ジャストインタイムとは?目的3つ|メリット4つとデメリット3つ

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ジャストインタイムとは

製造業に携わっていらっしゃる方には馴染み深い”ジャストインタイム”という言葉をご存知でしょうか。この言葉を語る上で、日本の代表的な企業の1つであるトヨタ自動車を抜きにはできません。

このジャストインタイムを徹底したからこそ、現在のトヨタ自動車の繁栄があるとも言われている、製造業ビジネス界ではお手本となる生産方式になります。そのようなジャストインタイムについて、ご紹介していきます。

ジャストインタイムの意味

ジャストインタイムとは、「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」という意味が込められています。英語を直訳した時間どおりとは少し違うニュアンスがこめられています。

この考え方は、無駄を徹底的に排除するというシンプルなものですが、実際の業務に当てはめると緻密な計算があってこそのものになります。

ジャストインタイムの目的3つ

このジャストインタイムをなぜ導入するのでしょうか。そのジャストインタイムを導入する目的を3つご紹介していきます。目的を理解することで、ジャストインタイムがより具体的にイメージしやすくなります。

その3つである、生産性を高める、リードタイムを短縮する、売れるタイミングで生産するを見てみましょう。

ジャストインタイムの目的1:生産性を高める

ジャストインタイムの目的は、導入することで生産性が高まることにあります。トヨタ自動車が導入したことによる生産性がアップしたというエビデンスがあったとしても、必ずしもどの企業にも通用するわけではありません。

ジャストインタイムを導入したことで安心せず、導入前後の生産性を確認しましょう。生産体制が改善され、よりよい状況と変わってきているかの検証を絶えず行いましょう。

ジャストインタイムの目的2:リードタイムを短縮する

生産業界などでは、工程の始まりから終わりまでの所用時間をリードタイムと言います。このリードタイムが短縮されることこそ、ジャストインタイムの目的として最たるものになります。

リードタイムの短縮は、需要に対する欠品を減らしたり、不良在庫としての廃棄による無駄を減少させたりする効果があります。また、工程中では、不良品に早く気づけられるということにもつながります。

ジャストインタイムの目的3:売れるタイミングで生産する

ジャストインタイムの目的3つ目は、売れるタイミングで生産することで、正にジャストインタイムなのですが、これは、先ほどのリードタイムの短縮と大きく関係します。

売れるタイミングで生産することは、不良在庫を持たないことになりますので、倉庫スペースの縮小にもつながり、明確な発注による作業のため、勤務者にとっても目標がわかりやすく、業務に対するモチベーションアップにもつながります。

ジャストインタイムのメリット4つ

それでは、ジャストインタイムの目的が理解できたところで、実際にジャストインタイムを導入すると、どのようなメリットがあるのかを、4つご紹介していきます。

問題点を見える化できる、在庫量をミニマム化できる、問題改善ができる、在庫管理費用の削減ができるというメリットを踏まえた上で、自企業に有効なのかどうかで導入を決定しましょう。

ジャストインタイムのメリット1:問題点を見える化できる

製造において、問題が発生するとラインがス有数し、ラインがス有数すると製造ができなくなります。その問題が発生した際に、何が問題であるのかが明確ではないまま、作業を再開しても同じ問題が発生することになります。

この問題点を見える化できることが、ジャストインタイム導入のメリットの1つであり、ラインが止まったら必ず問題を解決してから再開することを徹底します。

ジャストインタイムのメリット2:在庫量をミニマム化できる

必要なものを必要なときに必要なだけ、製造しますので、ジャストインタイムの導入は、在庫量を最小にすることが可能となり、大きなメリットとなります。

発注を受けてから発注された個数のみ製造することが可能になれば、完成後は発注先へ即納入できますので、在庫しておくという考えにはなりません。

ジャストインタイムのメリット3:問題改善ができる

ジャストインタイムは、作業工程が最善になるよう、常に進化していくことが求められますので、問題を問題しておかず、絶えず問題改善をしていくことがメリットになります。

問題点の見える化によるスタッフの問題意識の強化、そして、その問題を解決していくという強い意思を持つことは、職場全体の向上につながります。

ジャストインタイムのメリット4:在庫管理費用の削減ができる

在庫量がミニマム化されることは、その在庫を管理する労力がいらなくなります。在庫量の増加は、その完成物の受け入れや払い出しを管理することや不良在庫にしないための施策が必要になるなど労力を要します。

この在庫を管理するためには労力がかかるということは、その労力に対する費用がかかることになります。在庫管理労力の削減は、費用削減につながることがジャストインタイムのメリットと言えます。

ジャストインタイムのデメリット3つ

ジャストインタイムによるデメリットもあります。ここからは、部品切れのリスクがある、規模によるコストダウンが困難である、下請け企業の負担が増えるというデメリットを理解し、メリットと照らし合わせて、最終的な導入を決定しましょう。

ジャストインタイムのデメリット1:部品切れのリスクがある

ジャストインタイムのデメリットの1つに、部品切れのリスクがあります。これは、必要なものを必要なときに必要なだけということは、製造過程における材料に対しても求められるからです。

そのため、工程途中の過程で欠品が起きると、当然、その後の工程がス有数してしまいます。このため発注依頼に対する適切な材料準備が必要となります。

ジャストインタイムのデメリット2:規模によるコストダウンが困難

通常、購入の費用を抑えようとした場合には、同じものを大量に購入することで購入費用を安くする手法をとります。しかし、ジャストインタイムでは、この手法が使えません。

この大量仕入れによる購入ができないことにより、材料購入費用が必然的に高くなる可能性があり、購入規模によるコストダウンが困難な状況が生まれます。これは、ジャストインタイムを導入したデメリットと言えます。

ジャストインタイムのデメリット3:下請け企業の負担が増える

ジャストインタイムを導入した場合には生産を平準化することが前提となります。この平準化には、それぞれの工程で使用される材料を必要なものを必要なときに必要なだけ準備しなければなりません。

このことは、材料を供給する下請け企業が対応できなければならなくなり、親企業の要求に対する下請け企業の負担が増えることを意味します。これが、ジャストインタイムを導入したデメリットになります。

ジャストインタイム導入が向かない企業の特徴

製造業を中心にジャストインタイムを導入する効果が期待されていますが、すべての企業にジャストインタイムの導入により成果があがるとは限りません。メリットとデメリットを総合的に考慮した場合に、ジャストインタイム導入が向いていない企業があります。

ここからは、そのジャストインタイム導入が向かない企業の特徴をご紹介していきます。

ルーチンが少ない

ジャストインタイム導入が向かない企業の特徴に1つに、ルーチンが少ない企業があげられます。受注発注のようなスタイルをとっている企業は、そもそもがその都度使用する材料が違ったり、工程が違ったりしますので、このような状態ではジャストインタイムの効果は得られません。

ほとんどの工程を機械で行う

もう一つのジャストインタイムが向かない企業の特徴に、工程のほとんどが機械化されていることがあげられます。機械がミスをしないということは決してありませせんが、ブレ幅が小さいことが特徴です。

そのため、ある程度の必要材料が定められていますので、改めてジャストインタイムを導入しても成果が薄い可能性があります。

ジャストインタイムの導入は慎重に検討しよう

以上、ジャストインタイムについてご紹介しました。これからジャストインタイムの導入を検討していく場合には、メリットとばかりに注目せず、デメリットをよく理解した上で、総合的に慎重に判断しましょう。

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