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2019年10月02日

コアコンピタンスとは?コアコンピタンスを評価する5つの視点をご紹介!

ビジネスの世界にはコアコンピタンスという言葉があります。「自社の中核となる強み」を差す言葉ですが、一体どのような基準や視点でコアコンピタンスを確立させていけばいいのでしょうか?この記事では、確立に必要な視点から実際の事例に至るまで、わかりやすく解説しています。

コアコンピタンスとは?コアコンピタンスを評価する5つの視点をご紹介!

コアコンピタンスとは?

コアコンピタンスとは、企業が持つさまざまな技術や能力のうち、他社にはない「自社の中核となる強み」の事です。この言葉は1990年、G.ハメルとC.K.プラハラードが「Harvard Business Review」に載せた「The Core Competence of the Corporation」の中で提唱され、のちに「コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略」という本にもなり、世界で注目を集めました。

コアコンピタンスの条件3つ

G.ハメルとC.K.プラハラードは「経営の中核となる強み」であるコアコンピタンスの条件を、利益の有無、スキルと技術力、汎用性の3つであると定義づけました。明確に定義づけられているので、何か「これは自社の強みだ」と思う特性があったとしても、それがこの3つの条件をすべて満たしていなかったなら、それはコアコンピタンスとは呼ぶことができません。

これら3つの条件について、説明していきます。

コアコンピタンスの条件1:利益の有無

1つ目のコアコンピタンスの条件は、利益の有無です。ここでいう利益とは、自社の利益だけのことではありません。自社だけでなく顧客にとっても何らかの利益を感じられるものであることが重要なポイントです。

優れた戦略によって一時的にたくさんの商品やサービスが売れたとしても、顧客側が利益感を感じなければその商品やサービスは過酷な市場の中で淘汰されてしまいます。まずはwin-winであることが大前提です。

コアコンピタンスの条件2:競合相手が真似をできないスキルと技術力

2つ目のコアコンピタンスの条件は、競合相手が真似をできないスキルと技術力です。どんなに素晴らしい技術でも、その技術が他社にも真似ができるようであれば、似たようなサービスが生まれていき、市場での優位性はすぐに失われてしまいます。その技術が素晴らしいものであればあるほどこの流れには即時性があります。

市場における優位性を守りたいのなら、そのスキルと技術力は他社が真似できないものである必要があります。

コアコンピタンスの条件3:汎用性

3つ目のコアコンピタンスの条件は、汎用性です。他社には絶対に真似ができないスキルや技術があったとしても、それが1つのサービスや製品にしか使えないものだった場合、その商品の需要が無くなってしまった時そのスキルや技術も使いどころが無くなってしまいます。

なので、長期的に安定して競争優位性を持つためには、複数の市場やあらゆる商品に応用できる、汎用性のあるスキルや技術である必要があります。

コアコンピタンスを評価する5つの視点

コアコンピタンスの質を評価する上で、希少性、耐久性、模倣可能性、代替可能性、移動可能性という重要な5つの視点があります。この5つの視点から、「その強みが企業を支える中核となりうるのか」を判定することができます。

1つ1つの視点と自社のスキルを照らし合わせて分析していった結果、それがすべての視点をクリアしていたならば、それは究極のコアコンピタンスであるといえるでしょう。

コアコンピタンスを評価する視点1:希少性

希少性は、「自社の強みが他にはない希少価値のあるものかどうか」という視点です。希少性が高ければ、自社の技術やサービスは他社から真似をされづらく、何か別のもので置き換えられる可能性も低くなります。

しかし、どれだけ他の視点をクリアしていたとしても、希少性が低ければその技術やサービスは容易に真似されたり置き換えられるということです。なので希少性は、高ければ高いほど自社にとっての大きな強みになります。

コアコンピタンスを評価する視点2:耐久性

耐久性は「自社の強みが短期間で消滅せず、長期にわたって競争優位性を保たせるものなのか」という視点です。商品やサービスが一度市場でヒットしたとしても、耐久性が低ければすぐに勢いを失ってしまいます。

なので「この強みはどれほどの耐久性があるものなのか?」と考えることは重要です。目先の利益ではなく「強みとして存在し続けることができるか」です。
耐久性が高ければ高いほど、コアコンピタンスの質は保証されます。

コアコンピタンスを評価する視点3:模倣可能性

模倣可能性は「自社の強みが他社にも真似ができるものなのかどうか」という視点です。これは低ければ低いほど自社の強みになり、模倣ができないということは希少であるということなので、上記の希少性とも下記の代替可能性とも繋がっています。

他社が簡単に真似できてしまうものなら、それはコアコンピタンスとは言えません。他社が真似することのできないオリジナリティのある強みこそが模倣可能性の低い強みであると言えます。

コアコンピタンスを評価する視点4:代替可能性

代替可能性は「自社の強みが他のもので置き換えられないものであるか」という視点です。代替ができないということは、希少性が高く、真似も中々できないため模倣可能性も低いということになります。何か別のもので代替がきいてしまうなら、顧客はより低コストな方向に流れていってしまいます。

代替可能性の低いオリジナリティのあるコアコンピタンスを持った企業は、その分野において独占的なシェアを獲得できます。

コアコンピタンスを評価する視点5:移動可能性

移動可能性は「1種類の製品やサービスではなく、他の多くの分野にも柔軟に応用できるかどうか」という視点です。
1つの種類に特化しているというとそれは美談になりますが、その1つの種類のものの需要がなくなった場合のリスクが常に付きまとう事になります。

移動可能性が高ければ高いほどそれは汎用性のある強みということになるため、自社の持つ技術を幅広くさまざまな製品やサービスに応用することが可能になります。

コアコンピタンスを取り入れた企業事例3例

ここまで、コアコンピタンスとは一体何かというところから、コアコンピタンスの3つの条件と、コアコンピタンスの評価のための5つの視点を紹介していきました。

それを踏まえた上で、ここからは実際にコアコンピタンスを取り入れ、確立させていった企業の例として、ホンダ、富士フィルム、ソニーのという3つの企業の事例を挙げていきます。

コアコンピタンスを取り入れた企業事例1:ホンダ

1970年、米国でマスキー法という排気ガスを規制する法律が施行され、定められた規制をクリアした車でなければ米国で販売することができなくなりました。そんな中、ホンダは世界で初めて規制をクリアしたエンジンを開発し、世界を圧倒させました。

その後ホンダはその高いエンジン技術を応用し、オートバイや除雪機などの幅広い製品を開発していき、高くて汎用性のあるエンジン技術というコアコンピタンスを確立していきました。

コアコンピタンスを取り入れた企業事例2:富士フィルム

カメラフィルム製造において多くのシェアを獲得していた富士フィルムですが、デジタルカメラの普及により売り上げが減少した時期がありました。そんな中、富士フィルムが力を入れたのがヘルスケア事業です。富士フィルムは、自社が持つ精密技術を応用し高品質なコラーゲンを作り出し、美容、医療の業界に参入していきました。

一見違う技術のように見えても、その根本には高い精密技術というコアコンピタンスが存在しています。

コアコンピタンスを取り入れた企業事例3:ソニー

ソニーは1950年に日本初のテープレコーダー「G型」を開発しましたが、本体は大きく重量は40kg。値段も高価で思うように売り上げは伸びませんでした。しかしソニーはその後、製品の小型化に力を入れ始め、1979年にカセットプレイヤー「ウォークマン」を発売し爆発的なヒットを生みました。

このソニーの技術は、のちに幅広い製品の小型化に応用され、高い小型化技術というコアコンピタンスを確立していきました。

コアコンピタンスとケイパビリティとの関係

コアコンピタンスとよく似た言葉に、”ケイパビリティ”があります。どちらも「能力」や「強み」という意味があり、何かと混同されることが多いですが、ケイパビリティの提唱者であるジョージ・ストーク、フィリップ・エバンス、ローレンス・E・シュルマンの3人は「コアコンピタンスとケイパビリティは違う」という説明をしています。

では、この2つの言葉には、一体どのような違いがあるのでしょうか?

コアコンピタンスはケイパビリティから構成される

ケイパビリティとは、企業が全体として持つ組織的な強みのことです。そして、ケイパビリティの中でコアコンピタンスの3つの条件を満たした自社の中核になる強みがコアコンピタンスです。ケイパビリティにはコアコンピタンスのような具体的評価基準がないんです。

つまり、ケイパビリティはコアコンピタンスと比べてより幅広い概念で、ケイパビリティ(強み)の中にコアコンピタンス(中核となる強み)があるということになります。

コアコンピタンスを経営に取り入れるためのコツ2つ

コアコンピタンスを取り入れた企業の成功例はたくさんありますが、そこには並ならぬ努力も常に共にありました。コアコンピタンスについて、必要なコツを把握しておくことができればその取り入れもしやすくなります。

ここでは、コアコンピタンスを経営に取り入れるためののコツを2つ挙げていきます。

コアコンピタンスを経営に取り入れるためのコツ1:ビジョンをしっかり持つ

ホンダ、富士フィルム、ソニーの3社の例で見てきたように、コアコンピタンスは思い立って即座に確立できるものではありません。それを踏まえた上で、長期的なビジョンをしっかりと持つ必要があります。

そして、会社のビジョンのもとになるものが経営理念です。「思い」や「価値観」「存在意義」など、自社の理念を具体化し、ビジョンとしてしっかり定めることができれば、コアコンピタンスを形成しやすくなります。

コアコンピタンスを経営に取り入れるためのコツ2:コアコンピタンスを確立する

コアコンピタンスは、必ずしも精密技術や小型化技術のようにビジネスに直結するものでなくてもかまいません。例えば、日本マクドナルドが発表しているコアコンピタンスは「食べて楽しめる最高のレストラン (Best place to eat and joy)」です。

社内の団結力、交友範囲の広さ、共通の価値観など、他社よりも明らかに優れていると思われるものを見つけ、3つの条件を元に分析し、コアコンピタンスを確立しましょう。

コアコンピタンスを確立しよう

業歴100年以上の老舗企業や、世界から認められる有数企業は、その中核となるコアコンピタンスをひたすらに磨き上げてきた企業であるとも言えます。そして、コアコンピタンスによって市場の変化への対応や、更なる新市場への参入も可能となります。

ぜひあなたの企業でも、事業の中核となる強みを見つけ出し、コアコンピタンスとして磨き上げて、あなたの企業のビジネスを大いに成長させてください。

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