オープンイノベーションが必要とされる背景4つ|オープンイノベーションの課題

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オープンイノベーションとは

オープンイノベーションとは、社外から新たな技術やアイデアを募集して集約し、新しい視点や技術を用いて商品やサービスなどを開発する手法です。

外部に向けて開かれた技術革新のことを指しますが、革新の内容は技術だけに留まらず、アイデアや仕組み、習慣など、極めて広い概念も含まれます。

ビジネスにおけるオープンイノベーションは、企業が研究や開発を行う際に選択される経営戦略のうちの一つとして数えられます。

オープンイノベーションの定義

オープンイノベーションは、2000年代にアメリカで提唱されたイノベーションに関係する概念の一つで、学術機関と産業界の間でアイデアや技術、人材の流動性を高める手法として定義されました。

オープンイノベーションの目的は、市場機会を増やすことです。積極的にアイデアや技術などの資源を流動させ、新たな市場機会を増やすことが、オープンイノベーションの定義とされます。

クローズドイノベーションとの違い

クローズドイノベーションは、自社の技術や研究のみで、画期的な商品やサービスを生み出す手法です。

日本が世界を牽引したクローズドイノベーションは、「ブラックボックス化戦略」とも言われます。知的財産管理を優先して、徹底的に自社技術を保護し、既存の取引先のみに販売することをクローズドイノベーションと呼びます。

オープンイノベーションの対義語に据えられている経営手法です。

オープンイノベーションが注目される理由

オープンイノベーションは、自社あるいは同業種の中では発見されにくいニーズを掘り起こすことを可能にします。

厳しい競争世界に対応するためには、従来の自前式では研究開発が追いつきません。社会の仕組みや枠組みの変化に伴って多種多様化するニーズに対応するため、新しい視点から商品やサービスを開発することが求められます。

新たな価値観の創出や研究課題などの発掘に、オープンイノベーションは役立っています。

オープンイノベーションが必要とされる背景4つ

オープンイノベーションが必要とされる背景として、まず考えられるのは、商品の消費の速さでしょう。商品やサービスの消費が早く、生き延びるサイクルが短くなっています。

また、顧客のニーズも多様化しているため、高度で複雑なニーズに対応することも必要です。そのため、今まで自社だけで賄ってきた技術やアイデアだけでは、対応しきれなくなっていると言えます。

オープンイノベーションが必要とされる背景1:開発スピードの加速化

激しく流れる市場では、消費者のニーズが多様化し、製品のライフサイクルは短くなっています。そのため、確固たる優位性を作り上げる前に製品のライフサイクルが終わり、新たな製品を作り出す必要性が出てきます。

企業は迅速な研究や製品開発を推し進めなければなりません。従来の自前式ではその速さについていくことができないため、短期間で新たなアイディアや技術が得られるオープンイノベーションが求められます。

オープンイノベーションが必要とされる背景2:開発すべきことの多様化

価値観やライフスタイルの多様化は、ニーズの高度化と多様化に結びついています。さまざまな価値観から生み出されるニーズに対応するには、価値観が固まってしまうクローズドイノベーションでは対応することができません。

外部から新しい技術やアイデアを取り入れることにより、自前式では得られなかった、新たな着眼点や独創的なビジネスモデルなどを得られます。

オープンイノベーションが必要とされる背景3:資金がベンチャー企業に投入されるようになった

革新的なアイデアや技術をもとに独創的なビジネスモデルを生み出すベンチャー企業は、オープンイノベーションの原動力として注目されています。

ベンチャー企業との連携は、研究開発のスピードアップだけでなく、新しいマーケットの創出や将来の新事業の創出の強力な手段とされています。

ベンチャー企業への資金投入は、経済全体の成長や活性化にも寄与しており、経済成長に重要な役割に担っていると認識されています。

オープンイノベーションが必要とされる背景4:目標を高いレベルに設定している

新技術を開発し、新たな市場価値を創出することは、オープンイノベーションの目的でもあります。

そのため、経済の活性化や世界に先駆けた新しい価値観を広げるなどといった高い目標が設定されていることも、オープンイノベーションが必要とされる背景の一つです。

現在、日本を取り巻く経済状況は新しい局面を迎えており、オープンイノベーションを通じて、新たな価値を創造し、世界をリードしていくことが必要です。

日本企業のオープンイノベーションの現状

日本の経済成長は、クローズドイノベーションによってもたらされていたことから、クローズドイノベーションでの成功体験が今も根強く残っています。

そのため、経済産業省の調査にも、オープンイノベーションを意識しつつも自社主義が強いという傾向が見られます。

最近では、IT・通信業界を中心に、オープンイノベーションは徐々に広がりをみせ、多くの企業が注目しています。

オープンイノベーション活動を実施する割合

経済産業省では、民間企業を対象にしたアンケートで「オープンイノベーションを実施したか」という調査を行いました。

その結果、「実施していない」が53%、「実施していて現在も継続している」が43%という結果になり、実施しない理由としては「実施が難しい」というもので、主にマネジメントが大きな負担になっています。

しかし、オープンイノベーションの取り組みは活発化していて、今後も増えることが予想されます。

大手企業における外部連携の状況

大企業でのオープンイノベーションは徐々に増加しています。大企業での外部連携は、大学などの学術機関と同じく、大企業同士での連携が多く見られます。国外企業との連携は、国内企業と比べると低い割合です。

今後の外部連携先に挙げられるのは、ベンチャー企業です。さらに、今後連携したいという企業は50%を超えています。

経済産業省もオープンイノベーションを推進しているという背景もあり、今後ますます普及するでしょう。

オープンイノベーションの課題

知的財産管理を徹底して行ってきた日本では、アイデアや技術の流出に対して強い危機感があり、どこまでの情報を開示するのかが大きな課題となっています。

また、自社の開発力の衰退リスクや収益の配分方法など解決すべき問題も多くあります。

最も大きな弊害は、オープンイノベーションの本質を理解せず、いわゆる「オープンイノベーションごっこ」になってしまいがちな経営陣の考え方です。

必要か不要かではなく「どうやるか」

「オープンイノベーションを行うこと」が目的になり、オープンイノベーションで何をしたいのかがわからないという企業もあります。

どんな課題をクリアしたいのか、将来の展望をどのようにしたいのか、その方法を模索する方法の一つがオープンイノベーションです。

明確な理由と目標を設定し、それを解決するための手段としてオープンイノベーションを利用することが重要です。

経営計画の立案方法の模索

オープンイノベーションは、もはや必要か不必要かの議論からは脱却し、オープンイノベーションをどう経営戦略に盛り込んでいくかが課題として議論になっています。

外部から獲得する経営資源と、外部で活用すべき経営資源を十分に把握し、双方が互いに目的や課題を解決するための経営計画を行うことが必須です。

また、自社の経営資源が活用できる相手であるかどうかの見極めも非常に重要になります。

投資回収の具体的な方針

ベンチャーとのオープンイノベーションは短期間で成果を得るのは極めて難しいです。

オープンイノベーションを実施するにあたり、投資の回収には長期間かかると考える必要があります。しかし、2〜3年で利益がでないと、手を引いたり、撤退してしまうといった短絡的な行動をする企業も目立ちます。

投資回収の具体的な方針を決めること、中長期での長い視点を持つこと、そして経営陣の深い理解が必要です。

オープンイノベーションを成功させよう

企業が研究開発を行う際に、経営戦略の一つとして挙げられるオープンイノベーションは、現在の激化する経済競争において、早急に取り入れるべき手法です。

外部からのアイデアや技術をただ取り入れるのではなく、連携する双方にメリットのある、対等でWIN-WINな関係を築くことを大前提として行うことが重要です。

固定しがちな企業の価値観に風穴をあける意味でも、オープンイノベーションは有効な手段といえるでしょう。

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