リスクマネジメントの企業事例8社!その取り組みとプロセス

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リスクマネジメントとは

何らかの行動によって発生するリスク(危険)をどのような物があるのかをしっかりと理解して、そのリスクを回避するために適切な行動をとること、そしてそのリスクが発生しても被害を最小限に抑える準備をすることをリスクマネジメントと言います。

会社の経営や運営においてリスクマネジメントは重要ですが、経験則からくる予想や予測も必要なので、完璧なリスクマネジメントをするのは難しく、過去事例が必要になります。

危機管理との違い

危機管理はすでに何らかのトラブルが発生したときに、そのトラブルをこれ以上大きくしないための管理です。リスクマネジメントはこれから起きる可能性のある危機や危険に対する備えです。

つまり、起きてしまったときの対処が危機管理で起きていないことに対する対処がリスクマネジメントとなります。同じような使い方をされますが、このような違いがあります。

リスクマネジメントの事例8社

しかし、リスクマネジメントはどの程度のリスクが訪れるのか、自分たちが行った行動の結果どうなるのか、これからの社会情勢はどうなるのかを明確に測ることができないと到底できるものではありません。

リスクマネジメント力を向上するには、過去事例を大量に習って経験則ができる状態になる必要があります。ここでは具体的にリスクマネジメントを公表している参考事例となる8社を紹介します。

事例1:東レ

東レは三井グループの中核企業の一つで合成繊維や合成樹脂などの化学繊維を扱う大企業です。東レのリスクマネジメント事例は3年間を1期とするPDCAサイクルを作って会社全体で洗い出しを行い、リスク低減活動をすることです。

3年間に1回更新するために、リスクアンケートや発生確率に基づく潜在リスク度などをチェックする体勢が確立しています。情報漏洩に対するリスク管理も社員教育という形で実施中です。

事例2:カゴメ株式会社

カゴメのリスクマネジメント事例は東日本大震災の被害を鑑みてマネジメント体制を強化するべく発足した「カゴメグループ災害対策基本行動計画」の制定と運用を実施が最たるものでしょう。ライフライン企業として支えられるように、震災によるリスクを極限まで落とす状況を整えています。

2017年には災害対策本部を設置するまで事業継続計画初動基準などを盛り込み、防災訓練といった多くの訓練を実施しています。

事例3:資生堂

資生堂のリスクマネジメント事例として代表的なものは「リスク低減に向け対応すべき所管部門の可視化」にあります。他にも突発的に発生するような危機に対するリスクマネジメントや、段階的に被害が発生するような危機に対するリスクマネジメント対策も実施しています。

何かあったときのことをしっかりと視野に入れて活動できる「事業継続計画(Business Continuity Plan)」もしっかりと練られている会社です。

事例4:三井住友海上

三井住友海上は私たちにリスクマネジメントとして何をしたら良いのかを情報発信する立場にある企業ですが、わかりやすい事例としてリスクを7つの分野に分けて5つの損失形態と関連づけを行い、どのようにリスクが発生するのかを発見できるようにしています。

これは三井住友海上の公式ホームページから企業リスクマネジメントサポートの一環として資料請求できる情報となっているので、詳しくチェックすることも可能です。

事例5:富士通

富士通のリスクマネジメント方針はグループ全体でPCDAサイクルを実施して、グループ全体に波及できるようなコンプライアンス体勢の構築にあります。

具体的な事例はリスク・コンプライアンス委員会をリスクマネジメントの方針を決める最高決定機関として設置し、リスクマネジメントガイドラインや既定を決めて随時見直しや改善を行っています。事業活動に伴うリスクをしっかりと理解しながら常に更新し続けています。

事例6:NTTグループ

NTTグループのリスクマネジメント事例は代表取締役副社長を委員長とする「ビジネスリスクマネジメント推進委員会」を開催して定期的に対策検討を行っているところです。

巨大グループなので、グループ会社間の連携強化および情報共有を徹底的に行うことで、リスクマネジメントしやすい環境を作っています。「事業への影響度」や「発生頻度」などでそのリスクのランク付けを行うといったわかりやすい事例もあります。

事例7:積水化学

積水化学の基本的なリスクマネジメント方針は「リスクを未然に防ぐリスク管理」と「リスクが発生した時に対処する危機管理」を一元化させることにあります。具体的な事例は、PDCAサイクルによるリスク感性の向上させることとリスク管理活動の見える化です。

一言でリスク管理といってわかりにくい部分もありますので、具体的にどうすれば良いのか、何をしているのかをわかりやすくするのは大きなプラス要素となります。

事例8:髙島屋

高島屋のリスクマネジメント事例は社長を委員長とするマネジメント委員会を発足して、グループ全体にリスクマネジメント体勢を構築することにあります。このような体勢を構築することで、いろんなリスクを抽出してどのような対策をすれば良いのかがわかりやすくなります。

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リスクマネジメントのプロセス

このように大企業はリスクマネジメントに対してしっかりとした管理体制が構築されており、何があっても対処できるような状況を整えています。東日本大震災や熊本の震災といった災害が多い日本では、何かあったときにしっかりと対処できるような体制作りが重要です。

具体的にリスクマネジメント体勢を整えるためのプロセスを見直してみましょう。大機魚の過去事例から仕組みを理解すれば中小企業でもしっかりと対処できます。

1:リスクの洗い出し

必須になるのが、自分たちが行っている仕事や環境や状況において、どのようなリスクが発生するのか洗い出しをすることです。これは経験が浅いと出てこない部分でもありますので、先ほど紹介したリスクマネジメント体勢を整えるための事例を見てそれに倣いましょう。

自分たちの行動でどうなるのか、自分の住んでいる地域ではどのような災害が予想されるのかを考えてみてください。

2:プランを策定し実行

大企業の事例や自分たちの経験などからある程度の洗い出しが終わったら、それらの被害及び災害が発生したときにどのようなプランを用意しておけば良いのかを考えてください。

具体的な行動方針がある程度決まっているのならば、突拍子がないことが発生したとしても人間は行動できるようになります。

3:リスクを評価や改善の実施

ただし、リスクにも大きなリスクと小さなリスクがあるのでしっかりとリスクの脅威度を設定して、優先順位を決めて改善しやすい状況を整えないといけません。次々とリスクを想定してしまうとやらなければいけないことで忙殺されてしまいますので、正確な評価が重要になります。

そこからリスクを減らすための改善活動を重ねていきましょう。これも大企業の事例に倣ってください。

リスクマネジメントの様々な事例を知り自社に生かそう

リスクマネジメントの多様な事例を知ることで、何らかの危機やリスクが発生したとしても、被害を減らせるようになります。むしろ、この部分が整っていない会社は何かあったときに急転直下してしまう可能性が高いので、不安があるという会社は直ぐにでも対策委員会を用意するべきでしょう。

これは中小企業であっても重要な事柄ですので、人数が少ないからという理由は通用しません。どのような会社でも自社に活かす必要があります。

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