口答えする部下や社員への対処法
議論をしてはいけない
口答えをする部下や社員に対してついイライラしてしまい、「だから~は、○○だろう!」と言い返してしまう事もあるかと思います。しかし口答えをする人とはそもそも議論をしても終わりがなく、ひたすら時間の無駄になる言い訳を聞くだけになってしまうのです。口答えをしてきたら「言いたい気持ち」をぐっと堪えて、議論になってしまう事を防ぎましょう。
否定をしてはいけない
口答えをする部下、社員は否定されるとますますヒートアップして、収拾がつかない状態となります。そうなると他の部下や社員に対してもこちらの印象が悪くなりやすく、「口答えをする人と同レベル」だと思われてしまいやすいのです。こちらの名誉や品格を守る為にも、口答えをしてきた場合には決して否定の言葉を投げかけるのは止めましょう。
まずは相手の意見を聞く
そもそも口答えをするのは何故なのでしょうか、もしかすると口答えをするのに値するアイデアや自論があるのかもしれません。それを頭ごなしに「口答えするな!」と抑えつけてしまうのは、ちょっと勿体無い事です。思わぬ意見を聞けるチャンスだと思って、まずは口答えする人に「どうしてそう思う?」と問いかけてみるべきです。
命令ではなく提案する
口答えする人にこちらの意見を伝えたい場合、どうしても「命令」になりがちです。しかしこれでは口答えする部下や社員は納得できませんし、更に反抗的な態度を取ってくるでしょう。口答えする人をこちらの思い通りに動かそうと思ったなら、「提案」をする事が大切なのです。
褒めるのではなく認める
部下や社員を褒めて伸ばす、これは良い事でもありますが、しかしちょっとでも間違えれば「甘やかし」になってしまいます。甘やかされる事に慣れた部下や社員は、ちょっとでも自分の思い通りに事が運ばないと口答えをしたくなるのです。口答えする人には「褒める」のではなく、「認める」事でこちらの威厳を示しつつ意見を聞き入れてもらえるように持っていけるでしょう。
反抗へのリスクを伝える
口答えする人は「反抗した場合のデメリット」を深く考えないまま、思うがまま感情に任せて反射的に口答えしています。これが自社の上司や同僚ならばまだいいものの、取引先相手や顧客だととんでもないトラブルを招く事になるでしょう。そういった「反抗(口答え)をした場合に考えられるリスク」を先に教えてもらわないと「何故、口答えはいけないのか」解らない部下や社員も少なからずいます。
よく口答えする人の性格と特徴
負けず嫌い
癖のように口答えをする人は、誰よりも競争心が強く負けず嫌いな気質です。「言われたら言い返さないと気が済まない」と無意識に思ってしまうので、本心では認めつつも表面上はそれを抑え込み、口答えしてしまうのでしょう。人と自分を比べがちで、自分と同レベル、または自分よりちょっとだけ勝っているか劣っている人をライバル視しては口答えをします。
虚栄心が強い
虚栄心とは「自分を本来の実力以上に見せようとして見栄を張る」という心理です。口答えをする人はこの虚栄心が強いせいで、自分のプライドを守りたいが為に口答えをするのでしょう。実は気が弱く、ちょっとした攻撃でも傷ついてしまう所もあり、それを隠すべく見栄を張っている事もあります。
自己中心的
自己中心的な人は「常に自分が思考の中心」にいますから、他者の考え方にすり寄る事が非常に苦手です。口答えをするのも「自分はこう思っていてそれを実行したいんだから、相手がそれに従うべき」だと無意識の内に思っています。小さい内から何をしても許されてきた、口答えをする必要がなかった環境にずっと身を置いてきた人は、自己中心的思考になりやすいのです。
こだわりが強い
自分がこうだと思った事はとにかくその通りに実行しなければ気が済まない、こだわりが強い人は反射的に口答えをしがちです。相互理解をしたいとは思いつつも、口答えをする人にも譲れないものがあり、そのせいで口答えをするのでしょう。普段からマイペースで誰に注意されても態度を改めない、そんな人はマイルールにこだわっている性質だとも言えます。
口が上手いが軸がぶれやすい
口答えをする人は、「話す前に辻褄を合わせるタイプ」ではなく「話している内に辻褄を合わせようとするタイプ」です。口が上手いので、大抵の人は口答えをする人の話を聞いている内に、いつの間にか納得させられます。しかしよくよく聞いてみると話の辻褄がちゃんと合っていない、軸がブレているという特徴があるでしょう。
口答えする人の心理
バイアスが働く
バイアスとは「計算上望ましくない選択肢を、“望ましい”と思い込ませてしまい、非合理的行動を取ってしまう」という心理的錯覚です。簡単に言えば「正常な判断ができない思い込み・偏見」であり、口答えをする人は「確証バイアス」が働いていると考えられます。確証バイアスとは先入観で他者を見ては「自分の都合が良い情報から先入観を補強する」という考え方です。
これが一旦「こうだ」と決まってしまうと覆す事は難しく、事実と違った答えであっても「自分はこれが正しい」と誤りを選択してしまいます。口答えをする人はこのバイアスが働くせいで、「先入観からつい口答え」をする、視野の狭い部分があるのです。
無意識に人を見下している
口答えをする人は口答え出来る人・出来ない人を見分けて、「自分が逆らっても平気そうな人」を的に絞って口答えしています。この人なら自分が口答えしても大丈夫だろうと、無意識に見下しているのでしょう。
自分の思い通りにしたい
口答えをする人は支配欲、「人を制圧したい、思い通りにしたい」という心理が強い場合が多いのです。
だからこそ自分とは違った意見について口答えをし、どうにか自分の都合が良い世界を作ろうとしています。
楽観的で単純思考
責任感が強い人は口答えをすると相手からどう思われるか、自分の評価はどうなるかを深く考える、ちょっとネガティブな思考です。しかし口答えをする人は楽観的で単純思考ですから、「口答えしたってどうとでもなるだろう」と軽く考えているポジティブな面が目立ちます。
認めてほしい
口答えをするのは「自分の事を認めてほしい」という、承認欲求が働く場合もあります。満たされないから口答えをしては注目を集めようとする、認めてほしいから口から出まかせのように口答えをしてしまうのです。
口答えする人との付き合い方
口答えをする部下や社員、友人や家族、そんな周りの人々と上手く付き合うにはこれからご紹介する事に注意しましょう。そうすればストレスがかかったり、こちらの立場が悪くなる事もなくなります。
否定されても感情的にならない
口答え(否定)されたとしても、こちらは感情的になってはいけません。感情で感情を負かそうとしても余計に酷くなるだけ、理性的な対応を心がけましょう。
否定する理由を尋ねる
どうして口答え(否定)してくるのか、その原因を探る事から始めましょう。中には意見を言いたいだけなのに素直なせいでつい口答えになってしまう人もいれば、特に理由なく反射的に口答えする人がいます。どちらにせよまずは「どうしてそう思うのか」と相手の気持ちや意見を聞く姿勢になれば、口答えをする事も少なくなるでしょう。
認めていると思わせ信頼を得る
こちらへの反感や反発心で口答えをしている場合、まずは相手に「私は貴方を認め、信頼している」という事を知らせるべきです。誤解から勝手に反発心を持たれている事もありますから、実力や意見を認めて信頼を得ていけば、口答えも減っていくのです。
否定せず視点を変えさせる
口答えをする人と話す場合、決してこちらは否定をしてはいけません。「それは違うと思う」、「そうじゃない」なんて応酬は収集がつかなくなるだけ、時間と労力の無駄です。「そうか、貴方はそう思うんだね」と言ってから、「では、こんな考え方はどうだろう」と別の視点からの考え方を教えてみるのです。「こんな考え方をするとこんなメリットがあるよ」と言ってあげるだけでも、口答えをする人の思考が柔和になるでしょう。
悩み過ぎない事が大切
口答えをする人はそこまで深く考えず、パッと思いついた事を反射的に言ってしまっているだけの場合もあります。こちらがあまり思い悩んでしまう必要はありませんし、口答えをする人と同じ位置で喧嘩する必要もありません。口答えをする人の心理を知って、おすすめの対処方法を取り入れる事で、口答えをする人とそれなりに上手くやっていけるようになるでしょう。