生産性とは?
元の意味は工場での生産数
仕事をしていれば「生産性を上げろ」と上司から説教されることがあるでしょう。そもそも、生産性とは工場で生まれたものです。何かを製造するときに、部品一つでも、生産されて部品が生み出されます。生み出されれば、一つの製品として販売されたり、機械の部品の一つとなるでしょう。
需要と供給が成り立っている世の中で、下請けの会社からより多くの部品を納品できるかという要望が来れば、より多くの製品を生産するでしょう。ここで、生産性という言葉が生まれたのです。何かを生産するためには、生産性が非常に重要になってきますし、生産性を向上すればより多くの製品を納品できます。
工場であれば、機械のスピードを上げることによって生産性を向上させたり、機械そのものの質を向上することで生産性を向上できます。人も同様に、生産性を上げようとするなら、自身の質を上げることによって向上することが可能です。人間は機械ではないため、機械ほど精密な生産性の向上は見込めませんが、努力した分生産性が向上するのが事実です。
仕事では貢献度を表す数値に
仕事での生産性は、工場での生産性と少し変わってきます。仕事をしていく上で生産性が向上すれば、個人としての会社での価値が向上します。例えるなら、会社にとっては稼ぎ頭になるのです。生産性を向上すればするほど、会社にとって貢献する稼ぎ頭になるので、ある種貢献度を表す数値となるでしょう。仮にも、営業マンであればそれを実感することが多々あるでしょう。会社は、一人でも重要な役割を持っており、営業の仕事がなければ、会社全体の仕事がなくなってしまいます。
事務職がいなければ、営業がとってきた仕事をこなすことができなくなってしまいます。また、一人の生産性が向上しただけでは、会社にとっての利益は微々たるものなのです。一人、また一人と生産性が向上すればするほど、会社へ貢献する人が増えていき、会社も大きく成長するわけです。
しかし、ただ貢献しているだけでは、生産性の向上にはつながりません。仕事をしていれば、会社に何かしらの形で貢献していることになります。ですが、会社にとっての利益は、自分で何かを生み出して初めて生まれるものです。既存の仕事をただ回しているだけでは、上司の時間を作っているだけで、会社に貢献していないのです。そのため、会社に貢献するという意味でも、自分からアクションを起こすことが重要になってきます。
生産性がなければどうなる?
会社や工場から、生産性がなくなってしまうと、倒産や破産の危機に陥ってしまいます。工場であれば、生産性を向上すればするほど、大きな利益を出すことができますし、受託している会社からの信頼度も増えます。
また、その分ノルマが増えますが、工場自体の貢献にもなりますし、働いている社員の意欲にもつながります。会社であれば、生産性が向上すれば、個人としての価値が上がるだけではなく、会社への利益にもつながります。もちろん、生産性が向上すれば給料アップも見込めるようになるでしょう。
しかし、生産性がなければ上記のことが実行できなくなってしまうのです。工場であれば、機械が壊れてしまった時のことを考えるとよくわかるでしょう。普段、何かを生産している機械が壊れてしまえば、その時点で生産することができなくなってしまいます。復旧の目途が立たなければ、クライアントの信用を失ってしまい、会社への信頼にも関わってくるのです。
会社も同様に、生産性のある人物が退社してしまえば、その人のポテンシャルを埋めてくれるような人物がいないと、会社にとっても大打撃です。一つの生産性がなくなってしまうだけでも、会社や工場にとっては破産や倒産のリスクになりえるというわけです。
生産性を向上させる方法
質を上げるための努力をする
生産性を向上させたいと思っているなら、質を上げる努力をするとよいでしょう。これは、会社でも工場でも同じです。漠然とスピードを上げたとしても、質が悪い商品が出来上がれば意味がありません。そうならないためにも、まずは質を向上することから始めるとよいでしょう。
仕事をしているときに、ミスを連発してしまうことがあるでしょう。スピードは誰よりも早いのに、ミスを訂正して提出する時間を合わせれば、周りの人と力量は変わらないというのはごく普通の話です。
しかし、質を向上していれば、ミスをなくすことができますし、無駄な時間を過ごさずに済むのです。何よりも、質が向上すれば自然とスピードはついてきますから、生産性を上げたいと思っているなら質をまず向上することです。
スピードを上げるように心がける
質が上がったと実感して来たら、次のステップに進む必要があります。そのステップはスピードを向上するということです。前述したとおり、質が上がれば自然とスピードがついてきます。しかし、これは一定のスピードであり、人並み以上のスピードを極めるなら努力が必要です。スピードを向上するためには、何事も効率化が必要なのです。
仕事であれば、マクロを使用してルーティーンワークを自動化するということもできます。
工場であれば、個人のスキルに応じた仕事を与えることで、効率化が可能です。少しでも、スピードを向上するという努力さえあれば、あとは勝手に付いてくるのです。しかし、その分スピードを向上するということは、生半可なものではないというのを念頭に置いておくべきなのです。
設備投資が重要になる
工場でも、企業でも設備投資をすることで、生産性を向上することができます。工場を例にして挙げるなら、一つの機械で一時間に2000個生産できるものがあったとして、8時間フルで稼働すれば16000個生産できます。一つの機械の生産性が、16000個とわかっているなら、設備投資を行い同じ機械を導入するとよいでしょう。
その分稼働するための電気代や人件費がかかってきますが、単純に生産性を倍にすることができます。企業であれば、パソコンやスキル向上のための講師を雇うことが設備投資になってきます。工場では機械に投資をして、生産性を向上していきますが、企業になると人物に投資することになるのです。パソコンやスキル向上のセミナーを開始しても、生産性が向上するのは利用した個人なのです。ここを勘違いしていると、質のいいものを導入しすぎて、赤字になってしまうわけです。個人の能力を判断して、企業は社員という設備に投資していくことが重要になってきます。
生産性を向上させた事例
IT関連企業での事例
IT関連企業では、生産性を向上させるために様々な取り組みを行っています。中でも、広告代理店では激務と言われている中で、効率化を図り生産性を向上した企業も少なくないのです。DSPというプラットフォームを利用することによって、効率化を図るというものです。広告を出稿する際は、出稿する広告に応じて、ユーザーの対象を変えなければなりません。ユーザーの分析を行い、しかるべき人に広告を出稿することによって、コンバージョンを図ろうとします。
しかし、あくまでもそれは憶測であって、広告を出稿して初めてわかることです。ユーザー分析が間違っていると、違う層に広告を出してしまうことにもなります。しかし、DSPというプラットフォームを利用することで、このユーザー分析がかなり楽になるのです。独自のデータを組み入れて、プラットフォームを作成し、出稿したい広告に応じてユーザーを分析し、広告を出すわけです。
もちろん、データさえあれば自動的に広告が配信される仕組みになっていますから、生産性の向上になります。導入することによって、ユーザー分析の時間を省くことができますし、しかるべき層に出せるのでかなり向上が見込めるといっても良いでしょう。
工場関連の事例
生産性を向上するのは、企業だけではなく工場も同様に行っていることです。大企業でさえも、生産性を向上するという壁に直面しているのです。しかし、その壁に直面したからこそ、工場というものを大きくすることができ、大企業になることができたのでしょう。工場での生産性を向上するためには、単に機械を導入するだけではいけません。
省エネをして、削られる部分のエネルギーは削って、余ったエネルギーや資金は内部留保に回します。また、工場の機会をモジュール化することによって、遅くなっていた納期も短くすることができるのです。製造業とだけあって、常に直面する課題が生産性の向上。生産性を向上すれば、工場としても躍進していきますし、企業としても成長していくことでしょう。
しかし、生産性を向上するというのは、あまり単調な話ではありません。様々な人の努力があってからこそ、生産性を向上できるのです。
昔から生産性の向上はされていた
車でフォード社製の車がありますが、非常に昔から生産されている車種です。ヘンリー・フォードが、生産性を向上させるために行ったのが、分業方式です。これは、古来から伝わっている方式であり、今の工場では基盤となっている部分といえるでしょう。従来、車を生産するときは、個人で車を一から組み立てていました。
しかし、フォードはそこに違和感を覚え、得意不得意に合わせて、仕事を分けて分業をしたのです。すると、流れ作業による生産性の向上が見込め、大量生産を可能にしたのです。現在の工場では当たり前のことになっていますが、実はこの分業がなければ今の会社の生産性は向上していなかったといえるでしょう。
生産性の計算方法
一般的に、生産性の計算方法を表すなら、”付加価値(粗利益)/社員の平均人数”という式になります。会社全体が生み出している利益を社員の数で割ることによって、生産性を出すことができます。
しかし、会社全体の生産性を知ったところで、個人の生産性を理解することはできません。個人の生産性の式は”仕事量+貢献度/時間”という式で表すことができるでしょう。どれだけ仕事をしたかということや、会社に対しての貢献度を時間で割れば、個人の力量を判断することができます。この数値が大きければ大きいほど、生産性が高いということです。また、計算式ではなく給料にそれは反映されているので、最も重要な指標になるのは給料といっても良いでしょう。