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2019年09月24日

ホーソン実験の内容と結果とは?社内の生産性を上げる方法4つを紹介

経営管理論の1つに有名なホーソン実験があります。ホーソン実験で行われた内容とそこから得られた結果、さらに、その後、進化した人間関係論の種類をご紹介します。現代でも通用する人間関係論をマスターし、人間関係が生産性向上に関係があることを理解しましょう。

ホーソン実験の内容と結果とは?社内の生産性を上げる方法4つを紹介

ホーソン実験とは?

ホーソン実験という言葉をお聞きになったことがありますでしょうか。90年以上前に行われた生産性に関する試みなのですが、現代でも通用する考え方として経営管理論やビジネスでは、広く参考にされています。言葉に実験と使われているところに歴史を感じます。

そこで、ホーソン実験を理解いただくための具体的な内容について、さらに、ホーソン実験から端を発した生産性と人間の関係を研究した種々の取り組みもご紹介します。

ホーソン実験を行った背景

ホーソン実験は、アメリカのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で1924年から1932年の間に行われました。当時のアメリカは、戦争後の個人需要が急激に高まったときで、大変な好景気でした。

この好景気を受け、大量発注に対応する必要性が生じた会社は、作業効率や能率、生産性を見直すためにも、当時の主流であった科学的管理法の検証が必要となりました。この検証こそがホーソン実験を行う背景であり試みです。

フレデリック・テイラー

このホーソン実験が行われることとなった時代の経営管理論は、経営管理の祖と言われるフレデリック・テイラーが提唱した科学的管理論が主流でした。

この科学的管理論とは、作業手順と作業の標準化を図ることで、経験などに左右されずに作業している人材が、一定時間内に設定した標準作業量がこなせるように管理した方法です。この科学的管理論を応用して成果をあげた会社として、フォード社が有名です。

ホーソン実験の4つの内容

それでは、ホーソン実験で行われた実際の4つの内容である、照明実験、リレー組み実験、面接調査、バンク配線作業実験について、ご紹介していきます。

ホーソン実験は、最初から4つを行うことを想定していたわけではなく、環境要因を調べていく中で、生産性と人間の関係が見えてきたと言えます。どのような経緯でホーソン実験が、4つの実験となったのか、詳しく見ていきましょう。

ホーソン実験の内容1:照明実験

ホーソン実験では、まず1924年から1927年までの初期の実験として、照明実験が行われました。この照明実験では、照明の質や量が、作業能率にどのように影響を及ぼすものなのかを調査されました。

しかし、この照明実験では、照明による作業環境と作業能率の関係性を見出すことはできず、照明の質や量を低下させても作業能率は向上し、もとの状態に戻しても作業効率は変わりませんでしたが、ホーソン実験は続きます。

ホーソン実験の内容2:リレー組み立て実験

その後、1927年から1932年までに、この後の3つの実験が行われました。まず行った実験が、リレー組み立て実験と呼ばれるもので、団体出来高払い制度の導入や労働者と相談したうえで休憩時間や労働時間を設定して、作業条件と作業能率を調べるものでした。

作業前に労働者に作業条件である休憩時間や労働時間を決定することが、作業能率に影響するかどうかの調査でしたが、こちらも明確な相関関係は見出せませんでした。

ホーソン実験の内容3:面接調査

次に行われた実験が、面接調査になります。面接調査は、工場の半数の労働者に対して、監督方法に関することを実施しました。

その結果、監督そのものや人事管理という要素と作業能率の相関関係は明確に見出せませんでしたが、労働者の行動や態度が、労働者の感情と結びついていることがわかりました。このことから、感情は作業状況によって左右されることを示唆しました。

ホーソン実験の内容4:バンク配線作業実験

先ほどの面接調査の結果から、作業条件を調査するために、バンク配線作業実験が行われ、この実験から、非公式組織(インフォーマル・グループ)とインフォーマル・リーダーの存在が明らかになりました。

これは、職場の長であるフォーマル・リーダー以外に労働者の中で人気や影響のあるインフォーマル・リーダーが存在して、そのインフォーマル・リーダーを中心とした決まりが、労働者たちの行動に強く影響を及ぼしていました。

ホーソン実験から判明した結果

4つのホーソン実験の結果から最終的に判明したものは、どのようなものだったでしょうか。

1つ目は、ホーソン実験から得られた人間関係論の仮設として、周囲からの注目とモチベーションの関係が判明しました。2つ目に管理的視点から見たインフォーマル・グループにおける人間関係論が発生していることが判明しましたので、ここから、ご紹介していきます。

周囲からの注目とモチベーションの関係

ホーソン実験を通して、作業条件の変化が、労働者の態度を変化させ、このことが生産性の変化へとつながったと考えられます。

労働者は所属する職場での人間的な接触により、周囲からの注目を浴びることが、人間関係形成に大きく関わり、結果、モチベーションアップにつながることになりました。さらに、作業条件の決定にも参加できるというモチベーションアップは、労働者の態度を向上させ、このことも生産性向上に寄与します。

インフォーマルグループの発生

フレデリック・テイラーが提唱した科学的管理論では、労働者の行動規制は公式組織(フォーマル・グループ)であるとされていましたが、ホーソン実験により労働者の感情に影響を及ぼすのは非公式組織(インフォーマル・グループ)であることが判明しました。

このインフォーマル・グループの発生によって、職場の良好な人間関係が形成され、感情による動機付けが起こり、生産性の向上に寄与することがホーソン実験により判明しました。

ホーソン実験からの延長

科学的管理論が経営管理論の主流であった時代に、ホーソン実験の結果から、人間的要素の重要性が脚光を浴び、人間関係論が提唱され、種々の研究が始まりました。

ここからは、ホーソン実験に端を発した人間管理論の延長として、マズローの欲求階層理論、マクレガーのX理論Y理論、ハーズバーグの動機づけ衛生理論をご紹介していきます。これらは、経営管理上重要な労働者と仕事の管理について、動機づけの重要性を唱えた理論です。

マズローの欲求階層理論

マズローは、人間の欲求には5種類あり、さらにその5つが段階的な階層をなしているという欲求階層理論を提唱しました。その欲求は、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、自尊欲求、自己実現欲求で構成されています。

それぞれの欲求が別々に満たされるのではなく、低次の欲求が満たされてはじめて、次の高次の欲求に直目し、その欲求を満たすべく階層的に満たしていくことが重要であることを示唆しました。

マクレガーのX理論・Y理論

マクレガーは、人間観や動機づけにかかわる対立する理論をX理論とY理論と名付けたX理論Y理論を提唱しました。

人間は元来怠け者なので、強制や命令でのみしか仕事はしないというX理論と、人は生まれながらに仕事が嫌いというわけではなく、条件次第で責任を負うことや自ら進んで仕事を行うというY理論で構成されています。労働者の考え方の移り変わりにより、現代においてはY理論が有効であると言われています。

ハーズバーグの動機づけ衛生理論

ハーズバーグは、人間の欲求が職務を通じてどのように変化するのかを研究しました。職務を通じて人間を動機づける要因を動機づけとして、動機づけとしては機能しないものの職務の不満を排除する要因を衛生要因として、動機づけ衛生理論を提唱しました。

職務上で人間を満足させる動機づけ要因には、達成、承認、責任、昇進があり、衛生要因には、対人関係、給与、作業条件があり、これらは全く異なるものであることを示唆しました。

社内の生産性を上げる有効な4つの方法

経営管理論には歴史があり、その時代の産業に即した理論が存在し、永遠不変ではありません。フレデリック・テイラーの科学的管理論からホーソン実験からの人間関係論に、人間関係論にもさまざまな要因が絡んでいることを見てきました。

現代社会における社内の生産性を上げるには、どのような有効な方法があるのでしょうか。ここからは、その具体的な方法を4つご紹介していきます。

社内の生産性を上げる有効な方法1:コミュニケーションの活性化

社内の生産性を上げる有効な方法として、社内のコミュニケーションを活発化があります。人間関係論において、自分の発言を聞いてもらえたり、発言しやすい環境であることは、労働者の働きやすさにつながり、結果生産性向上に寄与します。

いろいろな立場からの意見を互いに尊重できるような信頼関係を築くことが重要で、コミュニケーションアップのために、面談や交流会など話せる環境を提供することが有効です。

社内の生産性を上げる有効な方法2:相談先の複数設置

社内の生産性を上げる有効な方法としてコミュニケーションの活発化をあげましたが、労働者皆が社交的であるとは限りません。言いたいことを何でも遠慮なく言えば良いというわけではありませんが、声の大きな人の意見に左右されるのは問題です。

そこで、そのような方々の意見をきちんと把握できる体制が必要で、その方法として相談先の設置があり、できれば複数の相談先があるとより効果が得られます。

社内の生産性を上げる有効な方法3:社外活動の企画

社内の生産性を上げる有効な方法として、社外活動を企画することがあります。毎日同じメンバーと同じ仕事だけに集中していると視野が狭くなります。そこで、直接は関係しないと思われる社外活動であっても、結果本来の業務に良い影響を与えることがあります。

いろいろな立場や職種の方たちの触れ合いは、普段とは違う刺激につながり、ちょっとしたきっかけが自身の業務に活かされて、生産性向上につながることがあります。

社内の生産性を上げる有効な方法4:優秀なリーダー

社内の生産性を上げる有効な方法には、そのメンバーを率いる優秀なリーダーの存在があります。人間関係論にもいくつかの方策があるように、労働者がどのような方々かにより、行うべき方法が変わります。

これらの見極めや行った方策が現状とマッチングしていないときの修正や転換など、適切に判断できるリーダーがいる組織は、結果がでやすいことは火を見るよりも明らかです。このようなリーダーを育てることが生産性に寄与します。

ホーソン実験により人間関係が生産性に影響することが判明した

ホーソン実験は90年以上に行われた検証実験ですが、そこで発見された人間関係論は現代でも活用できます。そこで発見された人が本来持っている業務に対する姿勢は、その環境によって大きく左右されるものですが、その環境をつくるのも人です。

人間関係が、生産性に影響することが明らかですが、その方策は普遍的なものではなく、ホーソン実験などの人間関係論の基礎を身につけ、業務・業種などによって変えていくことが必要です。

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