ストレスを生む仕組みとストレスマネジメント・ストレスコーピング|ストレスの種類2つ

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ストレスマネジメント

「ストレスマネジメント」とは、ストレスにより体調や心身に悪影響をもたらさないよう、ストレスを適切に管理していくことを言います。

仕事や家庭、その他の行動によってもストレスは発生します。ストレス発生の仕組みを知り、マネジメント方法を身につけてストレスと上手に付き合っていきましょう。

ストレスを生む仕組みとストレスコーピング

ストレスを生む仕組みには「ストレッサー」・「認知」・「ストレス反応」という3つの要素がありますが、ストレスコーピングは発生するストレスを少しでも軽くする、ストレスを避けるようにすることを意味しています。

例えば、「苦手な人がいたらその人に会わないようにする」というのがストレスコーピングです。これはストレスのマネジメント方法の1つとして行われています。

ストレスを生む仕組み

そもそもストレスとはどうして生まれているのでしょうか。ここではストレスを生む仕組みである「ストレッサー」・「認知」・「ストレス反応」の3つの要素について解説いたします。

3つの要素は順番として、まず「ストレッサー」があり「認知」することで「ストレス反応」が起こります。通常はストレスを受けても気づかないうちに発散していることが多いのですが、意図的に解消しようとするのがストレスのマネジメントです。

ストレッサー

ストレッサーとは、簡単に言ってしまえばストレスの原因です。ストレッサーの中には「物理的・科学的ストレッサー」や「生理的ストレッサー」、「心理的・社会的なストレッサー」などの種類があります。

科学的ストレッサーは環境や有害物質による物理的又は科学的なもの、生理的ストレッサーは睡眠不足などで、心理的・社会的なストレッサーは日常における不安や恐怖・怒りや焦りといった心理的・社会的なものが対象です。

認知

ストレスの仕組みにおける「認知」とは、ストレスを自覚することを意味しています。

「ストレスがたまっている」と感じたことがある人も多いでしょう。それは、自分の中にあるストレスを自覚している、「認知している」ことになります。しかしストレスは全てを認知できる訳ではなく、知らず知らずのうちに大きなストレスがたまっていた、というようなこともあります。

ストレス反応

ストレスを認知してしまったことで起こるのが「ストレス反応」で、「身体的反応」や「心理的反応」があります。

「身体的反応」では緊張したり冷や汗をかいたり、時に頭痛や胃痛といった反応となって表れることがあります。

「心理的反応」ではストレスを避けようとしたり、飲酒や過剰な食欲でストレスを発散しようとしたり、逆に自らストレスに挑むような行動をとったりすることがありますが、個人差が大きいです。

ストレスの種類2つ

ここではストレスの種類を「急性ストレス」と「慢性ストレス」の2つに分けて解説していきます。それぞれのストレスの種類についてどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

ストレスの種類1:急性ストレス

急性ストレスは大きなでき事や悲劇的な事態に遭遇することで引き起こされることが多いです。

そういったでき事の後で、一定の期間の間にさまざまなストレス反応を起こすことを急性ストレス反応と言います。

例えば肉親の死や自然災害・交通事故など突発的な不幸に遭ってしまった時に起こりやすく、精神的・身体的なストレス反応があります。基本的にそれらは長期間続くことはなく3日間程度で少しずつ軽減していくことになります。

ストレスの種類2:慢性ストレス

慢性ストレスはストレッサーが長期間続いたような場合、自身の対処能力を超えるストレスに晒されて急性ストレスがそのまま残ってしまっているような場合を指します。

ストレスをマネジメント方法で管理したり、軽減させるコーピングができたりしていれば長期間でも少しずつ軽減していくことはできます。しかし、そうではないときはストレス反応が長期化してしまい、心身に悪影響を与え続けることになってしまいます。

職場におけるストレスマネジメントの重要性が高まっている背景

ストレスをマネジメントせずに放っておくと従業員のモチベーションが低下したり、職場の作業効率が落ちたりするなどさまざまな影響が考えられるため、職場におけるストレスマネジメントの必要性・重要性は高まっています。

社会人が感じるストレスは職場起因のものが多いため、従業員の健康を保つためにも、職場でストレスのマネジメント方法を研修するなどして対処法を身につけさせることが重要でしょう。

仕事のストレスによる不調者の増加

仕事では職場の雰囲気や仕事の失敗、上司からの叱責などが原因でストレス発生することがよくありますが、これらのストレスは実際に体調不良を起こすことがあるため、従業員に不調者が増えてしまいます。

ストレス反応では頭痛や胃痛や極度の緊張など、実際に身体的に影響を与える反応も存在しています。そのためストレスを放置することは、従業員の健康状態を適切に管理することができていない状況である、とも言えます。

ストレスチェック制度の義務化

2015年(平成27年)の12月1日から労働安全衛生法改正により、「ストレスチェック制度」が義務化されています。

「ストレスチェック制度」の義務化により、労働者が自身のストレスの度合いを知ることができる他、会社に対して職場の改善、カウンセリングや医師に相談を行えます。これにより、ストレスの悪影響を可能なかぎり縮小することが狙いになっています。なお、対象となっているのは労働者が50人以上の営業所です。

ストレスチェックの実施頻度、検査すべき3つの領域、ストレスチェックの実施者となれる者、結果の記録の作成・保存方法、一定規模の集団ごとの集計・分析、ストレスチェック結果に基づく医師による面接指導の実施方法、労働基準監督署への実施状況に関する定期報告などについて定めています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000082587.html

職場におけるストレスマネジメントの効果

職場ではストレッサーを完全に排除することは難しいですが、ストレスをマネジメントすることで従業員の心身の健康に影響を与えたり、職場全体でストレスマネジメント方法を実践したりすることで意識が高まるなどの効果があるでしょう。

上司の立場では、部下のストレスマネジメントにも配慮をする必要がでてきます。こうしたことからストレスマネジメント方法の実践により、職場の雰囲気自体を変えてしまう効果も期待できるでしょう。

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ストレスマネジメント方法

それでは実際にストレスをマネジメントするマネジメント方法にはどのようなものがあるのか、具体的に解説していきます。

ストレスマネジメント方法には個人でできるマネジメント方法と、組織として行うべきストレスマネジメント方法の2つがあります。職場の状況を考えながら、少しずつでもストレスマネジメント方法を取り入れていきましょう。

個人でできるストレスマネジメント方法

個人で行うことのできるストレスマネジメント方法には、ストレス要因を意識して遠ざけるストレスコーピングやストレスの発散方法、生活環境や自分自身の見直しなどがあります。

仕事関係ではどうしても実践することが難しいマネジメント方法もありますが、生活環境や発散方法、自分に関することはある程度個人で対処可能ですので、実践してみてください。

ストレス要因を自覚して遠ざける努力をする

個人でできるストレスマネジメント方法では、まず自分が何にストレスを感じているのかを知ること、自覚すること、が大切でできるだけそのストレッサーから離れる、遠ざけることが重要となっています。

できる限りストレッサーから遠ざかることで、ストレスそのものを発生させないマネジメント方法です。ただ、この方法は職場で実行するには難しいことが多いため、職場が原因の場合は他のマネジメント方法も試してみましょう。

ストレス要因に向けているエネルギーを別のものに向ける

ストレス要因へのエネルギーを別のものに向けるというのは、簡単に言うとストレスを発散させるストレスマネジメント方法です。

スポーツをしたり、カラオケをしたりすることでエネルギーを発散させます。体を動かすことが苦手な人は、泣ける映画などを見て涙を流すという行動もストレス解消につながりやすいです。このマネジメント方法では、発生したエネルギーをストレス以外に向ける努力をします。

良質な睡眠・十分な休息をとる

ストレッサーの中には睡眠不足などが原因の「生理的ストレッサー」もありますので、生活環境由来のストレスを防ぐのがこちらのマネジメント方法の目的になります。

良質な睡眠をとるためには寝る前にスマホやパソコンを見ない、部屋を暗くして寝るなどして睡眠の質を高めます。理想的な睡眠時間は7時間以上なので、そのことを意識しておきましょう。

自己評価による自信やモチベーションの担保

日常生活の中で、他人の評価によりストレスを受けることがありますが、自分自身で自己評価を行うことにより、自信やモチベーションを保つようにするというマネジメント方法です。

自分自身を客観的に評価し、見直すことが重要です。他人の意見や評価も大事ではありますが、自信をなくしたときは自分自身で評価を行い、気持ちが落ち込みすぎないようにするというストレスマネジメント方法になります。

組織が行うストレスマネジメント方法

会社などの組織が行うことができるストレスマネジメント方法について、4つほど紹介いたします。従業員のストレスマネジメントを適切に行っていくためには、組織としても従業員がマネジメントを行いやすいようにサポートをしていく必要があるでしょう。

ストレスマネジメントを優先する風土の醸成

職場では個人でストレスマネジメントを行うだけでは充分ではない場合があるため、従業員のストレスマネジメントを優先するという会社の風土、雰囲気を醸成していくことが必要でしょう。

従業員のストレスマネジメントを無視するようでは、組織としてストレスマネジメント方法を実践していくことはできません。個人が働きやすい環境を整えるのは、組織の役割でしょう。

コミュニケーションツールの設置

従業員が上司や管理職をはじめ、周囲の人とコミュニケーションを取りやすくするようツールを設置する必要もあるでしょう。

社内でのコミュニケーションが活発になれば、誤解によるストレスや人間関係によるストレッサーの発生を低くする効果が期待できます。こうしたコミュニケーションツールを設置するのも、組織が行うことです。

定期的な面談などサポート体制の整備

それぞれ個人により何にストレスを感じるのかは違い、マネジメント方法にも多少の違いはあるため個別に定期的な面談を行うなどサポート体制を整備しましょう。

従業員が上司や管理職とコミュニケーションをとることで、ストレスについて話し合いいかにマネジメントしていくか相談できるサポート体制を整備します。

社員の知識・スキル向上バックアップ

どのようにストレスをマネジメントしていくのか、マネジメント方法の研修を行うなどで従業員に正しいマネジメント方法を教えるなどのバックアップを行いましょう。

「ストレスマネジメントをしてください」と言うだけでは理解できない人が多いです。ストレスマネジメント方法の研修などを行って、それぞれの知識に差がでないよう配慮していきましょう。

ストレスマネジメントについて理解を深めよう!

日常生活を送るうえで避けて通ることが難しいストレスですが、ストレスマネジメント方法を使うことでストレスと上手く付き合っていくことができます。今回の記事ではストレスマネジメントの方法についても詳しく解説していますので、ぜひ実践していきましょう。

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