予実管理とは?
「予実管理」とは、売上や仕入などの目標とする予算と、実績を比較しながら達成率を把握していく管理手法です。
企業に勤めるようになると、特に営業の場面でこの言葉を聞く機会が多くなります。企業にとって、営業実績が目標とする予算にスムーズに向かっているのかを知ることはとても重要です。
また、予実を適切に管理することは企業の意思決定の材料にもなるため、予実管理は特に重要なマネジメントの1つと言えます。
予実管理の重要性
では、企業にとって予実管理はなぜ重要なのでしょう。
その理由は、予算と実績が合致しているのか、ギャップがあり過ぎないかを知ることにあります。それは、予算と実績に差があった場合、改善策や新たな対策などを迅速に講じる必要があるためです。
定期的に予実管理を行うことで、予算と実績のギャップを把握することができると同時に、迅速に次の手を打つ準備ができるため、企業にとっての予実管理は特に重要となります。
予実管理する際のポイント5つ
前述したように、予算と実績を比較することで達成状況を管理することができる「予実管理」ですが、実際にこの手法を行う時には、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
以下に、予実管理をする際に気を付けたい5つのポイントを見て行きましょう。
1:予算の漏れや低すぎる予算設定をしない
予実管理では、予算設定を少し高めにするなど、課題を見出せるようにしておきましょう。
定期的に予実管理を行えば予算と実績の差を把握できますが、その予算設定が低すぎる場合、容易に達成できてしまい、課題を見つけることはできません。
逆に、高すぎる予算設定の場合、企業が持っている強みや弱い部分を見出すことができなくなり、さらに予算に漏れがあれば、管理自体が無駄になってしまうので、適切な設定が必要と言えます。
2:細かい数字を気にしない
予算設定が細かいと、数字を気にし過ぎて効率が悪くなったり、どの部分が重要で優先的に達成すべき科目なのか、見極めが難しくなります。
つまり、予算設定が細かすぎると、予実管理を適切に行うことができなくなる可能性が出てくるということです。
それぞれの科目の差が、どのくらい出た時に対処するのかなど、予実管理を行う前にしっかりと決めておくようにしましょう。
3:原因の究明をしっかり行う
予実管理で課題が浮き彫りになったら、原因の究明をしっかりと行いましょう。
見つかった課題に対して有効な対策を立てるためには、何が問題となっているのかを深く追求して行かなければなりません。
上辺の問題を追及するだけではなく、なぜそのような問題が起こったのかなど、原因を深く調査し、推考と検証を行いながら原因の究明をして行きます。
4:集計作業がスムーズになる様に事前に準備する
予実管理において、集計作業が適切に行われることはとても重要です。集計作業が適切な方法ではなかったり、分析するための指標が狂っていたりすれば、実績の状況を正しく把握することは難しくなってしまいます。
集計作業が適切に行えるよう、しっかりと事前準備をしておきましょう。集計作業が効率的に、正確に行えているのかの実態を把握できるようにしておくことで、集計作業をスムーズに進めることができます。
5:数字を正確に把握する
予実管理では、リアルタイムでの数字をより正確に把握することが重要になります。ビジネスの状況は常に変化があり、時間を経るごとに環境も変わっていくからです。
リアルタイムの数字を把握するためにも、集計と比較はできる限り1週間ごとに行い、改善や新たな施策を迅速に行えるようにすることが重要なポイントと言えます。
予実管理の進め方6つ
ここまで、予実管理をするためのポイントを記してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。中には、ポイントがわかっただけでは、どのように進めていけばいいのかわからないという方もあるでしょう。
続いて、実際に予実管理を行う際の進め方をご説明します。
1:目標を確定させる
予実管理を進めるために、まずは目標を確定させます。
自社でどのくらいの利益を出して行きたいのか、その金額は現在の能力に合ったものなのかなどを考えながら、予算目標を確定していきましょう。
また、予算目標を確定する際には、容易に達成できる目標を掲げるのではなく、ハードルを少し高めに設定するようにしましょう。
2:必要な数字や情報を集める
次に、分析に必要な数字や情報を収集しましょう。
数字や情報を収集する際には、過去の実績を踏まえた上で、どの期間の数値が必要なのかを検討していきます。
その際に、期間による数値の変動が激しいものはそのまま収集するのではなく、平均値を出してから比較するなど、工夫を凝らしてから行うようにしましょう。
3:予算を立てる
情報の収集ができたら、自社の予算の設定に進みます。
自社の状況をよく見て、無理のない範囲で予算設定をして行きましょう。また、予算設定をしていく過程で課題が出てきた場合は、できるだけ迅速に動けるよう、対応策も併せて検討しておくようにして下さい。
4:月ごとに決算する
予実管理を円滑に進めるために、なるべく月ごとに決算するようにしましょう。
月ごとに決算をすることで予算全体を知ることができ、何が重要でどれを優先するべきかを把握することができます。また、週ごとの実績と予算にギャップが出た時にも迅速に対応することができます。
月ごとの決算で予算を把握し、優先度の見直しや重要度の確認を行うようにしましょう。
5:予算と実績を比較する
予実管理の過程では、数値をベースとした費用対効果を見ながら、予算と実績を比較して判断するようにしましょう。
決算をすることで、予算と実績を比較することができます。この時、目標としている予算と実績にギャップはあれば、その差を埋めるための対策を取らなければなりません。
その時の対処をスムーズにするためにも、予実の比較が重要になります。
6:分析して対策を実践に移す
予算と実績の比較で課題が見つかった場合、改善策を実行していかなければなりません。では、どのような対策を考えて実践していけばいいのでしょうか。
改善策を検討する上で大切なのは、自社の中で一番売り上げに貢献している活動を知ることです。貢献度が最も高い活動を知ることで、課題への対策もスムーズに立てることができます。
予実管理で分析を行い、しっかりと対策を練りながら実践に移していきましょう。
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予実管理が上手くいかない理由3つ
皆さんの中で、自社でも予実管理を取り入れてみようと始めたものの、なかなか上手く行かないという方もいることでしょう。
予実管理が上手く行かない時には、何かしらの理由があります。では、その理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
続いて、予実管理が上手く行かない3つの理由を見て行きましょう。
1:集計作業に時間と手間が掛かり過ぎている
集計作業を行う時は、一元管理できるようにしておきましょう。
予実管理を行うためには、基幹となる財務管理や販売管理のほかに、売上に関する営業部門からの情報など、たくさんの情報収集が必要です。
ただ情報を集めるだけではなく、誰でも把握できるように各部門の情報を合わせてまとめていくなど、集計作業だけで時間や手間が掛かるためスムーズに予実管理ができない場合があります。その対策のためにも、集計の管理は重要です。
2:環境が整っていない
情報収集にそれほど時間は割かれていなくても、環境が整っていなければ予実管理をスムーズに進めることはできません。
情報収集ができていても情報が一元化されていなかったり、情報の蓄積ができていても可視化されていないなど、予実管理の状況を把握できない状態であれば上手く進めることはできません。
状況を的確に、迅速に把握できる環境を整えてから予実管理をしていきましょう。
3:原因の究明や改善の検討が出来ていない
情報の整理ができていて情報の共有を行っているにもかかわらず、予実管理がスムーズにできないという場合には、原因究明ができない状況の可能性があります。
情報となる数値だけを見ていても、なぜそうなったのか原因がわかる状況でなければ原因の追究に時間と手間をかけることになります。
また、直近のデータと激しく差異があるときに原因の究明ができなければ、対策を立てることが難しくなり、スムーズに進めることができません。
予実管理のポイントを掴んで効率化していこう
ここまで見て来たように、「予実管理」とは、予算に対して実績の達成度を把握するための管理手法です。
また、企業の活動実績の達成度を確認・把握することで、現在の進め方でよいのか、改善が必要なのかを分析していくためのシステムとも言えるでしょう。
情報を分析しながら取るべき対策を見つけ、次のステップに繋げるためにも、ポイントをしっかりと押さえて、効率の良い予実管理を行っていきましょう。