領収書の管理方法6つと注意点|電子データによる管理のメリット

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領収書の管理できていますか?

経費の根拠となるため領収書やレシートの保管は必要不可欠です。自動販売機や冠婚葬祭のお付き合いのお金などは領収書が出ないため、出金伝票や振替伝票などにかかった金額や勘定科目を記録して保管します。

領収書やレシートをしっかりと保管するのには非常に手間がかかり、面倒に感じる経理担当者も多いでしょう。効率良く管理する方法を考える必要があります。

領収書を管理する必要性

税務調査が入って、担当署員から申告の仕方が間違えているのではと指摘を受ける場合があります。領収書があると正しい経費の根拠を示せるため、処理を間違えていないし、ごまかしている訳でもないことを証明できます。

発行されているのであれば、領収書と一緒に納品書や見積書、請求書などを一緒に保管しておくと、より確実な証拠として残せます。

領収書の保管義務

領収書の保管は法律で義務づけられていて、法人の場合は原則として7年(欠損金がある場合は9年~10年)、個人事業主で青色申告の場合は7年、白色申告の場合は5年と期間が決められています。

領収書以外の書類も保存した場合、請求書は領収書と保存期間は同じです。注文書や納品書、見積書の場合は保存期間が5年と決められています。ただ、領収書と一緒にまとめて保存する会社や個人事業主がほとんどでしょう。

領収書の管理方法6つと注意点

詳しい領収書の管理方法を6つ紹介し、それぞれの注意点を挙げます。どの方法もメリットもあればデメリットもあり、自社の状況や管理担当者の作業のしやすさを考えて検討する必要があるでしょう。

1:領収書を封筒に入れて管理する

最も簡単な方法は領収書を封筒に入れて管理する方法です。こちらの領収書管理方法は、あまり現金での取引が発生しない業種の個人事業主に向いています。封筒を数種類用意して、領収書やレシートを入れて管理するだけなので、比較的手間がかからないでしょう。

封筒のサイズは小さい方をA5サイズ(角形5号)、大きい方をA4サイズ(角形2号)としています。他に使いやすいサイズがあればそちらを選んで構いません。

月ごとの封筒を作る

まず、それぞれの月ごとの封筒を最低で12枚用意します。特定の経費だけ選りわけたい場合は、その費目の封筒を別に用意するといいでしょう。

領収書やレシートの大きさにもよりますが、A4の半分の大きさでA5サイズの角形5号の封筒があると便利でしょう。大きめの領収書でも折らずに保管でき、かさばりません。決算が終わって申告が終わったら、領収書の紛失を防ぐためホッチキスで留めておきます。

1年分の封筒をさらに大きい封筒へ入れる

前項で作った月別の領収書が入った封筒は、大きな封筒にまとめて保存し管理をします。1年分を入れる封筒の大きさは、申告書と同じA4サイズ(角形2号)の封筒にまとめるといいでしょう。

小さい封筒が紛失しないように、ホチキスで綴じて保存するようにしてください。特に申告書と一緒にファイルに綴じて管理する場合はA4サイズの封筒の方が一緒に綴じられるため、後で税務調査があったときに領収書を探す必要がありません。

2:領収書をノートに貼り付けて管理する

領収書を受け取った日付順に、ノートにのり付けして管理する方法もあります。ある程度実績のある個人事業主や小規模な法人で、封筒に領収書を入れて管理する方法では封筒に入りきらずに管理が難しい場合に向いています。

毎日貼り付けるのが面倒だという場合は、1週間に1回程度時間を取って作業をするといいでしょう。貼り付けるまでに決まった所に置く、クリアファイルに挟むなど領収書をなくさない対策が必要です。

3:日付ごとにA4用紙に貼り付けて管理する方法

手間はかかりますが、後から領収書の検索がしやすい方法が日付ごとにA4用紙に貼り付けして管理する方法です。月ごとのインデックスをシールや台紙などで付け、用紙に日付を書いて、その日に支払った経費の領収書を貼り付けて管理する方法です。

用紙に余白があっても、違う日付の領収書を一緒に貼ると探すのが大変になってしまいます。できれば、同じ日付の領収書同士を一緒にまとめて貼るようにすると、管理が楽になるでしょう。

日付ごとに用紙に貼り付ける

A4のコピー用紙に日付を入れて、そちらに領収書やレシートを貼ります。紙がもったいなく感じるでしょうが、なるべく領収書やレシートが重ならないように貼ると後から確かめる時に見やすくなります。

納品書や請求書などは用紙がA4程度のこともあります。大きいサイズの書類であれば領収書と一緒に貼らずに、その日付に合わせて領収書の次のページの辺りに、ファイルに綴じるようにするとファイルがかさばらないでしょう。

用紙をファイリングして保管

全て貼った後に、用紙に穴開けパンチであけてファイルに綴じて保管します。日付ごとにインデックスを貼るとかえって見づらくなりますので、月ごとに付けるといいでしょう。

A4サイズの用紙が適しているのは、役所に提出する文書の規格が全てA4サイズであるためです。申告書と一緒に綴じて管理する場合にも一緒のファイルで済むでしょう。

4:項目ごとに領収書を管理する方法

消耗品にかかった代金や事務用品にかかった代金など、かかった費用を把握したいために項目ごとに管理をしたいという方もいるでしょう。

項目ごとに領収書を管理する方法では、小さい封筒を項目ごとに用意し、大きい封筒で1つにまとめる方法でも、項目ごとにノートへの貼り付けやファイルに綴る方法でも、好きな管理方法を選んで構いません。

5:取引先ごとに領収書を管理する方法

領収書の相手先がある程度決まっていて、取引先の会社で分類して領収書を管理する方法もあります。前項で述べたとおり、取引先ごとに分類して、封筒を使った方法、ノートを用いた方法、ファイルに綴る方法のいずれかのやり方で管理をするといいでしょう。

取引先が多い場合は封筒で管理するとかさばりますし、探しにくいでしょう。取引先ごとノートに貼り付けするか、紙に貼ってファイルに綴じた方が管理が楽にできます。

6:電子データで管理する方法

領収書やレシートを紙で管理するのではなく、電子データで保存して管理をする方法も使えるようになりました。

法律で認められた規格を満たしたスキャナで読み込みをするか、デジタルカメラやスマートフォンのカメラを使って領収証やレシートを撮影して取り込むかして、電子データで保存をして管理する方法です。

保管年数は紙の書類と同じ期間ですが、電子データによる管理に移行するには手続きが必要になります。

あらかじめ税務署に申告する必要がある

領収書やレシートなどを電子データにして管理するには、税務署に電子帳簿保存法で決められた手続きをする必要があります。

領収書の電子データが確実な物であると証明が必要ですし、税務署に提出する書類は電子保存を始める日の3ヶ月前までに提出するように決められています。

1月1日に始める場合には、前年の9月30日までに提出し終えていないといけません。早めに準備しなくてはいけないでしょう。

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電子データで領収書を管理するメリット4

領収書やレシートなどの紙の書類を管理することと、電子データで管理することを比べてメリットとなるポイントを4例紹介します。領収書などの管理が大変で、保管場所がなく紛失が心配な場合は検討してみるといいでしょう。

1:かさばらない

紙の書類の場合は、封筒にまとめる、ノートに貼り付ける、ファイルに綴じるなどの方法で管理しますのでかさばることもあり、どうしても場所を取ります。

電子データで領収書を保存する場合は、電子データの保存場所はパソコン内やフラッシュメモリなどの記録媒体や、クラウド上に保存して管理します。保管場所を大幅に取ることはありません。データの保存場所をはっきりさせておけば、紛失するリスクも少ないでしょう。

2:データの検索ができる

電子データの形で領収書を管理すると、必要な時に探しやすくなります。例えば、立ち入りで税務調査が合った場合に、税務署員に領収書を見せるように求められたとします。

紙の書類を探すには手作業で行うので探すのが大変ですが、電子データで管理していれば日付や相手先を登録すると、数字や文字列を入力するだけで必要な領収書を探し出せるでしょう。書類をひっくり返すこともなく、数分もかからずに検索ができます。

3:スマホやデジカメで簡単にデータ化ができる

領収書やレシートのみの保存であれば、スマホやデジカメで写真を撮って簡単にデータ化ができます。領収書以外のデータはスキャナがないと難しい場合があるでしょう。

会計ソフトの中には、スマホで撮影した領収書を読み取れる機能が付いている場合があり、高い精度で読み取れることがあります。オプションサービスにはなりますが、レシートの読み取りで経費精算などにも応用できる場合があり、経理担当者の負担も減らせるでしょう。

4:バックアップができる

領収書を画像データとして読み取りをすると、パソコン内や会計ソフトなどに保存することが多いです。決算をむかえて次の会計年度になった場合には、領収書のデータを記録媒体にバックアップを取ることも可能です。

領収書やレシートなどは、年が経つにつれて劣化して印地面が薄れて判読不能になることもあります。データをバックアップしておくと、記録したファイルが破損しない限り、領収書の中身が劣化する可能性は低いでしょう。

電子データで領収書を管理するデメリットとは?

電子データで領収書を管理するデメリットはあります。書類を出すことや準備に手間がかかることはもちろんですが、顧問税理士がいる場合に電子データの管理に理解がないとなかなか了承してもらえないことがあることです。

また、会計ソフトが電子データの管理に対応している場合もあるのですが、一定以上のプランに加入していないと、サービスの対象外となることもあります。事前に確認するように注意してください。

目的に合った領収書の管理方法をみつけよう

領収書の管理は電子データを使った方が、領収書の保存状態が悪くて金額などが確認できなくなったという事態はさけられるのでおすすめです。

ただし、領収書が少ない状態で無理して導入する必要はありませんし、きちんとファイルボックスなどに整理整頓ができる方であれば紙の領収書を管理する方法でも構いません。自分の状況を考えて、やりやすい方法を検討してみましょう。

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