書類のデータ化に必要な作業10個|書類をデータ化できるスマホアプリ5つ

業務改善

書類のデータ化とは

最近、会社で社内の書類をデータにして共有したり、メールに添付して取引先に送ったりすることが一般的になっています。

政府は、書類で行われる業務をオンライン化する「電子政府」を推進しているので、これからの時代、これまで紙に印刷していた書類は、データ化が必要になります。

この記事では、書類をデータ化するための10の作業ステップと、手軽に書類をデータ化できる5つのスマホアプリについてご紹介しています。

書類のデータ化は計画的にやる必要がある

社内で計画的に書類をデータ化するメリットは5つあります。

1.文書の検索がで複数人での共有や編集がスピーディーに行える
2.資料のコピー代、ファイル代や保管スペース代、書類の処分にかかる費用を削減できる
3.アクセス権限の付与やデータの持ち出し不可設定などのセキュリティ管理がしやすい
4.紙やマイクロフィルムなど、媒体の経年劣化から情報を守ることができる
5.災害などでデータが破損することを防げる

書類のデータ化に必要な作業10個

書類のデータ化には、「自社で行う」方法と「外部委託先に任せる」方法があります。

自社でデータ化を行うと、時間と手間がかかり、本来の仕事ができなくなってしまうので、「委託する」という選択肢も考えられます。

ここでは、社内で書類のデータ化を10のステップに分けて解説していきます。

書類のデータ化に必要な作業1:データ化対象文書の絞り込み

書類には、すでにWordやPDF形式などで電子化されている文書と、これからデータ化する書類があります。

最初に、どの文書をデータ化するのか方針を決めます。現存する紙文書、電子文書の状況を把握して、管理するべき文書がどれなのかを明確にしましょう。

書類のデータ化に必要な作業2:全体数量の調査

キャビネットや書棚、デスク周辺などにある書類を対象に、物理的にどれだけの量があるのか計測しましょう。

管理状況は5つの視点で確認しましょう。

1.文書のサイズ
2.文書が作られた時期
3.文書の内容
4.保存年限
5.機密文書管理状況

データ化する文書と電子文書の整合性をとるため、現在ある電子文書も同じように調査します。

書類のデータ化に必要な作業3:用紙サイズの調査

文書が物理的にどれだけの量があるのか計測すると同時に、用紙サイズの調査も必要です。

1993年、厚生労働省からの通達で、ビジネス文書の用紙がA4判に統一されるまでは、B5判が用紙の基準だったので、古い文書はB5判であることが多いですが、電子化を機に国際標準サイズのA4に統一することをおすすめします。

書類のデータ化に必要な作業4:保管状態の調査

書類について「用紙サイズ」「ファイリングされている書類は背表紙が付いているのか」「いつの文書なのか」「保存年限内のものなのか」「機密文書は鍵のかかるキャビネットなどに保管されているか」を確認しましょう。

保管状態を調査すると、重要な書類とそうでない書類があることがわかります。

書類のデータ化に必要な作業5:データ化の仕様の決定

紙の文書の調査と同時に、WordやExcel、PDFなどの電子文書についても調査しましょう。

電子文書について確認するべきポイントを5つ挙げます。

・データ量
・ネーミングルールの有無(西暦と和暦が混在していると整理が煩雑になるので注意)
・保存フォルダー階層が適切か
・版管理・保管データの鮮度
・各文書へのアクセス権は適切か

データ化の仕様を決めると同時に管理ルールも見直しましょう。

書類のデータ化に必要な作業6:書類の重要度を決める

社内文書には「法定正式文書」と「非正式文書」に分かれ、それぞれの文書に「機密文書」と「非機密文書」がありますが、最も重要なのが会社組織の存続に関わる「バイタルレコード」です。

重要度が高い順に並べてみます。

1.バイタルレコード
2.正式文書かつ機密文書
3.正式文書だが非機密文書
4.非正式文書だが機密文書
5.非正式文書かつ非機密文書

書類のデータ化に必要な作業7:データ化の仕様を決める

書類のデータ化で統一するべきポイントを7つあげます。

・項目と内容
・原稿サイズ
・スキャンサイズ
・解像度
・スキャニングモード
・ファイル形式
・ページの扱い

原稿の文字や写真の扱いのルールを決め、OCR処理が必要な場合は、ソフト導入を検討します。

書類のデータ化に必要な作業8:書類の廃棄のタイミングを決める

キャビネットなどに保管した書類は、資産価値によって破棄のタイミングを変えます。

書類の破棄には3つのステップがあります。

1.社内行事の案内・お知らせなどの軽易な文書は適宜廃棄
2.前年度の文書は年度末に現年度の文書と差し替える時に、長期保管が不要なものを破棄
3.前年度の文書を保存年限別に箱へ収納し、倉庫へ移管、法律上保存期間を過ぎたものから廃棄

書類のデータ化に必要な作業9:文書の保管の仕組み化

スキャニングでデータ化した書類は、重要なものを保管、重要でないものは一定期間経過後、破棄しましょう。紙の文書の破棄は、自社でシュレッダーをかける方法と、業者に委託して融解処理する方法がありますが、いずれにしても廃棄のルールは必要です。

重要書類は、セキュリティと保管設備の整った外部倉庫で保管することをお勧めします。

書類のデータ化に必要な作業10:文書管理の年間スケジュールを決める

書類のデータ化を継続するために、文書管理の年間スケジュールを決めましょう。

2015年9月、「電子帳簿保存法」が改正され、一定の要件を満たせば、領収書や請求書などの書類が電子化・データ保存できることになったので、決算期とデータ化のスケジュールを組み合わせる方法もあります。

文書管理の責任者・事務局・部門推進者を選定し、役割と責任を明確にするとよいでしょう。

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書類をデータ化できるスマホアプリ5つ

ここでは簡単に書類をデータ化できる5つのスマホアプリについて解説します。

1.Google Drive
2.CamScanner
3.Genius Scan
4.Scannable
5.FineScanner

いずれも無料で試せるプランと、高機能な有料プランがありますから、いくつか試してみるのもよいでしょう。

書類をデータ化できるスマホアプリ1:Google Drive

Googleアカウントを持っている人なら誰でも利用できる「Google Drive」のOCRサービスが対応しているのはAndroidで、 iPhone や iPad などのiOSには未対応(2019年5月30日時点)です。

iOS版の「Google Drive」には、OCR機能が導入されていませんが、書類を撮影し、後で画像を別のデバイスからPDFファイルに変換すれば、書類をデータ化できます。

書類をデータ化できるスマホアプリ2:CamScanner

「CamScanner」は、データ化した書類を最大10人のメンバーと共有できます。

スキャンした書類をEvernote、GoogleDrive、Box、Dropbox、OneDriveにアップロードする時、画像の色をカラーやグレイスケール(白黒)に選択し、透かしを編集することができます。

書類をデータ化できるスマホアプリ3:Genius Scan

「Genius Scan」は、透かしなしでフル解像度の文書を無制限でデータ化できます。

写真の遠近歪み補正機能、ハンズフリースキャン機能のほかに、数十ページをすばやくスキャンできる「バッチモード」機能、複数のスキャンで複数ページのPDF文書を作成し、検索タグをつける機能などがあり、書類のデータ化がはかどります。

書類をデータ化できるスマホアプリ4:Scannable

「Scannable」はiPhoneやiPadなどのiOSに対応したアプリです。手軽にスキャンできて、画像やPDFファイルを自動的に「Evernote」に保存します。

取り込んだデータは「Evernote」への保存以外にも、カメラロールへの保存、「Dropbox」にアップロード、メール送信など、さまざまな処理が行えます。

書類をデータ化できるスマホアプリ5:FineScanner

「FineScanner」は193種類の言語の文書をOCRで認識します。ドキュメントファイルは、MS Office形式やPDF形式、テキストファイル形式など、12種類の形式から選択できます。

本の見開きページを2つの画像に分割し、欠陥を取り除き、曲がったテキスト行をまっすぐに修正するBookScan機能は(iOSのみ)が便利です。

社内の書類をデータ化して効率よく保管しましょう

この記事では「社内の書類をデータ化する」ことをテーマに必要な10のステップと、スマホで手軽に書類をデータ化する5つのスマホアプリについてご紹介しました。

「大変そう」というイメージが強い書類のデータ化ですが、きちんとステップをふめばデータ化は簡単です。これからはデジタルの時代ですから、みなさんも便利なツールを使いこなして、デジタル書類の管理に挑戦してください。

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