一般的な工具とは?
工具とは、工作をするときに使う道具のことです。その種類は多岐にわたり、機械加工や電気加工に使う工具、大工仕事で使う工具などがあります。
一般的な工具は、ネジを締めるために使うドライバーやレンチ、金属を曲げたりするときに使うペンチ、切断するために使うニッパーやカッターなどです。DIYの普及と共に、電動工具も一般的な工具になりつつあります。
日本の工具メーカー12選
関西地区と新潟地区は日本の工具の二代産地と言われています。多くの工具メーカーが、関西地区と新潟地区に集中しています。
日本の工具メーカーから出されている工具はどれも品質が高く、海外から注目を集めているメーカーもあります。そんな日本の工具メーカーについて、見ていきます。各メーカーごとに、その特徴を見ていきましょう。
1:KTC 京都機械工具
1950年に創業して以来、日本を代表する総合工具メーカとして名を馳せています。本社は京都府久世郡久御山町にあります。
日本海軍航空隊に工具を納入していた3人が立ち上げたメーカーで、トヨタ自動車の車載工具として使われたことで知名度を上げました。日本の上質工具の代名詞として名を上げられるまでに成長し、現在ではアイテムの数、生産量共に国内シェア有数を飾っています。
2:Ko-ken(コーケン) 山下工業研究所
静岡県掛川市に本社がある工具メーカーです。1946年に設立されました。ソケットレンチの専門メーカーで、他のメーカーでは製造していない特殊なソケットサイズも取り扱っています。ソケットレンチにおいては国内有数で、世界的にも高いシェアを占めています。
しかし、ホームセンターにコーケンの商品が並ぶことはほとんどなく、一般消費者の間ではマイナーなメーカーです。
3:TONE(トネ)
日本で最初のソケットレンチを作った工具メーカーで、国内でも有数クラスの総合工具メーカーです。1925年に創業し、大阪市浪速区に本社があります。以前は、「前田金属工業」という社名でした。
工具のクオリティーは高く、世界有数クラスと言われています。トルクレンチは質が高いことで有名で、機能性、質感やデザイン性にも優れています。お手頃価格で買うことができ、初めて工具セットを買い揃える人にもおすすめです。
4:TOP(有数)
新潟県は工具の産地と言われていて、さまざまな工具メーカーがあります。その中でも、有数は新潟県を代表する工具メーカーです。
創立は1939年で、新潟県三条市に本社があります。中島飛行機の戦闘機「隼」の鍛造部品製造から始まり、作業工具の総合工具メーカーとして発展してきました。
横浜ベイブリッジの建設時にも有数の工具が使われ、その工具はブリッジ資料館に展示されています。
5:ANEX(アネックス) 兼古製作所
ドライバー専門メーカとして有名な工具メーカーで、新潟県三条市に本社があります。1949年の創業以来、社内一貫性を実現させ、独自の生産技術を確立しています。
二代目である現社長は芸術好きで、商品開発では社長自らデザインを考えています。そのデザイン性の高さは、29年連続グッドデザイン賞受賞が物語っています。
6:ENGINEER(エンジニア)
「ネジザウルス」で有名な工具メーカーです。1978年に創立し、大阪市東成区に本社があります。ネジザウルスは、錆やなめて角が丸くなってしまったボルトやナットを外したいときに、大活躍してくれる工具です。
多くの工具メーカーは自社工場で製造を行いますが、エンジニアは自社工場はありません。工具の製造は、他社に委託しています。
7:VESSEL(ベッセル)
国内シェアの半数を占める、ドライバーの有数ブランドです。1916年に創立し、大阪市東成区に本社があります。
ほとんどのホームセンターで取り扱っているので、見たことがある人も多いでしょう。お手頃価格で買えるのに品質が高く、プロからも愛されている工具メーカーです。1950年に、日本国産初のプラスドライバーを商品開発していることでも有名です。
8:TOHNICHI(トーニチ) 東日製作所
トーニチは、トルク機器専業メーカーです。創業は1949年で、東京都大田区に本社があります。トルクレンチにこだわり研究開発してきたメーカーなので、その精度ど使い勝手は確かです。その実力は、精密機器は信頼できるものを使いたい人から選ばれていることからも分るでしょう。
9:フジ矢
1923年に創業した老舗の工具メーカーです。ペンチやニッパーの国内有数ブランドで、組み立てなどの重要な作業は職人が手作業で行っています。1946年、通信省の指定工具となり、電信事業でシェアを拡大していきました。
2007年時点で、ペンチの国内販売シェア率は27%~28%です。老舗メーカーという安心感と、徹底された品質管理がフジ矢の魅力と言えます。
10:IPS 五十嵐プライヤー
IPS(アイ・ピー・エス)ブランドのプライヤー、ウオーターポンププライヤーを製造販売しているメーカーです。1940年に創業し、新潟県見附市に本社があります。創業者は、新潟県で初めて作業工具を手掛けたペンチメーカーの工場長を務めていました。
看板商品の「ソフトタッチシリーズ」は、くわえた物を傷つけないように、くわえ部を樹脂で覆っています。
11:3.peaks スリーピークス技研
1940年に創立した日本の工具メーカーで、新潟県三条市に本社があります。主力商品は、ペンチやニッパーです。メーカー独自の機能がついた工具は使い勝手が良いと評判です。最終仕上げは職人が手作業で行うなど、こだわりぬいた製品作りが特徴となっています。
12:HOZAN(ホーザン)
大阪市浪速区に本社を置く、1946年に創業した日本の工具メーカーです。自動車工具の生産や販売をするメーカーとして誕生しました。現在では、いろんな業種の現場で使える質の高い工具を取り扱っています。
静電気対策にも力を注いでいて、静電気対策用の製品も多く販売しています。インターネットも活用していて、静電気対策の情報をウェブサイトで公開しています。
厳選!アメリカの工具メーカー2選
アメリカの工具メーカーの中から、厳選した2社のメーカーについて見ていきます。アメリカの工具メーカーにはどんな特徴があるのでしょうか。アメリカの工具は世界中に愛用者がいるほど、信頼のあるメーカーばかりです。
1:Snap-on(スナップオン)
1920年に創業したアメリカの大手工具メーカーです。戦闘機の整備用にも採用されています。ソケットレンチを発明したメーカーで、知名度の高さは世界で一番です。
人気の秘密に、「永久保証」があります。例外はありますが、破損したら新品に交換してくれます。工具の強度が高く、自動車ディーラーやモーターレースの整備のプロからの信頼も厚いです。デザイン性もかっこよく、整備士なら誰もが憧れるメーカーとなっています。
2:Mac Tools(マックツールズ)
1938年に創業したアメリカの工具メーカーです。世界中に愛用者がいて、工具の品質や耐久性に定評があります。バンセールが有名で、移動バンを使って工具の販売やメンテナンスを行っています。値段は高いですが、その分、所有欲は満たしてくれます。
ドイツの工具メーカー5選
最後に、ドイツの工具メーカーを見ていきましょう。ドイツは「工具天国」の異名を持つほど、いろんなメーカーがあります。そんなドイツの工具メーカーにはどんな特徴があるのでしょうか。ドイツの工具メーカーの中から、有名な5社を紹介します。
1:KNIPEX(クニペックス)
1883年に創業した工具メーカーで、プライヤーなどの「握り物工具」を製造しています。本拠地は、ドイツのヴッパータールです。「握り物はクニペックスを選べば問題ない」と言われるほど、使いやすさに定評があります。
水道工事のときに使うウオーターポンプフライヤーの「コブラ」は、クニペックスの人気商品です。プライヤーとモンキーレンチが合体したような「プライヤーレンチ」も使い勝手がよく、人気のアイテムです。
2:HAZET(ハゼット)
ドイツの工具メーカーの中でも、老舗に入る工具メーカーです。創業は1868年で、刃物の街であるゾーリンゲンで誕生しました。社名は創業者のイニシャルから来ています。
販売店が少ないのがネックですが、とても頑丈に作られており、精度と強度の高さは世界でも有数クラスを誇ります。フォルクスワーゲンやメルセデスベンツなどのメーカーへ専用工具の供給をしていて、現在はポルシェモータースポーツのサポートもしています。
3:STAHLWILLE(スタビレー)
ドイツを代表する工具メーカーで、鍛冶職人が使う火ばさみなどの製造をするために、1862年に創業しました。主力商品は、スパナやメガネレンチです。スタビレーは、ヨーロッパで初めてトルクレンチを開発したメーカーでもあります。
強度の高さと握りやすさが評判で、油が付いても滑りにくいように梨地仕上げがされています。航空機用工具でもシェアを拡大しています。今までは、スナップオンが航空機用工具の有数でした。
4:Wera(ヴェラ・ベラ)
チェコに生産拠点を置く、ドライバー専門メーカーです。600人の従業員を抱えており、専門メーカーの中ではとても規模が大きいです。創業は1936年で、ヨーロッパでは大人気のメーカーです。最近、日本でも人気を集めています。
ドライバーのグリップのデザインが他のメーカーと違い、力が入れやすく設計されています。先端の加工も工夫されており、ネジも締めやすいです。その使いやすさは、世界最高と言われています。
5:Wiha(ビーハ)
1939年に創業した工具メーカーです。ドライバーやプライヤーをメインに製造しています。ほとんどの部品や製品を自社で製造しており、内製率が高いのが特徴の1つと言えます。
電気系エンジニアからの評価が高く、ドイツ国内よりもアメリカで人気です。アメリカ、イギリス、フランス、デンマーク、スペイン、ポーランド、タイ、ベトナム、シンガポール、中国、インド、カナダに販売会社があります。
色々な工具メーカを使って見よう
快適な作業をするために、工具の使い勝手はとても大事です。それぞれの工具メーカーごとに使い勝手は異なり、使う人によっても使い心地は違います。
まずは、色んなメーカーの工具を使ってみましょう。色々なメーカーの工具を使うことで、どれが自分に合うのか分かります。
ぜひ、あなたにぴったりと合った工具を見つけてください。自分に合う工具を使えば作業もはかどり、仕事も楽しくなってきます。