PDCAとは|PDCAを効果的に回す14のステップと5つの注意点

業務改善

PDCAとは?

PDCAとは、計画、実行、評価、改善の事です。

PDCAと言う言葉は、アメリカ人の技術者、統計学者、経営コンサルタントでもある、W・Edwards・Deming博士によって提唱されました。英語の頭文字から取った言葉で、P(Plan/計画)D(Do/実行)C(Check/評価)A(Action/改善)の事です。

デミング博士は、現代の品質管理⁽クオリティ・コントロール)の父と言われています。

PDCAの意味

PDCAとは、ビジネスで使用される反復的な4つのステップ管理方法です。

PDCAは、「計画、実行、評価、改善」または、「計画、実行、評価、調整(Adjust )」と表されます。

仕事のプロセスおよび、製品ライフサイクル管理、プロジェクト管理、人事管理、商品流通管理などの多くの事業分野で、ビジネスの継続的なプロセス改善と有効性を向上させるために使用される方法です。

PDCAの役割・効果

PDCAの役割・効果として、大きな成果を上げている事例には、品質管理が挙げられます。

品質管理業務は、4つのステップがあります。

・対応する問題の定義付けをして、問題の根源を考える⁽計画)
・解決策を見出して、実行に移す⁽実行)
・前後のデータを確認して、比較する⁽評価)
・結果を定義付けしてプロセスの変更を公表し、新たな問題を次回のPDCAへと繋げる(改善)

PDCAを効果的に回す14のステップ

PDCAは、専門の知識や過去の経験だけで無く常にデータの評価によって、次へのステップへ繋げる事で良い成果を生み出す事に成功しています。

日本は第二次世界大戦後、このPDCAを自動車製造業やソフトウエアの分野で上手に取り入れて、驚くべき発展を成し遂げてきました。では、PDCAを取り入れる際には、どのような事柄に注目すればよいのでしょうか。14の大事な項目について見ていきましょう。

Plan

PDCAの「Plan」計画は、ビジネスの成功と失敗を左右する上でとても重要です。

ビジネス計画は、成功すれば利益を生み出しますが、その逆では、企業に大きな損失をもたらす大切な事柄です。目標と期限を決定して、そのためのタスクを順序立てて行うことが求められます。では、どのように計画を立てると良いでしょうか。

PDCAを効果的に回すステップ1:現状の把握

計画を立てる際には、ビジネスの現状を把握する事から始めましょう。

PDCAでは、ビジネスの現状を把握して問題解決の道を探りましょう。全ての問題に一気に取り組むのではなく、製品とサービスの向上を進めるために現時点でわかっている問題点の改善しやすい部分から修正を速やかに行う事が必要になります。

継続的に製品やサービスの向上を行い続ける事は、ビジネスの競争力を保つためにも重要なポイントです。

PDCAを効果的に回すステップ2:問題点の抽出

計画をする際には、まず、問題点を抽出しましょう。

PDCAで計画を立てる際には、まず製品やサービスの問題点を考えます。その問題点に対して、既存の考え方だけでなく新しい切り口でその問題点の解決策を考えてみましょう。

製品やサービスのクオリティを一つずつ向上させながら、新たな問題が発生した場合は、次回のPDCAで取り組んで行くサイクルを作り出します。

PDCAを効果的に回すステップ3:対策案の検討

計画をする際は、問題点を抽出できたらその対策案を検討しましょう。

PDCAの計画は、製品やサービスのクオリティを達成するために対策案を検討する事から始めます。その際、検査や検証に過度依存する事は止めましょう。過度な検査や検証には時間を要します。

急速に進歩して行くビジネスの世界では、結果を待つ間に他社に追い抜かれてしまうことがあります。計画は、対策案を検討しそれを速やかに実行することが重要です。

PDCAを効果的に回すステップ4:優先度の確認

計画を立てる際は、問題の優先度をよく考えて計画して行きましょう。

PDCAの計画の問題点が複数ある場合は、問題点の順序を整理して明確にする事で、最初に取り組む作業が見えてきます。後は順序に沿ってできる事から対策案を講じていきましょう。

PDCAを効果的に回すステップ5:費用対効果の検討

計画には、それにまつわる費用と効果を検証する事も重要です。

PDCAの計画には、価格ありきではなく既存のコストの見直しが必要になります。総コストを最小限に抑える事によって、その計画の効果が高くなります。

サプライヤーからの慣れ合いの供給には、専門的知識を理解する上において必要な場合もありますが、色々な企業との取引により供給バランスを保ちながら最善のコストパフォーマンスを生み出す事が重要になってきます。

PDCAを効果的に回すステップ6:目標と期限の設定

計画には、ある一定の目標と最短期限の設定が必要です。

計画を有効に進めるためには、長期の目標と短期の目標に分ける必要があります。特にPDCAの計画は、最低の目標値「ここまでは、必ずやり遂げる」と言う目標値を定める事によって、社員の意識を改革してゴールを見据えて仕事が進められます。

結果として期限を大幅に短縮できることがありますが、逆に達成できない場合は失敗した時の対策を定めておくとよいでしょう。

Do

PDCAの「Do」実行は、計画に沿って始めてみる事です。

計画が決定すれば、それを実行していきましょう。実行する際には、計画に沿って進んでいるかを常に意識して進めて行く事が重要になります。また、その実行には、データをつけて行く事が良いでしょう。

PDCAを効果的に回すステップ7:行動案の検討

実行に移す際には、チームリーダーとメンバーの行動情報共有が重要になります。

PDCAの実行に移る際に、チームリーダーとメンバーの報告、連絡、相談の仕組みができているかがとても重要になります。

メンバー同士の情報の共有なしには、計画がどのように進捗しているかという事が曖昧になりスピードが遅れます。メンバーの行動をしっかりと把握できるシステムが構築されているかを検討しましょう。

PDCAを効果的に回すステップ8:優先順位の明確化

PDCAの実行には、成果が出やすい事柄を優先して優先順位を決める事が重要です。

優先順位には、成果がすぐに望めそうな事柄を始めに位置づけして進めるとよいでしょう。システムの再構築が必要など時間を費やす問題は成果を出すのに時間がかかります。

現行システムでもすぐに成果を出せる方法を起用するなど、新システムより成果度は小さくなることもありますが、それによって次の成果に繋がり成果の連鎖を作る事が大事です。

PDCAを効果的に回すステップ9:行動に移す

実行する際には、次へと繋げるデータを残しましょう。

PDCAを実行する際に重要な事は、計画どおりに物事が進んでいるかのデータを残しておくことです。例えば、何を購入し何に利用したのか、またコストはいくらでどれだけ利益が出たのか、またその時の販売した顧客の反応はどうだったかなど、次へと繋がるデータを残します。

詳細なデータは、次への評価に繋がりPDCAのサイクルを回すのに効果を発揮します。

Check

PDCAの「Check」評価は、実行から出た成果を検証する事です。

PDCAの評価は、実行されたものが、計画どおり進められたか成果の目標は達成しているかなど、データに基づいて検証して行きます。

PDCAを効果的に回すステップ10:達成率のチェック

PDCAの評価は、計画時点に作成された期限に基づいて達成率のチェックをしましょう。

計画に基づいて実行された作業が目標値に達成したかをデータで検証して行きます。その際、達成率の基準判断がメンバー全員で共有されている事が重要です。データから出た結果を、良かった点、悪かった点に分けて分析し、次に繋げていきます。

データは、総合的、客観的に判断されることが望まれます。

PDCAを効果的に回すステップ11:未達成の原因のチェック

未達成の原因のチェックをする際は、チームリーダーとメンバーが非難されるべきではありません。

PDCAのデータ評価を総合的、客観的に判断する際は、時として、チームリーダーとそのメンバーに未達成の責任を科してしまう場合があります。しかし、非難をする事にこの評価があるわけではありません。

評価は、業務量、成果、時間的制約などを見直して、次回のPDCAの検証につなげる事が重要になります。

Action

PDCAの「Action」改善は、次に繋げるステップを築く事です。

「Action」改善では、PDCAの評価で出た問題点について改善策を講じていく事です。計画の見直しも含めて、今後の方針を打ち出していく重要な要素になります。

PDCAを効果的に回すステップ12:改善策の検討

PDCAの改善は、この計画の見直しか修正か、または廃止も含めて検討し次のPDCAの計画に繋げていく事が重要です。

PDCAの「Action」改善は、成果が上がっている場合はそのまま継続すれば良いですが、成果が上がっていない場合は見直しが必要です。

軽度の場合は「計画の微調整」、中度の場合は「計画の修正」、重度の場合は「計画の全面見直し」など、計画のどの部分に立ち返るかを検討します。

PDCAを効果的に回すステップ13:改善策の優先順位決定

PDCAの「Action」改善は、計画に立ち返る際の優先順位を決める事から始めます。

PDCAの「Action」改善は、優先順位を決める事が重要です。例えば、営業職の場合は成果を上げるために、メンバーの教育プログラムと自己改善プログラム実地を盛り込むなどがあります。

具体例を挙げて、改善した事柄が次の成果にすぐ繋げられる事を念頭に、優先順位を計画に盛り込むと良いでしょう。

PDCAを効果的に回すステップ14:改善策の実行

PDCAの改善は、改善策の実行により新たなPDCAへとサイクルが繋がります。

PDCAの改善は、改善策の実行により新たなPDCAが生まれ、その成果を成し遂げるために、メンバーがまた全力を尽くします。そのようにPDCAサイクルを活用して、業務の内容を少しずつ変革していく事で成果を効率的に上げて行く事ができます。

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PDCAをまわすときの注意点

PDCAで、仕事をする際は5つの事柄に注意を払いながら進めて行くと良いでしょう。

PDCAのサイクルをまわす際に注意する事があります。その注意する点は5点ありますが、具体例を挙げながら見て行きましょう。

PDCAをまわす注意点1:計画にこだわりすぎない

始めの計画は、達成しやすい目標から立てる事が重要です。

「達成しやすい」とは、Pの計画部分に過度にこだわらないという事です。PDCAの目的は、そのサイクルを何度もまわす事によりサイクルの質が徐々に向上する事にあります。

綿密に計画を立てる事は、最初から目標値が上がり実行の難易度が増し検証部分も増える事などから、サイクルをまわせなくなる悪循環に陥ることになります。

PDCAをまわす注意点2:スピードの遅れ

PDCAの過剰な準備や調査、根まわしはスピードの遅れに繋がります。

日本企業は、PDCAサイクルをまわす速度が欧米や海外諸国に比べてかなり遅いと評判です。これには、日本企業独特の習慣があるのですが、事前に十分な検証を行い問題がないと判断された上で関係各所に根まわししてやっと計画をまわし始めます。

初めから、問題が発生しないと言う事を前提として始めますので、サイクルをまわすのに余計な時間がかかります。

PDCAをまわす注意点3:手順へのこだわリすぎ

日本人特有の思考概念が、手順へのこだわりを強くしています。

日本人はPDCAのルールを変える事ができません。それは、作業を決められた手順でまわすことにこだわりすぎる事です。

「何のために」と言う作業の本質を見失う事は、手順を踏むことで過度の時間を要し、ビジネス環境の変化に気付く事無く、気付いた時にはもう手遅れという事になりかねません。目的を見失うことなく臨機応変に柔軟な対応を見せる事も大切な要素です。

PDCAをまわす注意点4:モチベーションの低下

PDCAは、役割分担を適材適所で行う事でモチベーションの低下を防ぐことができます。

PDCAは、メンバーの役割分担によっては、効率が下がり生産性が上がらないと言う事が起こります。メンバーの苦手な仕事を「仕事だから」と強要するのでは、モチベーションの低下を招きます。

チームリーダーと各メンバーの意思疎通を普段から心がけ、メンバーの長所短所を活かした役割分担をする事が求められます。

PDCAをまわす注意点5:前例主義に陥らない

PDCAをまわす際には、前例主義は捨てましょう。

企業には、経験が物をいう事が往々にしてよくあります。しかし、PDCAにおいてはその経験が邪魔になる事があります。

新しい計画には、前例がない事を理由に受け入れられないという勢力が出てくる事があり、PDCAの結果から出てきた改善策を取ることができない場合があります。検証によって出された問題点にも平凡な改善策しか出されないのでは改革は進みません。

PDCAを上手く活用して業務を改善しよう

PDCAは、間違っていても問題ありません。

PDCAをまわす事は、たとえ、一つのPDCAに失敗したとしてもその検証から得られた分析結果を新たなPDCAに繋げる継続が重要です。その継続が、次の小さな成果に繋がりその積み重ねにより効率アップや売り上げ上昇に繋がる企業最速の改善サイクルです。

PDCAを効果的にまわす事は、小さな改革から大きな改革へと繋げられる第一歩です。

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