休業と休暇の違いとは?有給休暇を取得する際の4つのマナー

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会社の休みに違いがあるの?

会社の休みには、休日、休暇、休業、休職、などの種類があり、働く側からすれば同じ「休み」ですが、会社側から見た場合、法的観点や就業規則上での取り扱いなどで違いがあります。

休日は就業規則などで労働を免除された日を言い、法律で定められた休日を法定休日、法定休日以外に就業規則で設けた休日を所定休日と言います。休職は、何らかの理由で就労のできない社員に対し、会社に籍を残したまま、一定期間就労を禁止する事をいいます。

休業と休暇の違いとは?

休業と休暇は、労働者側からの申し出により、本来ならば労働義務のある日に労働を免除してもらいます。休業は連続して長期的に取得するのに対し、休暇は、1日単位で取得できるなど細切れでの取得ができる点に違いがあります。

また休業は、その理由によっては休業手当の発生や社会保険申請により休業期間中の補填などが発生しますが、休暇については、通常の賃金以外の手当は発生しない点にも違いがあります。

休暇とは

労働基準法上において、休暇とは「本来ならば労働義務のある日だが、労働者の申し出により労働を免除された日」と定義しています。

また、同法において休日は「本来、労働義務のない日」と定義しており、労働者の申し出による免除のあった日と労働義務のない日の違いで、休暇と休日を区別しています。

休日は土曜・日曜・祝日を指し、休暇はそれ以外の夏季休暇や年末年始休暇などを指すのが一般的です。

休暇の種類7つ

前項において、労働基準法における休暇の定義を述べましたが、労働基準法上の休暇にも、法定休暇と法定外休暇の2種類があります。

この2種類の休暇の違いは、労働基準法で定められているか否かの違いであり、法定休暇には年次有給休暇や生理休暇、あるいは産前・産後休暇などがあり、法定外休暇には慶弔休暇やリフレッシュ休暇などがあります。

法定・法定外を合わせ、主な休暇には、以下の7種類が挙げられます。

休暇の種類1:年次有給休暇

年次有給休暇は、労働基準法第39条で認められた労働者の権利としての休暇であり、この休暇を行使することにより、労働者は賃金を支払われる休暇を取得する事ができます。

年次有給休暇は無条件に付与される訳ではなく、入社から6ヶ月間継続して勤務した期間のうちの8割以上出勤した場合に限り、10日の年次有給休暇が付与されます。以後、一年ごと勤続年数に応じて付与されますが、取得した権利の行使は2年までとなっています。

休暇の種類2:生理休暇

生理休暇は、法律に定められた法定休暇で、女性労働者がその要件に該当し、請求した場合に取得できる休暇です。ただし、生理だったら休んでいいと言う訳ではなく、「就業が著しく困難」という注釈が加えられています。

法定休暇ではあるものの、年次有給休暇と違い、必ずしも賃金が支払われる休暇としなくてはいけない決まりはなく、会社によっては無給となる場合もあります。

休暇の種類3:子の看護休暇

子の看護休暇は、2017年1月から改訂・施行された法定休暇で、未就学児の子どもがいる従業員の権利として行使されます。子の看護休暇を無給にするか有給にするかは、会社の裁量に委ねられていますが、欠勤扱いにするなど、従業員が不利となる扱いをしてはいけないことになっています。

休暇の種類4:介護休暇

介護休暇は、要介護状態にある家族の介護を行う従業員が対象となる、法定休暇のひとつです。介護休暇は家族が要介護状態にあることが条件で、配偶者、子ども、実父母、配偶者の実父母の他、扶養している同居の祖父母や兄弟姉妹、孫まで対象となります。

要介護要件は、国の認定を受けていない場合でも当てはまり、病気や骨折などで2週間以上に渡り介護が必要な場合にも利用できます。

休暇の種類5:慶弔休暇

慶弔休暇は、従業員およびその近親者の結婚や出産などの慶事や、近親者の葬儀などの弔事が発生した際に取得できる休暇です。慶弔休暇は、前述の年次有給休暇と違い、法定外休暇である点が大きく異なります。

慶弔休暇は、就業規則などで会社が独自の判断で設定する休暇なので、会社によっては規定のない場合もあります。会社に慶弔休暇制度があるか否かを、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

休暇の種類6:リフレッシュ休暇

リフレッシュ休暇は、一定の勤続年数を超える社員や、勤続年数の節目に労働者とその家族に対し慰労や健康維持などを目的として付与される休暇です。リフレッシュ休暇は慶弔休暇と同じ法定外休暇なので、利用するには就業規則など根拠となる規程などの存在が必要です。

リフレッシュ休暇は、厚生労働省が推奨しているためか、ここ数年で導入する会社も徐々に増えている休暇制度です。

休暇の種類7:夏季休暇

夏季休暇は夏の間に、労働者の申し出や就業規則などの規程により取得できる休暇で、慶弔休暇やリフレッシュ休暇と同じく法定外休暇になります。

表記上の違いとして、「夏季休暇」と「夏期休暇」の2種類がありますが、「夏季」は夏の季節そのものを指し、「夏期」は夏のある一定期間を指しているところに違いがあります。

法定外休暇なので、会社によっては夏季休暇がない場合もあるで、就業規則などで確認をしておきましょう。

休暇の種類年末年始休暇

年末年始休暇も、法定外休暇のひとつで、年末年始は家族と過ごしたいと願う従業員に対する待遇として設ける休暇です。「優秀な人材に選ばれる会社」であるためには、外せない待遇のひとつとして、多くの会社で実施されています。

公務員の場合は、12月29日から1月3日までの6日間ですが、民間企業の場合、各種メーカーで6日から8日という日数が一般的です。また、小売業や飲食業などのように取得の難しい業界も存在します。

休業とは

休業とは、休暇と同じく、本来ならば労働義務のある日に、労働者の申し出により労働義務を免除される日の事を言い、連続して長期的に取得するところに、休暇との違いがあります。休業もまた、休暇と同じく就業規則上で明記されているのが一般的です。

休業の種類4つ

休業には、「会社の都合による休業」、「天災事変による休業」、「育児休業」、「介護休業」の4種類があり、休業の内容によっては、休業補償や社会保険による補填などが支払われる場合もあります。

休業の種類4つの違いは以下のようになります。

休業の種類1:会社の都合による休業

会社の都合による休業は、会社の業績悪化や法的理由などで、業務を停止させなくてはいけない事由があるときに発生する休業です。

会社の都合による休業が発生した場合、会社は社員に対し、休業期間中に平均賃金の6割を休業手当として支払わなければなりません。このことは、労働基準法第26条にも定められており、会社の就業規則にも明記してあることがほとんどです。

(休業手当)第26条  使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%9F%BA…

休業の種類2:天災事変

天災事変による休業は、大きな災害や事変や政変といった使用者にも労働者側にもどうにもできない不可抗力的な事由による休業です。不可抗力による休業ですので、会社都合による休業と違い、休業手当を支払わなければいけないという規定はありません。

休業の種類3:育児休業

育児休業は、出生後の一定期間、育児をするために労働者が休業できる制度で、原則として子どもが1歳になるまで、両親ともに取得する場合は1歳2か月までの取得が認められています。

育児休業期間の給与は無給の場合が多く、有給扱いとする会社もほとんど存在しませんが、条件さえ満たせば、育児休業給付金などが社会保険から補填されます。

休業の種類4:介護休業

介護休業は、労働者が家族の介護のために、一定期間取得できる休業です。休暇の項で解説した介護休暇と間違えやすい休業ですが、介護休暇は1年で5日間の取得に対し、介護休業は年間通算して93日間の取得が可能です。

また、介護休暇は有給休暇のような形で取得できますが、介護休業は介護休業開始日と介護休業終了日を決定し、会社への報告・手続きが必要などの違いがあります。

1 介護休業1-1 介護休業の通算取得日数を1年まで、分割5回までとすることは可能か。(答)通算取得日数も分割回数も法を上回っているので可能である。 なお、例えば「介護休業期間通算 93 日、分割5回まで」も「介護休業期間通算 120 日、分割3回まで」もいずれも、「介護休業 93 日、分割3回」という法の基準を上回っているので可能である。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koy…

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有給休暇を取得する際の4つのマナー

有給休暇は、本来ならば労働義務のある日に、自分の都合などにより申請して労働を免除してもらう休暇になりますので、取得する際は、会社に迷惑を掛けないように配慮する必要があります。

有給休暇を取得する際に、会社に迷惑を掛けないために心掛けたいマナー4つについて、次に解説します。

有給休暇取得する際のマナー1:仕事が回るよう引継をしておく

有給休暇を取得できる日は、本来ならば労働義務のある日に該当しますので、自分がいなくても仕事が回るように引継ぎをしておく必要があります。休暇を取得する人とは違い、他の人は通常どおり仕事をしており、取引先からの連絡などがある場合も考えられます。

有給休暇を取得しておきながら、周りの人達に迷惑を掛けると、その先での有給休暇取得もしづらくなりますので、仕事の引継ぎは忘れないようにしましょう。

有給休暇取得する際のマナー2:謙虚な態度で申請する

有給休暇の取得を申請する際は、謙虚な態度で申請することが肝要です。例え法律で定められた労働者の権利であっても、「権利だから取得を申請するのは当然」という態度での申請は違います。

申請を受け取る上司も、横柄な態度で有給休暇の申請をされても、気持ちいいものではありません。気持ちよく申請書を受領していただくためにも、謙虚な姿勢を忘れないようにしましょう。

有給休暇取得する際のマナー3:余裕のある有給休暇申請をする

有給休暇の取得を申請する場合は、余裕のある申請を心掛けましょう。有給休暇を取得したい日が、繁忙期でなくても、「明日有給休暇を取得したい」と急に言われたら会社側にも迷惑が掛かり、業務に支障が出ることも考えられます。

自分でも予想してなかった急なことはともかく、前もって予定があって有給休暇を取得する場合は、余裕のある申請を行いましょう。

有給休暇取得する際のマナー4:有給休暇申請の提出前に相談する

可能でしたら、有給休暇申請書を提出する前に直属の上司に相談したいところです。有給休暇取得のための理由は原則自由ですが、正当な理由がある場合は、前もって相談しておいた方が取得もしやすく、申請を受け取る上司の心象にも違いが出ます。

休業と休暇の違いと種類を知って上手く活用しよう!

休業と休暇には、期間や金銭が発生するかしないかなどといった違いがあります。また同じ休業でも、法的に賃金が保証される場合や社会保険から補助が出る場合などの違いがあります。

いずれの休業および休暇も、法律や就業規則などの社内規程によって取得できる「休み」になりますので、休業と休暇の違いと種類を把握して、必要な時に有効な取得を心掛けましょう。

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