出勤簿とは
出勤簿の意味
出勤簿とは労働者(従業員)の労働日数、労働時間数、時間外労働などを把握するために労働者の労働日ごとの始業時刻、終業時刻を確認し、これを記録する法定帳簿のことを言います。
出勤簿の管理と保存方法
出勤簿とは従業員の労働時間を把握するための帳簿なので、労務管理の基礎となるものです。労働基準法によって、雇用主に作成が義務づけられており、その従業員が退職してからも保管する必要があります。出勤簿はタイムレコーダーのカードで代用することも可能です。給与管理や労務管理に合わせて出勤簿の書式を工夫することで労務管理の事務作業の負担の軽減にもつながります。出勤簿は、労働法令で3年間保存することが義務づけられています。出勤簿と労働者名簿と賃金台帳は労働基準監督署のチェック対象となる労務管理書類となります。
出勤簿に記載されている項目
出勤簿には法定の書式はありません。労働時間数さえ把握できれば良いので、始業時刻と終業時刻の2項目が把握できれば良いことになります。その他、早出や残業や休暇の種別(有休など)、出張、直行、直帰といった項目があると給与計算の際に便利です。
出勤簿の書き方
出勤簿の様式
出勤簿の様式には色々な種類があります。最もポピュラーなものは「タイムカード」です。出勤時や退勤時にタイムカードを専用の機械に入れて打刻をします。正確に出退勤の時刻が管理できるので、これを取り入れてる企業はとても多いです。また、交通系ICカードをタイムカードとして管理してる企業や、指の静脈認証によって出退勤の時間管理をしてる企業もあります。そして、手書きによる出勤簿を取り入れてる企業もあります。これは本人現認により記入する必要があります。
手書きの出勤簿には上司の確認欄があるので毎日上司のチェックや印鑑が押されるところもあります。手書きでは集計時に作業が煩雑となってしまうのでエクセル表で管理されているところもあります。これは、エクセルに毎日の出退勤時刻を入力することで自動的に集計をしてくれるものです。計算式を組むことで作成することができるので、時間短縮につながりますし、計算間違いを防ぐこともできます。そして、システムによる出勤簿を導入してる企業もあります。打刻用の専用機械に社員証をかざすことで出退勤時刻が管理されるもので、システム上で出勤簿がデータ化されるため、より正確な管理を実現することが可能となります。
基本的な出勤簿
出勤簿の様式には色々ありますが、多くの企業では汎用性のある勤怠管理がなされているのが現状です。基本的名な出勤簿のスタイルは、月ごとに1枚のフォーマットで構成されており、個人が記入したあとに上司が確認をして労務管理担当者へ回るというフローになっています。基本的なスタイルは、出社および退社時刻、実働時間、早出や残業、休暇の種別、出張、直行、直帰といった項目が含まれているのが殆どです。大切なことは、間違いなく管理し、未払い残業代等を発生させないことです。
時給勤務の労働者向けの出勤簿
時給勤務の労働者にもタイムカードや出勤簿が多く使用されています。時給の場合は特に、10分単位や15分単位で細かく残業代を管理してるところもありますので注意が必要です。自己申告となると残業がつけづらかったり、逆に多くつけてしまうようなことも懸念されますので、タイムカードの利用が一番おススメと言えます。
労働基準法違反の取り組みについて
残業代の未払いといったことが大きな問題となっている昨今、最新のシステムを導入してるところもあります。指紋認証や顔認証が取り入れてるところも増えています。カードだと代わりの人が打刻することもできますが指紋認証や顔認証だと代理で打刻することができないので、不正を防ぐことができます。過剰労働の防止にもつながります。世間で問題になっているのは、打刻後の残業です。
どの企業も過剰労働の防止と残業代の削減が課題となっています。残業禁止令を出しているところもありますが、少人化の進む職場では1人1人に対する負担が大きいことが実態です。そのため、隠れて残業をしてしまうことや上司がそれを黙認してしまうといった職場も少なくありません。勤務管理を手書きやカードによる管理から、指紋や顔認証にするといったクラウド化することで労働基準法違反の撲滅にも貢献してくれると言えます。
出勤簿のエクセルでの作り方
エクセル形式での出勤簿
全社員の出勤簿を確認し、給与計算をする労働管理担当者は毎月給与の締め日になると業務に追われます。時間との戦いの中で全てを手作業でやろうすると、ミスも起こりやすくなり、給与トラブルを引き起こしてしまいます。できる限り作業工程を減らして、可能なものはエクセル形式の出勤簿にするといった自動化することで担当者の負担を減らすことが可能となり、正確性も上げることができます。エクセル形式の出勤簿では、セルごとに計算式を設定して、例えば基本労働時間の他に早出残業があった場合はその月内での早出残業時間分だけ抽出して計算できるようにしておきます。同様に、項目ごとに時間を算出させる式を設定しておけば、入力と同時に合計時間を計算してくれるのでとても便利です。
エクセル形式の勤務表の作成方法
エクセルで勤務表を作るポイントは4つです。4つのポイントを押さえることで作ることができます。①自動的に勤務時間を表示させます。1ヶ月の合計勤務時間を求めるのに、1日の出勤時間、退勤時間、休憩時間を入力することから始めます。まず、A3~7の縦のセルに日付を入れます。次にB2に出勤時間、C2に休憩時間、D2に退勤時間という文言を入力します。そして、すぐ下のB3に出勤時間、C3に休憩時間、D3に退勤時間を数字入力したら、E3セル内で「=(イコール)」を入力します。こうするとD3セルをクリックすると自動的にD3と入力されます。それから、「-(マイナス)」を入力し、あとはC3セル、B3セルで同じことを繰り返してからエンターキーを押せば実労働時間が表示されます。この計算式を入力したら、2日目以降は実労働時間の部分をコピーペーストすれば、他の日付にも式を入れることができます。②SUM関数で1ヶ月の勤務時間を瞬時に表示させます。1ヶ月の勤務時間を入力したら、表の一番下に行を追加し、合計勤務時間の枠を作成します。そして、合計したい行の一番下にあるセルを選択し、エクセルの上段にある数式タブを選択し「SUM」アイコンをクリックすると範囲が選択されます。これで、合計勤務時間を表示できるようになります。③表示形式の違いを知り変換方法を習得します。SUM関数を用いて、合計勤務時間の表示がされても、実際には合計からかけ離れた数字が出てきてしまいます。このままでは正確な時間が表示されないため、表示形式を変更する必要があります。合計時間が出ているセルで右クリックをして表示形式を変更します。セルの書式設定を開き、ユーザー定義の枠で[h]:mmと入力すると、合計時間が正しく表示させることができます。元々の表示形式は「h:mm」の「h」では24時間までしか表示することができないので、[h]に変更することによって24時間以上でも表示できるようになるので、この手順は必ず行うようにします。
①から③までのポイントを押さえれば基本的な勤務表を作ることができますが、近年の経理業務では勤怠管理と給与計算をリンクさせているシステムを採用してるところも増えています。ここまでで、求めた合計勤務時間をベースにして新たに「給与額」を入力する枠を作ります。その際、合計勤務時間と時給を掛け合わせる以外に「24」を掛けることです。これは、合計勤務時間の表示は1時間単位のため、「1日=24時間」と値を合わせるのに必要だからです。そして、表示形式を「通貨」に変換を行います。こうすることで正しい給与額を表示させることができます。
エクセル形式勤務簿による保管方法
出勤簿は労働基準法第109条において、3年間の保存が義務付けられていますのでエクセル形式にしてパソコンに保存する場合は、次の用件を満たす必要があります。①法令で定められた用件を具備し、かつをそれを画面上に表示し印字することができること。②労働基準監督官の臨検時等、直ちに必要事項が明らかにされ、提出できるシステムとなっていること。③誤って消去されないこと。④長期にわたって保存出来ること。を満たした条件で保管することが必要となります。セキュリティーが万全のサービスを利用し、改善のリスクを低くすることも重要なポイントです。
出勤簿に使えるアプリの紹介
勤怠管理アプリとして「タイムシート」を紹介します。これは出勤と退勤の打刻はもちろん、給与計算も行ってくれます。使い方はシンプルで、時給や締め日を入力するだけです。あとはワンタップで勤怠チェックをするだけで自動的にタイムシートへ入力が完了します。これはメール送信やPDFにもできますし、間違えてしまっても後から修正も可能です。出来上がったものは、月単位でメールにアウトプットすることもできます。交通費や固定費などがある場合は設定して追加することも可能です。
使い方が簡単なのでおススメのアプリと言えます。出勤簿の形式には色々なものがあり、不正や改ざんを防ぐための勤怠管理のクラウド化はこれからもどんどん進んでいくと言えます。出勤簿アプリもありますので、気軽に勤怠管理を行うこともできます。ただし、出勤簿は個人情報になりますので、セキュリティーを強化させ、管理には十分気をつけなければならないと言えます。