休養室とは
「休養室」とは、職場で従業員が急に体調が悪くなった場合などに休ませたり、救急車が来るまで待機させたりすることを想定して、事業場に設置する施設のことです。
休養室としての条件としては、「布団またはベッドが用意されている、男女別に用意する」ということが挙げられます。
休養室と休憩室の違い
休養室と休憩室を混同して考えている人は多いのではないでしょうか。字面で見るとかなり類似していますが、この2つには違いがあります。
休憩室は従業員が仕事の合間や休憩時間にリラックスできるようにするスペースのことを指し、努力義務といって設置の義務がありません。
休養室は必ず設置しなければならないのですが、休憩室は努力義務なのでオフィス内のスペースに制限がある際は休養室の設置を優先しましょう。
休養室について知っておきたいポイント8つ
休養室の設置義務のある職場や休養室に必要なものをは何でしょうか。休養室に関してはまだまだわからないことが多いので1つ1つご説明しましょう。ポイントを8つにまとめました。
休養室について知っておきたいポイント1:休養室の設置義務がある職場とは
男女合わせて50名以上または女性だけで30名以上の職場では設置義務があります。
労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令の規定に基づき、またこれらの規定を実施するため、労働安全衛生規則が定められています。
設置義務を負うのは男女合わせて50人以上、または、女性だけで30人以上の従業員がいる事業場に限られています。そして男女別に作ることを義務付けられています。
休養室について知っておきたいポイント2:休養室の役割
休養室・休養所の役割は大きく分けて2つあります。「体調の悪い従業員を横になって休ませるスペース」「救急車の到着の待機時間に休ませるスペース」です。
例えば外出先から戻った社員が熱中症の症状が出て、立っていられない状態になったときに横に休んで涼ませる必要があります。そんな時、横にして休ませておく役割があります。
休養室について知っておきたいポイント3:休養室に必要なもの
これから会社に休養室を準備しなければならないという人は気になっていることでしょう。労働安全衛生法に記述があるとおり臥床できる布団またはベッドが必要、そして男性用・女性用分ける必要があります。布団・ベッドは問いませんので会社に都合の良いほうをご用意ください。
休養室について知っておきたいポイント4:休養室にあれば望ましいもの
休養室に必ず必要なものは布団またはベッドでしたがこれらのものがあればもっともしもの時に備えられるというものをご紹介します。先ほど例に出したように熱中症での休養室の利用というのはよくあることですので氷枕や冷えピタなどの応急処置を取れるのは重要です。
他にも急なケガや体調不良に備えて救急箱・体温計を用意しておくと望ましいといえるでしょう。
- 【休養室にあると望ましいもの】
- 氷枕
- 冷えピタ
- 体温計
- 救急箱(絆創膏、ガーゼ、市販の鎮痛剤など)
休養室について知っておきたいポイント5:簡易休養室の作り方
「休養室を作りたくてもオフィスのスペースが狭くて男女別の部屋を用意するなんて難しい」なんていう会社は多いのではないでしょうか。オフィスに無駄なスペースがないという会社におすすめの簡易休養室をご紹介します。
スペースの少ないオフィスの場合は簡易休養室という選択肢もあるのでご検討なさってはいかがでしょうか。
- 【簡易休養室の提案】
- パーテーションで空間を区切って休養室を男女で独立させる
- 会議室に折り畳み式の簡易ベッドを置く
- 畳のオフィスには布団だけ用意
休養室について知っておきたいポイント6:休養室におすすめのベッド
使わないときは会議室などに片づけられる「折り畳みベッド」はオフィススペースの取れないオフィスにおすすめです。キャスタ付で移動させやすく省スペースにおさまるのであまり予算を取れないベンチャー企業などには大変おすすめです。
折りたたみシングルベッドの取り替えとして購入いたしました。バネが付いているので折りたたむときにあまり力を必要としません。また、品質も良いです。
休養室のついて知っておきたいポイント7:休養室のおすすめパーテーション
簡易休養室におすすめのパーテーションをご紹介します。簡易休養室にする場合は使うパーテーションはなんでもいいわけではなくしっかりと空間を分けられる固定できるものが望ましいです。例えば布製、ブラインドや立てかけるタイプのものは避けるべきです。
- 【パーテーションを選ぶポイント】
- それなりに高さのあるものを選ぶ
- 布材やブラインドではなく木製のしっかりした素材を選ぶ
- 間仕切りタイプではなく突っ張りタイプの固定できるものを選ぶ
休養室について知っておきたいポイント8:もし違反したら
労働安全衛生規則そのものには罰則がありません。しかし、休養室が設置されていない状態で、急病人が発生し対応が遅れることがあれば、会社が責任を問われることになります。そうならないためにも休養室を常設するのが最善といえるでしょう。
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労働安全衛生規則の注意点5つ
労働安全衛生規則は労働者の安全と健康を守るための規則です。労働安全衛生規則は休養室に関してしっかり説明してきましたがここで他の事項に関しても触れておきます。事業者が義務付けられている点を一緒に見ていきましょう。
労働安全衛生規則の注意点1:有害作業場の注意点
「事業者は、著しく暑熱、寒冷や多湿の作業場、有害なガス、蒸気または粉じんを発散する作業場その他有害な作業場においては、作業場外に休憩の設備を設けなければならない。ただし、坑内など特殊な作業場でこれによることができないやむを得ない事由があるときは、この限りでない。」
つまりは有害な作業場では作業外での休憩の設備を整える義務があります。
労働安全衛生規則の注意点2:立業の注意点
事業者は立業のためのいすの備え付けましょう。
労働安全衛生規則ではこう記述されています。「事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない。」
労働安全衛生規則の注意点3:睡眠および仮眠の注意点
睡眠および仮眠の設備を男女分けて整える必要があります。
警備員などの夜間労働には仮眠を与えなければならないケースはしばしば存在します。そんな時注意しなくてはならないのが以下のことです。
「事業者は、夜間に労働者に睡眠を与える必要のあるとき、または労働者が就業の途中に仮眠することのできる機会があるときは、適当な睡眠または仮眠の場所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。」
休養室と一緒でこちらも男女区別しなければなりません。
労働安全衛生規則の注意点4:発汗作業の注意点
灼熱の中で仕事をする現場仕事の方なんかに適応する規則といっても過言ではありません。規則には下記のように記述されています。
「事業者は、多量の発汗を伴う作業場においては、労働者に与えるために、塩および飲料水を備えなければならない。」
そのため、事業者が塩および飲料水といった発汗作業に関する措置をとる必要があります。
労働安全衛生規則の注意点5:休憩室の注意点
休憩室の注意点につきましては、労働安全衛生規則に「事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない。」と記述があります。
努力義務ですが、休憩設備を整えるように努めましょう。
休養室の設置義務がないかチェックしておこう
従業員が男女合わせて50人以上または女性だけで30人以上の場合は設置義務あります
休養室がまだないオフィスは従業員を守るためにも、会社をリスクから護るためにもいますぐ休養室を設置しましょう。