KFSとは|KFSの見つけ方ポイント3つとKFSの事例を紹介

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KFSとは

あなたは、”KFS”という単語をご存知でしょうか。

KFSとは、Key Factor for Success (キー・ファクター・フォー・サクセス)の略語で、企業の目標達成のために、最も力を入れて取り組むべき活動や課題のことを言います。事業を成功させるために一番重要なキーとなる要因のことです。

サッカーで例えるならば、ゴールする上で最も重要な作戦。最も重大なプレイ。それがKFSです。

KSFとの違い

KFSと似たような言葉で、KSFというのがあります。

KSFとは、Key Success Factor (キー・サクセス・ファクター)の略語で、KFSと意味は同じです。事業を成功させるために一番重要なキーとなる要因です。

KFSの必要性

KFSは、経営戦略を立てる上での第一歩で、必ず押さえていなければいけません。企業を成功へと導くKFSを理解して抽出できれば、成功を手にする可能性は非常に高まります。

KFSの見つけ方ポイント3つ

KFSの見つけ方にはポイントがあります。分析するにもいろいろな手法があります。その分析した結果からKFSを抽出するための重要なポイントです。ここでは主に3つのポイントをご紹介します。

KFSの見つけ方ポイント1:ファクトベースで考える

ファクトベースとは、「事実に基づく」という意味です。一貫した考え方の土台になります。一つの問題について論理的に考えたとしても、それが事実に基づいて考えた結果、引き出された結論でなければ、解決策として意味のないものになってしまします。

事実をもとにKFSを抽出するのに必要なことは、分析した情報は事実なのかどうかを見極めることです。特に2次情報の場合は、情報元の信頼性について確認しないといけません。

KFSの見つけ方ポイント2:構造的にとらえる

KFSを抽出する場合には、広い範囲の中の情報ですので、情報量が多くなります。それを整理しただけだとしたら、把握することは非常に難しくなります。全体を構造的に捉えることが必要です。

SWOT分析や3C分析などで、大まかに構造化された状態から理解するためには、1つだけでなくいろいろな分析方法を使用することが大切でしょう。また、それぞれの関係性に注目して、体系的に捉えることが大切です。

KFSの見つけ方ポイント3:繰り返し問う

分析の結果から上げられた中から、KFSを抽出するために絞り込みます。そして、それが本当にKFSになるのか繰り返し問うことが重要になります。その時に役立つ手法が「so what?」「Why so?」です。

だから何?(so what?)で、根拠となる事柄に対して、問いかけた答えが成功要因であるか検証します。

それはなぜ?(Why so?)で、成功要因に対して問いかけた答えが根拠となる事柄であるか検証します。

KFSの事例

KFSを抽出するには、事業特性分析が必要です。事業特性分析がKFS分析の基礎となります。特定の事業、あるいは業界・企業に特有の特徴があり、戦略的に意味を持つ特徴のことを事業特性と言います。

KFSを明確に設定すれば、他社との差別化・他社への優位性を構築することができます。それが、事業の成功だけでなく、企業活動の発展にもつながるわけです。

ここでは、2つの実例をご紹介します。

KFSの事例1:携帯電話会社

以前、携帯電話が0円で売られていました。番号ポータビリティー制度でなかった背景があり、消費者は余程なことが無い限り、他の会社に乗り換えることはありませんでした。

そこで、早く消費者を取り込んだ方が得と考え、0円で販売しました。損失は通信料金で取り戻せると判断しました。

そして「早い消費者の獲得競争の事業」が「成長期には事業展開のスピードを上げる」というKFSにつながり、業績が拡大していくわけなんです。

KFSの事例2:紙おむつ

赤ちゃんが毎日使用するのが「紙おむつ」です。おまけに使い捨ての消耗品です。また、購買層のほとんどが、収入の低い若者夫婦です。したがって、品質に大きな差がなければ、安いほうを求めることは明確です。

そこに目を付けたメーカーが「低価格こそが紙おむつ事業の成功の決めて。つまりKFSである」と気づき、今まで紙おむつ業界ではシェアの低かったあるメーカーが、一気にシェアを伸ばしたという実例があります。

KFSの関連用語

KFSと関連して、KGI・KPI・KBF・CSFという単語があります。マーケティングは欠かせない単語です。ここでは各単語の意味と関連性についてご紹介しましょう。

KGI

KGIとは、Key Goal indicator (キー・ゴール・インディケーター)の略語です。「重要目標達成指標」と訳され、売上額であったり利益額など最終的な数値目標が、どの程度達成されたのかを測る指標のことです。

KGIを定めるときには、本当にその目標がKGIとして適正があるのかを、十分に話し合う必要があります。

KPI

KPIとは、Key Performance indicator (キー・パフォーマンス・インディケーター)の略語です。「重要業績評価指標」と訳され、例えば訪問件数や提案件数など重要なプロセスが、目標に対してどのくらい影響しているのか、進捗率の程度をはかる指数のことです。

最終的な目標を細分化した中間的な目標を示しています。

KBF

KBFとは、Key Buying Factor (キー・バイイング・ファクター)の略語です。「重要購買決定要因」と訳され、顧客が製品やサービスを購入する上で、重要となる要因です。KFSを考える上で、1要素ではあるものの、非常に重要なヒントになることが多いです。

顧客は誰なのか。その顧客は何を求めているのか。常に顧客目線でアプローチを行うことがポイントになります。

CSF

CSFとは、Critical Success Factor (クリティカル・サクセス・ファクター)の略語です。「重要成功要因」と訳され、KFSと同じような意味で使われます。

目標達成のために決定的に重要となる要因のこと。また、目標達成のために最も力を入れて取り組むべき活動や課題のことです。

KFSを理解して成功のカギを握ろう

KFSは常に維持・持続させることが大切です。業界・業種ごとにある程度確立されているKFSがありまし、事業によっては明らかでない場合もあります。

同じ製品でもKFSが異なったり、環境で左右されたり、KFSへの集中度の差が業績の差になります。

その業界で競争に勝てるのかどうかは、KFSがポイントになります。そして、企業が存続していくためには、KFSの変化に対応していくことが重要となります。

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