シックスシグマとは?活動サイクル5つとシグマレベル

業務改善

シックスシグマとは

シックスシグマとは100万回に3.4回ほど起こる確率を表す統計用語で、その考え方を伝説の経営者といわれているGEのジャック・ウェルチ氏が1980年代に品質管理に落とし込んだ手法の一つとなります。

簡単に説明すると「不良品の発生確率を完全にゼロにするのは不可能だが、100万個に3.4個にまで抑えようという品質管理の手法」となるでしょう。この考え方で大成功を収めたGEは一気に大企業になります。

QCサークルとは

QCサークルとは品質管理(quality contro)の略で、日本の製造業で行われていた品質管理手法の一つであり、PDCAサイクルを軸にした継続的な生産性や性能の向上といったアイディアを出し合って議論をする小グループの活動です。

統計的品質管理から産まれた品質管理手法の一つであり、発想の元はアメリカから来ているのですが、日本独自の発展を得て進化した手法となりました。

QCサークルに統計学を加えたもの

この優れた品質管理手法であるQCサークルは1962年頃に日本で誕生したと言われておりますが、優れた手法として海外でも1970年代後半から取り入れられるようになり、GEが大成功するに至りました。

その方法が、統計学であるシックスシグマにQCサークルをくわえて、品質管理手法として落とし込んだことにあります。今度は、このシックスシグマを日本のソニーなどが優れた管理手法として取り入れることになります。

シックスシグマの活動サイクル

このように言葉で言っても具体的にどのようなことをするのかよくわからないでしょう。そこで、まずは具体的にシックスシグマで設定されている活動サイクルについて説明します。

それは「DMAIC(ディマイク)」と呼ばれる頭文字をくっつけた用語に集約しています。この文字の意味と活動サイクルがわかればシックスシグマの仕組みもよくわかってきます。シックスシグマも意味を理解すればしっくりくるようになるでしょう。

1:定義(Define)

「DMAIC(ディマイク)」の「D」は「Define(定義)」の「D」です。要するに、改善する必要がある議題を明確にして具体的な目標設定対象にします。普段は気にしていない何気ないトラブルや欠陥も浮き彫りにする必要があります。

「パソコンの起動が遅い」とか「スマートフォンの充電が鈍い」とか「コールセンターの待ち時間が長い」といった欠陥を見つけて取り上げることが重要です。ここから管理手法が始まります。

2:測定(Measure)

「DMAIC(ディマイク)」の「M」は「Measure(測定)」の「M」です。測定する対象は先ほど定義した問題で、どうしてそのような問題が発生しているのかを各種データを集めていきます。

ただし、自分たちの認識とお客の認識がずれていることが多いので第三者視点が重要になるでしょう。普段見えていない部分を見えるようにするために、プロセスマップを作成したり、「見える化」することも管理手法として重要です。

3:分析(Analyze)

「DMAIC(ディマイク)」の「A」は「Analyze(分析)」の「A」です。測定の項目で集めたデータをしっかりと分析して根本的な原因は何なのかを突き詰めます。

分析方法にはプロセスフローダイアグラムやSPCなど多種多様な方法が用いられます。いろんなツールを使って問題の根底には何があるのかを見極めます。ここがぶれるとシックスシグマの考え方も成就できませんし、問題解決もできません。

4:改善(Improve)

「DMAIC(ディマイク)」の「I」は「Improve(改善)」の「I」です。測定して分析を行った結果、どのような改善策を用いたら良いのかを考えます。

ここではコストパフォーマンスなども考慮して、最善策を導き出す必要があるので、複数の案を出して費用対効果的にどれが一番優れているのかを検討していきます。複数の案を同時進行することもありますし、小規模導入の結果から判断することもあります。

5:管理(Control)

「DMAIC(ディマイク)」の「C」は「Control(管理)」の「C」です。改善案の施工によりどのような方法が一番良かったのかを確認して、具体的に作業現場へと落とし込みます。

新しいプロセスや新しい作業内容を定着させる必要がありますが、時代や状況が変わると求められるものも変わるので、時代に合わなくなったらもう一度DMAICサイクルをまわすことになります。

シグマレベルと品質管理

このようにシックスシグマは品質を管理する上で非常に役立つ手法であり、今では世界中の向上で用いられている手法となっています。ただし、いきなり実現するのはなかなかの高い壁があるので、自分たちの状況がどうなっているのかを確認する必要があるでしょう。

その方法の一つが、シグマレベルの測定です。ザックリと説明すると、トラブル発生頻度をレベル化するだけです。

100万個のうち不良品は3個程度で抑える

統計学におけるシックスシグマのシグマレベルは100万回に何回発生するのかで考えます。レベル1では69万回、レベル2では約30.9万回、レベル3では約6.7万回、レベル4では約6千回、レベル5では233回、レベル6では3.4回です。

レベル6がゴールなのですが、この目標値は顧客の声や状況によって推移させる必要もあるので、自社に適したレベル設定を行ってください。

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シックスシグマのメリット

このシックスシグマを導入するメリットは色々とありますので、わかりやすく明記していきます。完結にメリットをまとめると、汎用性がありどの業種にも導入できること、中立的な立場で判断できること、意識改革ができることです。

このように大きなメリットがあるので、生産業以外でも導入しやすく今ではいろんな形に進化して日本ではシックスシグマが取り入れられるようになりました。

1:汎用性がある

シックスシグマという管理手法は工場がある製造業だけではなく、サービスといった形がない問題にも対処ができるので多様な業種で使える汎用性があります。

元々はゼネラル・エレクトリックグループが取り入れた製造現場品質管理および改善手法なのですが、今では問題提起および解決手法としていろんな業界で使われています。この汎用性こそがシックスシグマの利点であり優れた管理手法であるという証です。

2:客観的な判断ができる

シックスシグマの「Measure(測定)」としても解説いたしましたが、自分たちのみの視点では見過ごす物が多いので、組織内の価値観を可能な限り排除して客観的に調べる必要があります。

つまり、客観的なデータ収集から中立的な立場で判断できるようになると言うことです。どちらか一方に寄っていてはうまく解決手法を導き出せないのですが、シックスシグマでは理想の改善プロセスを見つけられます。

3:業務意識の改善ができる

QCサークルが元になっているだけあって、このシックスシグマを導入すると関与した人たちがPDCAサイクルを意識して活動する習慣を身につけることができます。こうなると自然に、改善提案や報連相が行われるようになり業務意識が底上げされていくでしょう。

品質管理手法として取り入れることで、意識改善にまでつながるシックスシグマは多くの経営者をうならせる管理方法となっています。

シックスシグマを理解して品質管理の向上を図る

このようにシックスシグマの考え方を「DMAIC(ディマイク)」による管理手法として理解すれば、どのように行動するのかが見えてきます。いろんな業種で活用できる管理手法となっていますので、うまく活用して品質管理の向上を図ってください。

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