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2019年09月17日

バリューチェーンとは?メリット4つ|バリューチェーン分析活用事例3つ

「もっと事業を成長させるためには?」事業活動のプロセスの中で重要な役割を占めている機能、競争優位のある機能などが判明すると、今後強化すべき領域もみえてくるはず。マイケル・ポーターによって提唱されたバリューチェーン分析の方法や目的をご紹介します。

バリューチェーンとは?メリット4つ|バリューチェーン分析活用事例3つ

バリューチェーンとは

バリューチェーンとは、「会社はどうやって利益を生み出しているのか?どのように価値を付加しているのか?」といった仕組みを明らかにすることを目的としたフレームワークです。

アメリカの経済学者マイケル・ポーターが提唱したもので、材料の調達、製造、販売など一連の企業活動の各機能単位が生み出す価値を分析し、最大化するための考え方として用いられます。

日本語では「価値連鎖」といわれ、もともとは一企業における価値連鎖を分析することをさす言葉でしたが、経済の発展の結果、複数企業をまたがり、全体を包括しての価値の連鎖を意味するようになりました。

バリューチェーン分析を行う目的

バリューチェーン分析を行う目的は「事業における価値や利益を生み出す方法を明らかにする」ことです。

新しく事業を始めるときや、現在営んでいる事業の戦略を考えるとき、バリューチェーンのフレームワークを利用します。そして他社や他事業と比較し、「この機能はこうした方がいいな」「ここをこう変えればもっと儲かるかもしれない」といった分析を行います。

そうすることで自社の強みや弱み、競合の強みや弱みを理解し、改善へつなげることができます。

バリューチェーン分析を行うメリット4つ

経営戦略において、あらゆる企業がバリューチェーンによる分析を行っています。お客様のもとへ商品を届けるまでの一連の流れを正確に把握することで、たくさんの情報が得られるからです。

では、具体的にバリューチェーン分析を行うメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

バリューチェーン分析を行うメリット1:強みや弱みの洗い出しが行える

バリューチェーン分析を行うことで、各プロセスに付加された価値が明らかになり、競合他社や市場での成功要因と比較して、自社の強み、弱みを理解することができます。

自社のどのプロセスが市場において優位性があるかがわかり、会社として今後どの分野を育てていくべきかという経営のヒントになるでしょう。

バリューチェーン分析を行うメリット2:競合他社の予測が行える

バリューチェーン分析の対象を自社ではなく競合他社にすることで、競合他社が今後どのような戦略をとってくるかという予測を立てることができます。

スピード重視の業界では、動向の予測を立て競合他社より先に動きはじめることで事業を大きくリードできることもあるでしょう。

原材料の仕入れといった大本のプロセスから詳細に分析することで、構造的に儲かる業界なのかどうかといった業界全体の動向を確認することもできます。

バリューチェーン分析を行うメリット3:コスト削減ができる

各機能にかかっているコストを緻密に把握し、「かけるべきところに適切な費用をかけられているか」「コストを費やす必要のないところに余計な費用をかけていないか」などを分析します。

バリューチェーン分析によって得られた情報を元にリソース配分を見直すことで、コストの削減へと繋げることができるでしょう。

バリューチェーン分析を行うメリット4:利益の最大化を図ることができる

バリューチェーン分析により付加価値を増大させ、コストの削減を図ることで、利益の最大化を図ることができます。

周知のとおり、「利益」とは「売上―費用」です。「売上」を増やすために競争優位のある機能を強化し、「費用」を減らすためにリソース配分を見直すなど、分析結果を元に各方面から適切なアプローチを行うことにより、自社の「利益」を最大限に大きくすることができるでしょう。

バリューチェーン分析を行う際のステップ4つ

さて、これまではバリューチェーン分析によって何がもたらされるのか、どのような目的で行われるかを説明してきました。では実際にバリューチェーン分析を行うには、まずは何から始めればいいのでしょうか。

以下では、バリューチェーン分析を自社に当てはめて分析していく方法を、4つのステップから紹介していきます。

バリューチェーン分析を行う際のステップ1:内容をつかむ

まず自社のバリューチェーン、つまり「自社はどのような主活動と支援活動をしてお客様へ商品を届けているのか」ということを把握し、活動内容をリストアップしていきます。また、その際は活動内容を切り取って考えるのではなく、流れで把握することがポイントです。

業態によって定義が大きく異なるバリューチェーン。この作業は後の「コストの把握」や「強み、弱みの把握」の難易度を左右するため、はじめの段階でできるかぎり細かくセグメントしておきましょう。

バリューチェーン分析を行う際のステップ2:活動内容にかかるコストをつかむ

活動内容のリストアップや図式化を終えたら、各活動内容に対してかかっているコストを正確に把握していきます。活動内容名、担当部署名、年間コストを表にまとめ、全体を把握してから徐々に細かく区切っていくのもよいでしょう。

1つの部署が複数の事業に携わっている場合は活動比率によって人件費の按分をするなど、できるかぎり細かく洗い出しすることが大切です。算出には一定のルールを設けて、把握漏れや偏りがないようにしましょう。

この作業によって、無駄なコストの発生や、どの事業の費用対効果が高いのかを知ることができます。

バリューチェーン分析を行う際のステップ3:強みや弱みを分析する

コストの算出の後は、各事業や活動において、競合他社や成功事例と比較しどのような強みや弱みがあるのかを分析していきます。偏りのある分析となってしまわないよう、少人数ではなく大人数で実施するとよいでしょう。

主観的に考えるのではなく、あくまで客観的に冷静に分析していくことがポイント。また、実際に業務に携わっている人間とそうでない人間とで捉え方や考え方は異なってくるので、できるかぎり多くのポジションのメンバーに協力してもらえるとより理想的です。

バリューチェーン分析を行う際のステップ4:VRIO分析をする

最後にVRIO(ヴェリオ)による経営資源の競争優位性分析を行います。

VRIOとは、 Value(価値)/Rareness(希少性)/Imitability(模倣可能性)/Organization(組織)の頭文字を集めた単語で、経営資源を分析する際の4つの要素を表しています。

ここでは、バリューチェーン分析で把握した各活動の強みについて、VRIOの4つの観点から、5点満点で採点していきます。(例:◎=5 点、〇=3 点、△=1 点、×=0 点など)
採点結果を集計すると、自社がどの活動に強みを持っているのか、どの部分に改善の余地があるのかがみえてくるでしょう。

VRIOとは

  • Value(価値):企業にとって価値、利益があるものか
  • Rareness(希少性):希少性はあるか
  • Inimitability(模倣可能性):他社が真似することのできない工夫が施されているか
  • Organization(組織):その経営資源を生かす組織体制が構成されているか

バリューチェーン分析活用事例3つ

さて、ここまではバリューチェーン分析の方法について詳しく説明してきました。続いては、実際にバリューチェーン分析を用いた戦略を行い、成功を収めている企業をご紹介していきます。

バリューチェーン分析活用事例1:スターバックスコーヒー

スターバックスコーヒーは誰もが知っている人気コーヒーチェーン店で、おしゃれな雰囲気と季節感のある期間限定メニューで世界中のファンに支持されています。

スターバックスのバリューチェーンを分析すると、「こだわりのあるコーヒー豆の選定」「質の高いスタッフによるサービス」「居心地がよくおしゃれな内装」といった点で他社との優位性を図っていることがわかります。

中でもスターバックスでの購入活動で顧客が得られる安らぎや誇らしさは「スターバックス・エクスペリエンス」といわれ、他社が簡単に模倣できない付加価値によって人気を獲得し続けています。

バリューチェーン分析活用事例2:ユニクロ

ユニクロもまた言わずと知れた国民的アパレルチェーン店です。日本を代表するグローバル企業の一つでもあります。

ユニクロのバリューチェーンでは、「高品質なカジュアルウェア」「低価格化路線」「新たな商品開発(ヒートテックなど)」といった大きな価値をもっていることがわかります。

また、SPAモデルと呼ばれる商品企画・生産・物流・販売までを一貫して行う経営方法により、低コストを実現しています。

バリューチェーン分析活用事例3:オイシックス

オイシックスは、安全な食品だけを扱ったオンライン食品販売サイトの企業です。2008年にポーター賞(独自性がある戦略を実行し、業界において高い収益性を達成・維持している企業を表彰)を受賞しています。

オイシックスは、バリューチェーンの中で「安全な良質な食品の提供」「おいしさ」「顧客にとっての利便性」といった付加価値で差別化を図り、米国にもないような独自のビジネスモデルを実現。

オンライン販売のみという仕組みの一貫性も含め、多くの顧客から支持を得たサービスです。

バリューチェーンについて知り活用しよう

いかがでしたか?
バリューチェーンは自社ビジネスのさらなる発展に活用できる優れたフレームワークです。活動内容を洗い出しすることで全体にかかるコストや付加価値を把握し、差別化戦略を図ることができます。

また、対象を他社にして業界全体のバリューチェーン分析をすることで、業界や市場からみて自社がどのように優位に立てているか、今後どのような施策を打ち出していくかといった現状の把握にも役立てることができます。

自社に当てはめてしっかりと活用することで、経営のヒントが得られるでしょう。

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