共創の3つのタイプ|共創でやるべきこと・やってはいけないこと

マネジメント

共創とは

異なる業種の人同士が協力して新しい商品やサービス、価値づくりをするのが共創です。

全く異なる業種同士が組み合わさって今までにない新しいものが生まれ、社会に大きな変化をもたらすこともあります。

インターネットが発達し、人々の意見を今までよりも得やすくなったことも、共創という形態を形作るのにかなり貢献しています。

共創が必要とされている理由

今まで日本ではさまざまな業種で分業化・専門化が進んできました。

今は便利なものであふれています。作る側の偏った目線では使う側が不満に感じていることになかなか気づくことは難しく、分業化が進んだ日本ではさらに目線が偏りがちです。

共創を行うことで全く違う切り口で解決策が見つかるなど新しいアイディアを生み出しやすい環境を作り出すことができます。

サービスや商品をより良くしていく上でとても有効な手段です。

共創の3つのタイプ

共創には大きく分けて3つのタイプがあります。

1つ目が双方向の関係、2つ目がオープンな関係、3つ目が連携の関係です。いづれも協力関係であることを表していますが、少しずつ異なっています。

双方向の関係、オープンな関係、連携の関係。それぞれの関係がどんなものであるかについて詳しく説明していきます。

共創のタイプ1:双方向の関係

双方向とは情報が一方方向ではなく、受け取る側も何らかの情報を発信するという関係です。ビジネスに置き換えると企業と消費者が一緒に価値を産み出していくという関係をとるということです。

一方的に企業側がサービスや商品を売り込んで消費者が受け身にそれを購入するだけでなく、消費者側からも意見を出してもらうなどしてサービスの向上を目指す、新しいビジネスモデルを作っていくという取り組みです。

消費者目線の意見が取り入れられるというのが最大の利点です。

共創のタイプ2:オープンな関係

お互いに壁をつくらず、自由に意見交換ができる環境をつくります。たとえるならネットのコミュニティや掲示板のような感じです。同じテーマを共有し、商品やサービスがよりよくなるように意見や案を出し合って議論します。

一方的に出された意見を享受または否定するのではなく、参加する人々が自分の意思を持ってアイディアを出すことが求められます。

共創のタイプ3:連携の関係

ある団体がほかの団体と協力して今までなかった切り口から問題を解決したり、新しいサービスをあみだすという取り組みです。

片方の団体が発注し、それを請け負うという関係ではなく、ともに同じ問題を知恵を出し合って解決していくパートナーのような関係が求められます。二つの団体の間に上下関係があってはこの成立しません。

共創でやるべきこと・やってはいけないこと

共創をする上でやるべきこと、やってはいけないことがあります。

共創でやるべきこと、やってはいけないことを頭に入れておかないと思わぬところでつまずいて失敗する確率が高まります。

ではやるべきこと、またやってはいけないこととはどんなことなのでしょうか?例を挙げながら説明します。

共創でやるべきこと

意見やアイディアを出し合う相手に偏りがあってはいけません。全く違う業種の人の意見を複数取り入れましょう。

例えば極端な例を挙げれば、国の今後を考えていく人が超裕福な家庭で育ち、全員野球が好きだったとします。貧困な家庭で育った人の気持ちは当然分かりません。野球嫌いはほぼいないという発想に陥るため野球好きに有利な政策をします。

そのサービスや商品・企業に批判的な人をいれたほうが議論に磨きがかかります。ただ足を引っ張りたいだけの人なのか、鋭く難を見つけてくれる人なのかはしっかり見極めましょう。

共創でやってはいけないこと

共創はともに作り上げていくことです。例えば広告デザインを不特定多数の人にコンペ式で出してもらい、採用する方式は共創ではありません。

また、共創のコミュニティを大きくしすぎてはいけません。あまりに大きすぎると意見がまとまりにくい上に管理が大変で、一人一人の解決していこうという意識が下がります。

加えて重要なのが、実行するチームにすでに決定したこととしてコミュニティ内で集めた意見を提出せず、必ず決定を実行するチームにも意見を聞くことが大切です。

共創の知識を学ぶ!おすすめの書籍5選

インターネット上で調べたことだけでビジネスを学ぶのは足りないと感じる人は書籍を読んで学ぶことをお勧めします。

書籍ではメディアで得る情報よりも質の良い情報を短時間で得ることができます。本の内容は出版社から出されている場合、情報の正しさは出版社が保証してくれることになっています。

書籍は筆者が明らかになっています。匿名でも書き込めるインターネットよりもこの時点で正確さがより証明できます。

そこで、共創について書かれたおすすめ書籍を5冊紹介します。

共創のリーダーシップ~教育のプロが教える、部下とともに成長する関係性のつくり方~

主に職場内の共創の関係性をつくる手順を紹介しています。

職場のリーダー的ポジションについている方、これからなる予定の方におすすめの本です。
7期連続で増収増益を果たし、顧客満足度で6年連続1位を獲得している東京個別指導学院の経営者である方が書いた本です。経営を支えるのは8割以上が大学生。

教育のプロが 自分も成長し、部下を成長させ、共創していくためのメゾットを公開しています。

2つの側面で役に立った実践的なこれからのリーダーシップの本。1つ目は、チームで“共に成長する”リーダーシップとは何かがわかる。キーワードは「心通う関係性」。これからの自分たちのチームの在り方に悩んでいる若いリーダーやこれからリーダーになりたい人たちにピッタリ。2つ目は、社内外のスピーチなどのデリバリー(伝え方)のノウハウが詰まっていること。話下手な私にも使えるテクニックも多い。文章や表現もそれらのノウハウが活かされ、わかりやすく読みやすかった。

https://www.amazon.co.jp/%E5%85%B1%E5%89%B5%E3%81%AE%E3%8…

アイディア共創の質を高めるしくみ

「アイディア共創の質を高めるしくみ」はマーケティング担当者、新規事業担当者におすすめの書籍です。

共創活動から、どのようにして価値を生み出していけばよいのかを21世紀のビジネスの風潮から研究に基づく知識の紹介から読み解きます。

さらに消費者と企業との共創の意味・仕組みとは何なのか、実際に共創を図って上手くいった例を紹介しています。

これからの時代、やっぱり「共創」ということが大事になってくるのですね…異業種のコラボによって結果が出ている事例は、とても参考になりました。お互い、そして社会的にもメリットが出せる「共創」の機会をもっともっと作っていきたいと感じました。

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%87%E3%8…

次世代共創マーケティング

「共創マーケティング」 について取材をもとに、価値を作るためのコツを示している本です。

「共創」が必要とされる理由、顧客を知るとはどういうことなのか、「共創」を実践する企業の紹介などが書かれています。

今までの企業と消費者の一方通行な関係から、消費者と共に価値づくりをしていくことの違いについても言及されています。

成功例や失敗要因が具体的に挙げられており、オンラインコミュニティを企画する場合の、参考書として役立つ書と思います。

https://www.amazon.co.jp/%E6%AC%A1%E4%B8%96%E4%BB%A3%E5%8…

価値共創とマーケティング論

共創をする上で消費者と企業の間の関係性を説き、価値共創型企業システムのモデル化を試み、その価値共創の有用性も紹介しています。

広島大学大学院社会科学研究科教授、博士(経営学、東北大学)の方が書いた共創とマーケティングについて書いた本です。

サービス・ドミナント・ロジック、サービス・ロジックについて和書であまり良い本と出会えなかったのですが、こちらは図表なども分かりやすくまとめてあります。マーケティングの基礎から北米型研究、北欧型研究の違いが学べます。特に良かったのが、従業員に対するマーケティングのインターナルマーケティングや企業の事例研究についてもまとめられており、充実感のある本でした。この価格でとても良い本に出会えたと思いました。今後の著書にも期待しています。

https://www.amazon.co.jp/%E4%BE%A1%E5%80%A4%E5%85%B1%E5%8…

ケースブック価値共創とマーケティング論

上記の本「価値共創とマーケティング論」の著者と同様の方である「村松潤一」が書かれた本です。

「ケースブック価値共創とマーケティング論」の方が出版年が1年後となっています。

マーケティングの本質は企業と消費者間で生み出される価値にあるという仮説を具体的な企業の場合で検証するという内容です。

ビジネスにおいて共創は重要な手法の一つ

共創はより良いサービスを作るうえで欠かせない要素となっています。

今までは企業でより良いものをとにかく作っていき、消費者に受け入れてもらう方式が多数でした。インターネットにより多くの人々の意見を集めやすくなった今、消費者と意見交換をして消費者に寄り添った商品やサービスを開発していくことが成功の秘訣になりつつあります。

これからは個人が活躍する時代になると言われています。幅広い意見を取り入れ、柔軟に対応することを心がけましょう。

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