同調圧力とは
自分のしたいこととは真逆のことをする
よく、日本人は、周りの意見に左右されてしまうということがあります。正しいと思っていなくても、周りがそうやって言っていたり、行動していたりするため、自分も同様の行動をしてしまいます。自我が強くない人に限って、周りに同調してしまいますが、これを同調圧力と呼びます。同調圧力は、権力が強い人に限って、よく利用しようとするでしょう。職場の環境を思い出してみればよく分かりますが、会社のいうことが絶対だという会社があります。残業が多く、法定ギリギリのラインで残業をしていたとしても、何も感じることがなければ、同調圧力にやられてしまっています。会社がそういう雰囲気作りをしていたり、周りが残業していて帰れるに帰れない状況があるでしょう。これこそが、まさに同調圧力の根底といってもよいです。自分の意志とは裏腹の行動を促してしまうというのが、同調圧力の特徴として挙げられるでしょう。
周りの声に負けてしまう
同調圧力の特徴として、周りの声に負けてしまうというのがあります。自分の意志でしたいことがあったとして、それをほかの人から諭されて考え直したことがある、なんて経験をした人も少なくないと思います。一人ならまだしも、10人中10人が間違っているとすれば、同調してしまい、間違えだということに気が付かされます。仕事であれば、明らかに正しい方法ではなくても、周りがやっていれば、自分もその背中を見て過ごすことになります。自分の頭の中では、間違った方法だというのがわかっていたとしても、周りがしているから自分もするという圧力に負けてしまうのです。周りの視線や声を気にすることによって、同調圧力というものは発生してしまうのです。
日本における同調圧力の歴史
少数民族が起源
同調圧力というのは、日本で根付いた文化といってもよいでしょう。自由の国アメリカでは、同調圧力がほとんどなく、したいことをしたいようにやっている人が多いです。同調圧力の起源としてあるのは、日本の少数民族があげられるでしょう。テレビで古い集落特有の習慣や風習を紹介する番組を見たことがあると思います。一般的な町で暮らしている人から見ると、少し異端な文化と思われるでしょうが、民族にとっては当たり前なのです。
少数民族には、その村の長がいて、その長がいうことは絶対という主義でした。昔に比べると、亭主関白という文化が根付いていた時代であり、男性が権力を持っていた時代です。今の日本に比べると、女性や年齢の低い人は言論の権利を持っておらず、長や男性のいうがままだったのです。そういった同調圧力があるからこそ、反発が起きデモなどが発生してしまうわけです。
村として残っている場所は村ぐるみで行っていることも
村として残っている場所は、日本でも非常に多く存在します。町から離れているということもあって、村に住んでいる人全員が知り合いということもあります。そのため、町に住んでいる人に比べると、干渉して生活している人のほうが多いでしょう。村の誰かが間違ったことをしてしまうと、同調圧力ですべてを解決しようとするのです。たとえ、それが自分にとって適していた方法だったとしても、同調圧力で誤ったものにされてしまうのです。小さな村になってくると、村ぐるみで同調圧力が発生する場合があるということです。
同調圧力とネット社会
周りがイェスと言えば従ってしまう
同調圧力というものは、ネット社会と大きくかかわってきます。同調圧力は、周りに同調することによって、間違ったことさえも正しくしてしまうのです。ネット社会では、様々な情報が乱立しており、すべての情報が正しいとは限りません。ネットで調べたものが正しいという認識こそがネット社会の行き過ぎた点だといってもよいでしょう。これには、同調圧力が大きくかかわっているのです。
間違った情報というのは、人が作っていくのではなく、ネット社会が作っていくわけです。一つの情報があったとしても、少ない情報に手や足がついてしまい、巨大な情報になってしまうのです。言っていることはあっているかもしれませんが、実は探ってみると、虚偽の情報だったということは非常に多いのです。仮にも、間違っていることを正しいとネットで議論したとしましょう。しかし、世論などは、間違っていることを正しいという人を反論しようとする人もいるのです。もちろん、これが少数の場合は、同調圧力は発生しませんが、多数派であれば同調圧力が発生してしまうのです。
ネット社会の言論弾圧
ネット社会では、よく言論弾圧が行われることがあります。自分の言いたいことが言えないというのは、ネット社会のデメリットといってもよいでしょう。まさに、同調圧力により言論弾圧が生まれてしまうのです。間違っていることを正しいと言ってしまった場合、多数派が多ければ批判されてしまいます。ネットというものは、間違った情報をうのみにした人がよく集まっているといってもよいでしょう。対して、情報に対して興味もないのに、周りに同調してしまい、自分も批判してしまうのです。多数派が多ければ多いほど、言論弾圧されてしまうわけです。自分自身が言いたいことがあったとしても、言論弾圧と同調圧力によって消されてしまうのです。
正しいことをいうのは、確かに義務ですが、そういったことはネットでいうべきではありません。不特定多数の人間が匿名でネットを利用している中で、ネット民を統制しようと思うと相当厳しいものがあります。ましてや、同調圧力が発生してしまっては、発言すらも許せなくなってしまうのです。
同調圧力が嫌いな人の対策
同調圧力は、周りの発言に流されてしまうということが多いでしょう。しかし、そういう状況が嫌いな人も中には存在するのです。周りに同調しすぎてしまうあまり、自分自身を失ってしまうわけです。そういう状況が嫌いだと思っているなら、エゴイストを強くしてみるとよいでしょう。中には、エゴが強すぎてしまうと、それを諸悪の根源とする人もいますが、ごく一部の人間です。ですが、エゴが強すぎると、自己中心的性格になってしまうのです。しかし、同調圧力が嫌いだと思っているなら、自己中心的な性格になることは非常に重要になってきます。周りのいうことがすべてだたしいと思っているようであれば、圧力に負けてしまうのです。少しでも同調したくないというのなら、エゴを強くしてみて、生活するとよいでしょう。周りの評価が気になるのであれば、同調するときは同調して、間違ったことは間違っていると線引きするとよいです。
自分自身を保つよう努力する
同調圧力が嫌いだという人は、非常に多く存在しています。そこで、最も簡単で効果的な対策を挙げるのであれば、自分自身を保つということです。同調圧力というものは、ほとんど言論弾圧であり、発言権さえも失ってしまいます。周りが正しいと思っていることが正義と思っているようであれば、圧力に負けています。たとえ、そうなったとしても、自分自身を保っていれば、同調することもないでしょう。エゴを強くするという対策に似ていますが、自分自身を保つことは、どのシーンでも重要です。仕事にしても私生活にしても、自分自身が保てなければ、周りに流されてしまうでしょう。
同調圧力が嫌いだというのなら、自分自身をとにかく保つ努力をすることが重要になってきます。対策は人によって変わってきますが、何よりも周りに流されないというのが、最も重要になってくるのです。今の時代はネットが普及し、情報の流動化が進んでいるがゆえに、何が正しいのかわからないものが増えてきてしましました。そんな中でも、周りの言っていることに流されず、正しいものは正しい、とはっきりと自分をもって言えるように、日ごろから自分の価値観は何なのか、考えておくのもいいですね。