企業が行うべきセクショナリズム対策9つ|原因や解消方法をご紹介!

マネジメント

セクショナリズムとは

セクショナリズムという言葉をご存知でしょうか。ご存知ではなくても聞いたことはありますでしょうか。

セクショナリズムとは、企業や集団において、部署ごとのこだわりが強く、全体的に相乗効果が生まれないばかりか、悪影響をもたらせている状態をいいます。

自部署の最善最良を優先する考え方ですので、いろいろな歪みがでてくることになります。

セクショナリズムの種類

セクショナリズムには大きく分けて4つに種類分けできます。それは、排他的・批判的・無関心的・非協力的セクショナリズムです。

自部署で起きた事象のみに対応し、他部署で起きている事象には全く関心を持たない状態を無関心的、他部署で起きている事象を関与せず傍観している状態を非協力的といいます。

自部署を存続し他部署を排除しようとする行動状態を排他的、他部署を否定的に捉えた言動を行う状態を批判的セクショナリズムといわれています。

セクショナリズムが起こる原因

それでは、セクショナリズムとはなぜ起きてしまうのでしょうか。

これは、目標管理などから紐解くと以外に単純で、企業目標の元で部署目標や個人目標があり、それぞれの目標達成が企業目標を達成することにつながります。

このことから、個人目標や部署目標に尽力するのは必然で、この必然さ故の自部署第一主義こそがセクショナリズムの起こる原因と言えます。この状態が進行していくと企業全体のセクショナリズム化を生みだします。

企業が行うべきセクショナリズム対策9つ

セクショナリズムは、適度なうちは企業によって有益ですが、過度になると企業発展や継続に悪影響をもたらす可能性が高く、企業にとって好ましい状況とは言えません。

このような不毛な状態にならないためには、どのようにすべきなのでしょうか。

ここからは、セクショナリズムが起こらぬよう、また、セクショナリズムが起きてしまった場合に最小限の弊害で済むような、企業が行うべきセクショナリズム対策を9つご紹介します。

企業が行うべきセクショナリズム対策1:人事部から対策をスタートさせる

対策の1つ目は、人事部にセクショナリズムを根付かせないことです。人事部では、人材採用から退職までの管理、育成や研修を行うなど、企業全体の職員と関わることがお仕事になります。

このような人事部は、正の連鎖も負の連鎖も生みやすくします。

このような観点から、企業の良い情報も悪い情報もいち早く広まる可能性を秘めている人事部から対策を行うことで、企業のセクショナリズムを生みにくくする効果が期待できます。

企業が行うべきセクショナリズム対策2:管理職・リーダー育成

対策の2つ目は、企業を適切な方向へ導いていく機能を持つ管理職やリーダーにセクショナリズムを根付かせないことです。

特に、管理職は自部署の成功を第一に考えなければならず、この成功なくして部下との有効な関係は築きにくい状況が生まれます。

そのため、管理職・リーダーが自部署のことだけ考えて行動するのでは充分ではないことを教育し、セクショナリズムの生みにくい管理職・リーダーを育成することが重要です。

企業が行うべきセクショナリズム対策3:経営理念の浸透

対策の3つ目は、改めて経営理念を浸透させることにあります。当たり前のように感じますが、日々の業務の中で経営理念を意識しながら業務をしていることは、そんなにないのではないのではないでしょうか。

そもそも自部署は何のために存在しているのかを見つめなおし、自部署の繁栄だけが企業のすべてではないことを認識しましょう。

経営理念の浸透は、職員一丸となり経営理念に向かって進んでいくことが認識できます。

企業が行うべきセクショナリズム対策4:インクルージョンの推進

対策の4つは、セクショナリズムが生まれやすい状況の1つである、自分だけ良ければという考え方をなくすことにあります。

時には、楽に見える部署や人を批判し、頑張っているのは自分だけという主張をしたくなることもあるでしょう。

これには、さまざまな職種、立場などを踏まえ、多種多様な働き方があり、役割が違うということを認識させ、インクルージョン(一体性)を推進することが重要です。

企業が行うべきセクショナリズム対策5:ジョブローテーション制度を導入する

対策の5つ目は、人材交流が有効です。自部署だけを守ろうとすることから生まれるセクショナリズムは、往々にして他部署の状況がわかっていない、理解できていないことから生まれます。

そこで、定期的なジョブローテーションを行うことで、今まで他部署だったところが自部署になり、さまざまな感情変化が期待できます。

企業が行うべきセクショナリズム対策6:組織のマトリックス化

対策の6つ目は、組織体系をかえることです。企業の組織体系の種類は、事業部制組織、職能別組織、マトリックス型組織に大別されます。

事業部制は、営業、開発などを事業として組織化し個々で完結させます。また、職能別は、営業部、開発部などの部署を単位とした一般的な組織形態です。

これらの組織は、セクショナリズムが生まれやすいと言えます。この打開策として、複数の部署に配置されるマトリックス組織への変更が有効です。

企業が行うべきセクショナリズム対策7:活動報告を実施する

対策の7つ目は、互いを知ることが有効です。ジョブローテーションは有効ですが、実際には人員に余裕がないと戦力が一時的に落ちるため、なかなか着手しにくいとも言われています。

そこで、ジョブローテーションの目的は、他部署を知ることにありますので、各部署の活動を報告することにより、他部署の成果や課題を知ることは意味があります。

企業が行うべきセクショナリズム対策8:社会的感受性を高める

対策の8つ目は、社会的感受性を高めることが有効です。社会的感受性とは、相手と接したときの態度や対応などから、自分に対してどのような感情を持っているのかを読み取る力のことです。

この力を高めることにより、相手の言動が理解できるとともに、自身の振る舞いが相手にどう映るのかも予測することができるようになります。

企業が行うべきセクショナリズム対策9:情報共有を徹底する

対策の最後は、情報共有を徹底することです。この情報共有の方法は、どのような方法でも良いのではなく、フェイストゥフェイスでのやりとりが望ましいです。

書面での回覧や一斉メール送受信だけでも情報は確かに共有できますが、双方向でのやりとりが希薄です。

情報の共有を工夫することで風通しのよい職場の確立が実現でき、このことこそが、セクショナリズム対策と言えます。

セクショナリズムの5つの解消方法

セクショナリズムの解消方法1:人事考課制度を見直す

セクショナリズム解消の1つ目は、人事考課制度を見直すことになります。

これは、人事考課の考課基準を自部署の活動だけにせず、企業内への貢献度を図るものにすることで、より広い視野を持った働き方をする職員が増加することになります。

正当で公平な評価を実践することで、どのようなことが評価につながるのかが認識され、他者や他部署への無関心さが薄れることが期待できます。

セクショナリズムの解消方法2:業務のプロセスを確認する

解消の2つ目は、業務プロセスを確認することすることが重要です。

それは、企業内における業務は、単部署だけで完結するものは少ないため、業務プロセスが自部署にとっては最善であるが、企業にとって最善ではないことを防ぐことにあります。

複数部署が絡む業務に関するプロセスを見直し場合には、当然に複数部署が集まっての協議を行いますので、必然とコミュニケーションが生まれ互いのことが理解できるようになります。

セクショナリズムの解消方法3:顧客の要望を組織内に発信する

解消の3つ目は、顧客の要望を組織内に発信することです。

これは、あなたがお勤めの企業が何を目指していて、顧客はどのような反応があるかということを知ることで、企業が一体となって取り組まなければいけないことが明確になります。

セクショナリズムの解消方法4:横断的な業務を任せる

解消の4つ目は、組織横断的な業務を任せることになります。

組織体験をマトリックス組織型に変更しないまでも、プロジェクト制をとるなど、複数の部署の職員が集まって、1つの目標に取り組むことで互いを理解、尊重しあう関係性が生まれます。

ただ、結果を急ぐあまり、排他的関係、批判的関係の部署を組ませると、余計に関係性が悪化する場合もありますので注意が必要です。

セクショナリズムの解消方法5:挨拶を徹底する

解消の5つ目は、ビジネスの基本中の基本である挨拶を徹底することです。

そんな単純なことと思わず振り返ったときに、一体どれだけの職員が挨拶をしているでしょうか。慣れ合いは基本を見誤り、楽な方へと人は流れていってしまいます。

一方、敵対している場合には、当然のコミュニケーションをもとらなくなるため、一向に関係性は修復しません。

まずは、シンプルですが、挨拶からのコミュニケーションの重要性を再認識しましょう。

セクショナリズムには適切な解消方法を見つけよう

セクショナリズムが起こる原因は、大きく4つに分類されました。

この原因よって対策が変わるところもありますが、適切な解消方法を身につけることで、未然に防げたり、長期化を避けたりすることが可能です。

自身や自部署の損得だけにとらわれず、企業継続や発展の本質を見誤ることなく、相乗効果を活用した最適な組織確立を目指しましょう。

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