合他社商品と比較しながら差を設けることを言います。

つまり、ポジショニングの本質はあくまでもユーザー・顧客の立場を考えた差別化なので、競合同士の争いで優位性を得ようというのとは違ってきます。あくまでも顧客目線で市場を決めるのが、ポジショニングの役割です。

ポジショニングについて理解を深めよう!

以上、マーケティングの基本として大切なポジショニングについての特集でした。かつて安売り合戦をし続けてきた業界もあり、市場は競合他社との争いだという概念が蔓延っていました。

しかしポジショニングを考えるのであれば、身の回りのあらゆる製品の売れ行きは、他社製品との比較や競争ではなく、それを実際に使う顧客がどう魅力的だと判断・認識をしてくれるのかを想定しながら、行く末を占って決めていくことが大切です。

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