選択と集中のメリット3つとデメリット3つ|選択と集中の3事例と注意点

業務改善

選択と集中とは

選択と集中とは企業などが、多岐に渡る事業内容の中で、自社の強みや、市場の中で優位に立てる事業を見極め、その分野に力を注ぎ込み、結果を出していく手法です。この手法は、日本では1990年代半ばごろから注目を集め始めました。

選択と集中により、確かに成功を収めた企業もあります。逆に、この選択と集中により、事業が失敗に終わった企業もあります。選択と集中にのメリット、デメリットについて解説します。

ピータードラッガーの名言

選択と集中という言葉を提唱したのは、経営学者ピータードラッカーです。経営者でこの名前を知らない人はいないはずでしょう。それほど有名な経営学者になります。ピータードラッカーは「生産的でなくなった過去のものは捨てよ」と言っています。

今までよかった事業であっても、時代と共に変化するならば、思い切って捨てろ、ということです。一つの成功事例にとらわれ過ぎていては、変化の激しい時代に企業は生き残れません。

選択と集中のメリット3つ

多くの企業が取り入れている選択と集中ですが、この選択と集中には、どのようなメリットがあるのでしょうか。企業によっては、この選択と集中を実践することで、大きな成功を収めています。つまり、選択と集中は、優れた経営戦略です。この選択と集中のメリットについて、一つずつ見ていきましょう。

選択と集中のメリット1:コストの削減

選択と集中のメリットとして、コストの削減が挙げられます。限りある経営資源を、多くの事業に費やすよりも、選択した事業に資源投資ができれば、コストの大幅削減が見込まれます。そして、その事業が成功すれば、大きなリターンが期待できますので、この点においては、選択と集中は企業に大きなメリットを与えてくれます。

また選択と集中は、選択した事業に専念するため、時間的コストも短縮可能であり、強み分野に特化できます。

選択と集中のメリット2:事業価値の最大化

選択と集中により、事業価値の最大化というメリットがあります。事業価値とは、企業資源投入を行なっている事業が成功することにより、得られるリターンのことです。多くの事業に企業が資源投資を行なっている場合、当たる事業と当たらない事業で、利益がトントンになることもあります。

しかし、選択と集中で事業を絞り、その事業が当たれば、大きな利益が企業にもたらされます。

選択と集中のメリット3:イノベーションにつながる

選択と集中は、イノベーションの創出に繋がるというメリットがあります。事業を絞り、その事業で企業が戦う際には、市場で優位に立つ方法を考えます。選択と集中で事業を絞っている場合、絞られた事業で多くのコストと時間、人材を投資できますので、創意工夫が生まれ、イノベーションが創出されやすくなります。

後述する選択と集中を行なっている企業から、多くのイノベーションが起こっていることからも、それは間違いないはずです。

選択と集中のデメリット3つ

メリットがクローズアップされやすい選択と集中ですが、もちろんデメリットもあります。選択と集中は文字どおり、何かを選択し、そこに集中します。選択と集中は、当たれば大きいが、外れると損失も大きいということになります。選択と集中がもたらすメリットだけではなく、デメリットにも目を向けるのが重要です。

選択と集中のデメリット1:人材の減少

企業が選択と集中を行うさい、気をつけなければならないのが人員です。選択と集中で事業を絞る場合、絞った事業に費やしていた人材が余ります。この人材が新しい事業の戦力になればいいですが、スキル的にも、人材の意思的にも厳しい場合、人材整理に着手せざるを得ません。

結果的に、社内の人材が不足し、残された人員に大きなしわ寄せと負担が舞い込むことになります。それにより、残った人材も疲弊するので注意が必要です。

選択と集中のデメリット2:モチベーションの低下

選択と集中により、企業が事業を絞ると、その事業に全社員やチームが力を入れることになります。今まで、多種多様な事業を行なってきていた場合、一つの事業を淡々とこなすことに、モチベーションの低下を訴える人もいます。そのような社員に対し、適切なケアや話合いを持たなければ、人材流出の危険もあります。

選択と集中で一番気をつけなければならないのは、人材に対するケアです。人材がいなくては、事業が成り立ちません。

選択と集中のデメリット3:ニーズの変化に対応できない

選択と集中により事業を絞ることは、リスクヘッジをしないということにもなります。多種多様な事業を行うことは、一つの事業が失敗しても、他の事業でカバーできるという利点もあります。ただし、新しいニーズが生まれ、新しいイノベーションが起きた場合、その対応が難しい可能性もあります。

万が一、ニーズに変化が起き、現在の事業が必要とされなくなった場合、現在の事業はそのまま負債になります。

選択と集中の3事例

選択と集中は、多くの企業に成功と失敗をもたらしてきました。時には選択と集中は、企業に大きな利益をもたらし、またある時には、選択と集中は、企業を壊滅に追いやるほどの結果を与えています。

選択と集中の事例を見ながら、選択と集中がもたらすメリットとデメリットをしっかりと把握し、自社の経営や事業に活かすことが重要です。

選択と集中事例1::シャープ

選択と集中の事例としてシャープが挙げられます。シャープは言わずと知れた日本の有数の企業でしたが、業績不振の末、海外企業に買収されました。シャープは選択と集中で、液晶分野で一時期は世界を席巻し、選択と集中は成功したかのように見えましたが、景気の後退と、新興国の追い上げにより、売り上げが激減します。

シャープは悪化した売り上げを回復できず、買収されてしまいます。選択と集中で成功と失敗を味わった企業です。

選択と集中事例2:日立製作所

日立製作所は、それまでの代表事業であった家電事業から撤退し、社会インフラ事業に選択と集中します。この選択と集中が成功し、日立製作所は危機を乗り越えることに成功しました。その後、原発関連事業などで危機的状況にもなりましたが、日立製作所は、選択と集中でこの原発事業も凍結しました。

この選択が今後、どうなるのかはわかりませんが、選択と集中を繰り返している企業の代表です。

選択と集中事例3:アップル

アップルも選択と集中で、大きく復活を遂げました。もともと、パソコンの第一人者であるアップルですが、マイクロソフトにそのシェアを奪われます。その後、選択と集中でアップルはiPodを開発します。

その後、iPodに電話を融合させるというイノベーションを起こし、iPhoneを誕生させます。iPhoneの誕生で、スマートフォンがあたり前の時代になりました。選択と集中で世界を大きく変えた企業と言えます。

選択と集中の注意点

選択と集中は、大きなメリットと共に、大きなデメリットももたらします。選択と集中で見誤ると、大きな負債を抱えかねません。選択と集中の注意点をしっかりと学び、リスクヘッジにも力を入れることが重要です。

当たりはずれがある

選択と集中は、当たりはずれが激しく、当たれば大きく成功しますが、はずれた場合の損失はとんでもないものになります。選択と集中を行なって事業を行う際は、行う事業分野のリサーチをおこたってはなりません。選択と集中で成功するには、リサーチとシュミレーションが、なにより重要です。

選択と集中で事業で行えば、必ず成功するものではないということを、しっかりと覚えておきましょう。

中長期には向かない場合がある

シャープの例にもあるように、選択と集中は中長期には向かない時もあります。選択と集中で短期的には爆発的な売り上げ、利益が上がっても、ライバルの出現やイノベーションがおきた場合、一気に事業の主導権は相手に取って代わられます。選択と集中で事業で行う場合、現在は特に、流れが早く、事業の特性も変わることを肝に命じておく必要があります。

選択と集中は時代遅れと言えるのか

選択と集中は、動きの早い現代には向かないという声もありますが、ベンチャー企業や個人事業主には、選択と集中は向いています。少ない資源で相手と戦い、勝つというのが、選択と集中です。リサーチをおこたらず、万が一の場合に備えたリスクヘッジを考えておけば、現代でも選択と集中は大きな武器になるはずです。

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