深耕営業とは
深耕営業とはどういった営業か知っていますか。深耕営業とは既存顧客に対して、そのときどきに合わせて新たなニーズを聞き出して営業したり、取引を増やしていく営業のことをいいます。
営業というと新規開拓ばかり思い浮かべる人が多いでしょうが、実は深耕営業は取引を継続させたいったり、企業を大きくしていくために非常に重要です。ここでは、深耕営業とルートセールスの違いや深耕営業と一般営業の違いなどをみていきます。
ルートセールスと近い
深耕営業とルートセールスは大変近しいスタイルの営業です。深耕営業とは既存顧客にニーズがないか聞き出し取引を拡大していく方法の営業で、ルートセールスも営業として回るルートが既に決まっていて、その中でさらに取引を拡大させたり、関係を深める営業だからです。
ルートセールスは既存顧客へのフォローと細やかな気配りあるセールスが重要であり、深耕営業と同じ意味で使われることが多い言葉です。
一般営業との違い
深耕営業と一般営業との違いは、深耕営業が既存顧客のフォローを重視し関係を深め取引を拡大するのに対し、一般営業は新規開拓を中心としている点です。一般営業はいままで取引がなかった人を空いてにセールスを行うため、ある意味ハードルは高いです。
また、新規のお客様の場合は2回目があるかはわかりません。しかし深耕営業とはそれまでに取引のある顧客とさらに親交を深めて取引拡大をするというやり方です。
深耕営業のポイント
一般営業とは違って深耕営業を行う場合には、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。深耕営業を行う上でのポイントとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、深耕営業のポイントをいくつかご紹介します。
深耕営業のポイント1:お客様に対する目標を定める
深耕営業のポイントに、お客様に対する目標を定めるということが挙げられます。お客様に対する目標とは、深耕営業を行う人が持つ目標であり、例えば一年後にそのお客様とどういった関係のおつき合いができているか、どのような取引を行っているかという目標になります。
やみくもに営業で既存顧客をまわっても何も改善しません。きちんと、それぞれのお客様との関係性をどうしたいのか、はっきりとした目標を持つようにしましょう。
深耕営業のポイント2:目標から逆算した段取りを計画する
深耕営業のポイントに、目標から逆算した段取り(プロセス)を計画することが挙げられます。営業ではつい目先のことにとらわれて、目標を見失いがちになります。しかし、日々のお客様とのやり取りも一つの目標があってのことです。
きちんとした段取りをしないでは後々にしわ寄せがきてしまいます。深耕営業における営業マンはつねにそのお客様の目標とそれに到達するまでの段取りをイメージして、営業活動を行うようにしましょう。
深耕営業のポイント3:お客様のカルテを作成する
深耕営業のポイントとして、お客様のカルテを作成するということが挙げられます。深耕営業では既存のお客様のところへ何度も足しげく通い親交を深め信頼してもらうことが必要ですが、誰が決裁者であるかもわからずにいては戦略も立てられません。
お客様の誰がキーマンとなるかをきちんと見極め、長年通いつめる中でそのお客様が何を必要とするか、適切な提案ができるようにお客様のカルテを作成しましょう。
深耕営業のポイント4:お客様のニーズ深く把握する
深耕営業のポイントとして、お客様のニーズを深く把握するということが挙げられます。お客様はきっと安いものを求めていると勝手に判断し、安い商品を紹介するという営業マンもいますが、実はお客様は値段よりも質であったりほかの要望がある場合もあります。
お客様がいま何を必要としているか、そのニーズをしっかりと把握することは深耕営業では最重要ポイントです。何度も足しげく通いお客様のニーズの全容を掴みましょう。
既存顧客の深耕営業で重要なこと
深耕営業とは既存の顧客への営業であり、長年の信頼を勝ち得てこそ成り立つものだとわかりました。では、既存顧客の深耕営業ではどういった点に気をつければ良いのでしょうか。ここでは、既存顧客への深耕営業で重要なことについてみていきます。
既存顧客の取引先や競合環境を把握する
既存顧客の深耕営業で重要なことは、その顧客の取引先や競合環境を把握することです。その顧客へ深耕営業をしているのは、自社以外にももちろんあります。
他の競合他社がどういった深耕営業をしているのか、きちんと把握しておかないといつの間にか既存顧客をとられてしまう可能性があります。また、顧客の取引先がどこかといった関係性についてもきちんと把握する必要があります。
既存深耕営業に向いている人とは
既存深耕営業に向いている人とはどういった人なのでしょうか。既存深耕営業はルートセールスと同じで何度も同じ顧客に通います。とはいえ、ただ同じことを繰り返すだけでは取引を拡大し信頼を勝ち取ることはできません。
既存深耕営業では何度も足しげく通うことによって顧客から信頼されてなんでも任せてくれるような関係になる必要があります。ここでは、既存深耕営業に向いている人とはどういった人なのかについてみていきます。
既存深耕営業に向いている人1:無神経でない人
既存深耕営業に向いている人は無神経でない人です。既存深耕営業は何度も同じ顧客へ営業に行くのですから、無神経な人の場合は顧客から嫌われてしまう可能性が高いです。
無神経だと最初は気を使って何とか乗り切ったとしても何度も通うにつれて無神経さが際立ってくるでしょうし、本性も見えやすいです。既存深耕営業に向いている人は、そのようなことなく会えば会うほどに信頼を増す、人に好かれるタイプの人だといえます。
既存深耕営業に向いている人2:共感や聞く能力が高い人
既存深耕営業に向いている人は共感や聞く能力がある人です。既存深耕営業では、何度も同じ顧客に営業に行きますが、その際顧客のニーズや本音をしっかりと聞くことが重要です。
顧客がいま何を必要としているか、また今後必要になってくるものは何かを把握するには顧客に共感したり顧客の話を聞く力が必要だからです。既存深耕営業に向いている人には聞く力が最も必要だといえます。
既存深耕営業に向いている人3:清潔感のある身だしなみの人
既存深耕営業に向いている人は清潔感のある人です。顧客に嫌な思いをさせない清潔感ある身だしなみやきちんとしたビジネスマナーは深耕営業をする場合は必須です。またこれはビジネスマン全般に言えることですが、清潔感は顧客相手の仕事では必要不可欠な要素です。
不潔な人やマナーがなっていない人では顧客は二度と会いたくなくなります。深耕営業をする場合には身だしなみをしっかり整えましょう。
既存深耕営業に向いている人4:ビジネスマナーが出来ている人
既存深耕営業に向いている人はビジネスマナーができている人です。前述にもありますように、深耕営業以外でもビジネスマンであればビジネスマナーがなっていないと仕事になりません。
中でも深耕営業の場合は同じ顧客に何度も営業するために、マナーがなっているかなっていないかが相手にわかります。何度も会う相手であっても、初心をわすれずにマナーをきっちりと守って営業を行うようにしましょう。
既存深耕営業に向いている人5:パソコンのスキルがそこそこある人
既存深耕営業に向いている人はパソコンのスキルがそこそこある人です。最近は既存深耕営業でも事務作業や顧客資料作成などでパソコンが必要ですので最低限のパソコンスキルは必要です。
複雑な表計算などのスキルまでは不要ですが、最低限の入力はできる人が向いている人だといえます。ただし、パソコンスキルは覚えようとおもえばすぐにでも身につくスキルです。パソコンができなくても覚えようと努めましょう。
事務作業や資料作成
既存深耕営業でも顧客への営業以外に事務作業があります。また、顧客のカルテを作ったり資料作成も仕事に含まれます。一昔前までは手書きで行っていたものも、最近ではパソコンで入力する場合がほとんどです。
営業だからといってパソコンスキルを身につけなくても良いわけではなく、必ず使うものですので積極的に基本的なパソコンスキルを身につけるようにしましょう。
既存深耕営業に向いている人6:臨機応変な雑談力
既存深耕営業に向いている人は臨機応変な雑談力がある人です。雑談力とは単なるブレイク的目的の会話だけではなく、商談も見据えての会話力です。
通常は雑談といえば天候の話ですが、それだけの話では深堀することができないため、デキル深耕営業マンは天候の話はしません。それよりも、何の営業であるかを頭においてそれにつながるような臨機応変な雑談力が必要になります。
深耕営業の心得
深耕営業は通常の営業と違い、同じ顧客へ何度も足を運びます。そのため、通常の営業とは違う心得があります。ここでは深耕営業を行う上で必要な心得をいくつかご紹介します。今後深耕営業を行う方はぜひ以下の心得を確認してみましょう。
深耕営業の心得1:お客様の信頼を得る
深耕営業の心得として、お客様の信頼を得るということが挙げられます。既存深耕営業は同じ顧客に何度も営業を行う必要があります。それは顧客からの信頼を得るためでもあります。信頼を得ることは今後の仕事に結びつく可能性が増すからです。
しかし、お客様の信頼を得られない営業では、何度通っても全く無意味です。深耕営業を行う場合には、何度も営業をする中で徐々にでも信頼を得るように努めましょう。
小さな約束を守る
深耕営業では顧客との小さな約束を絶対に守るようにしましょう。例えば、次にいつ来ると約束したのにもかかわらず、すぐにすっぽかしたのでは信用してもらえません。
また、今度何かを持ってくると言ったのに守らなかったり、小さなことであっても、それを守る人か否かを顧客は見ています。お客様と約束した事柄は必ず守るようにしましょう。
小さな頼まれごとも全力で
深耕営業では顧客からの小さな頼まれごとがあった場合には全力でやり遂げましょう。どんなに小さなことであっても、それをやり遂げた人とやり遂げなかった人ではその後の顧客からの信頼度に大きな差が出ます。
小さなことだとしても、必ず守ることが今後の大きな商談を成功させるカギになることをしっかりと頭においておきましょう。
連絡はこまめに迅速に
深耕営業では連絡はこまめに迅速に行うようにしましょう。深耕営業は同じ顧客に足しげく通うことによって、相手からの信頼を得たり、顧客のニーズを把握することが重要です。もし、こまめに顧客に連絡しなければ、顧客から忘れられてしまいます。
また、迅速に連絡することも重要です。もしかしたら競合他社に持っていかれる可能性もあるからです。深耕営業では連絡はこまめにかつ迅速に行うように努めましょう。
深耕営業の心得2:接触回数を増やす
深耕営業の心得として顧客との接触回数を増やすということがあります。顧客との接触回数とは、何か用事があるときだけでなくただ雑談するにしても、営業をして会うということです。会うことで人は親近感がわきます。
同じくらいの条件で他社と競合していた場合は、最終的には親近感のある会社で決定することもあるでしょう。深耕営業では接触回数も重要な要素だといえます。
御用聞きで足しげく通う
深耕営業では顧客のもとに御用聞きとして足しげく通いましょう。深耕営業は顧客から信頼されることを目的の一つとしています。行くたびにセールスをしていては信頼されるどころか嫌われてしまいます。
深耕営業では御用聞きでも喜んで行うような気持ちで顧客のもとへ足しげく通い、信頼関係を深めるように努めましょう。
深耕営業には細かな気配りが必要
いかがでしたか。深耕営業は既存顧客に何度も足を運び信頼関係を深めることにより商談を成功させるという営業方法です。深耕営業ではただ何度も既存顧客に営業に行くだけでは取引を拡大させたり商談を成功させることはできません。
深耕営業は一般営業よりもさらに細やかな気配りが必要になってきます。深耕営業をする場合には、いかに顧客からの信頼を得るかを念頭において営業活動を行うようにしましょう。