営業の日報のテンプレート・上手な書き方と例・エクセルの活用方法

営業活動

エクセルで報告書?

エクセルやワードが出始めの頃は「エクセルは表計算専用」「ワードは報告書専用」と考えられていましたが、最近は「報告書もエクセル」という風潮が強まっています。なぜエクセルで報告書かと言うと、エクセルはワードに比べて次の点で優れているからです。

(1)1枚でまとめられる(2枚以上書けない)
(2)文章の書き出しの位置が自由(左端に制限されない→表形式で作成できる)
(3)行の高さを1行毎に自由に変更できる
(4)罫線を自由にひける
(5)図・写真や表・グラフを自由に挿入できる

さらに、かなり前からPDF(Portable Document Format)への変換ができる無償ソフトが提供されて、エクセルで作成した書類を見たり印刷したりするのに、かならずしもエクセルが必要ではなくなりました。
ただし「報告書もエクセル」には弱点もあります。それは、セルの中で日本語の文字の位置の設定がうまくできないということです。左寄せはできるのですが、左右をそろえることはできず、完全にきれいなレイアウトができません。
またワードにも欠点があります。フォントや文字の大きさの設定や、段落記号などの設定が異常に複雑で、これを使いこなせている方は見たことがありません。

PDFとは何か?

PDF(Portable Document Format)とは、ソフトウェア、ハードウエアやOS(オペレーティングシステム)に関係なく、文書を表示および交換するために使用される「ファイル形式」です。たとえばWindowsで作成したPDF書類をMacで開いて印刷したりするのが容易であり、これを読んだり印刷したりするには「Adobe Reader」「Adobe Acrobat Reader DC」などの無償のアプリケーションがあれば十分であり、文書を作成したエクセルやワードは不要になります。PDF書類をスマホやタブレットで見ることもできます。「Adobe Acrobat Reader DC」は、次のサイトから無償でダウンロードできます。

エクセルのPDF化?

社員全員にエクセルを配布してある場合は不要なのですが、「エクセルで書いた報告書を読む人がエクセルを持っていない場合」には、「エクセルで書いた報告書をPDFに変換」して提供し、それを読む人は「無償のPDFリーダー」を利用すると、エクセルがなくとも、報告書を読むのと同様に、エクセルで作成した書類を見たり印刷したりすることができます。オフィス2010では、ワード、エクセルのすべての書類をPDF形式で保存できます。[名前を付けて保存]ダイアログボックスで[PDF]を選択して保存するだけです。
オフィス2007では次に示す「2007 Microsoft Officeプログラム用Microsoft PDF/XPS保存アドイン」のページにアクセスして、[ダウンロード]をクリックし、画面の手順に従ってインストールするとオフィス2010の場合と同様に、[名前を付けて保存]ダイアログボックスで[PDF]を選択できるようになります。

営業日報は戦略ツール

まず営業日報を作成する目的は何でしょうか。営業マンは社外にいる時間が多く、その行動を把握することはできないので、「営業マンの行動を把握するため」というご意見が多いでしょうが、それでは営業効率を上げることにはつながりません。そしてその内容が、「事実」かどうかは確認できません。ですから、「行動記録」をあてにしては無意味であり、「営業日報」は「戦略ツール」でなければなりません。営業マンの行動を監視するために営業日報を書かせた結果、営業に費やす時間が削られたり、残業が増えたりするのでは無意味なうえに、それが「嘘ばかり」かもしれないのです。

営業日報の機能

「営業日報」は、行動記録ではなく。「営業マンの活動にプラスになるもの」「営業マンと上司とのコミュニケーションツールたりえるもの」「営業成績の向上に資するもの」でなければなりません。

○営業マンの活動にプラスになるもの

営業日報は、「営業マン自身が一日の活動を振り返り、次の活動を改善するために書くもの」でなければならず、客先ごとの訪問内容の問題点を上司が理解できる内容であるべきです。

○営業マンと上司とのコミュニケーションツールたりえるもの

営業日報を通して上司に相談し、それに上司が答えることができるものであるべきです。

○営業成績の向上に資するもの

目標を設定してその結果を確認したり、情報収集、情報提供、新商品提案、契約締結、クレーム処理など、訪問目的を明確にして、その成果の確認を繰り返すことで、単調になりがちな訪問営業を、営業としても有益でありかつ営業マンの成長にも資するように工夫すべきです。

営業日報の作り方

営業日報は、それを書くことで前述の機能を自動的に果たすものでなければなりません。営業マンが1日の記録を記すだけで、上の3つの目的を果たせるように工夫すべきです。項目が多すぎると「何を書こうか」と悩んでしまいますし、書ける内容を思慕英過ぎると、「この問題はどこに書こうか」となってしまいます。自然に書き込みながら、自分で問題点を意識できて、上司への報連相、すなわち報告、連絡、相談ができるフォーマットが必要です。書き込む用紙は1枚がいいでしょう。

営業日報は出発前に書く

営業日報は、「報告書」なので、「帰ってから書かなければならない」と思い込みがちですが、「どこへ行って何をする」「その結果こうなるようにしたい」、ここまでは出発前に書ける内容です。これらを先に書き込むことで、その日の予定や営業方針が立ちます。書き込む相手がエクセルなのですから、予想外のことが起きたら書き直せば済む話であり、これによって「予想外であること」を意識でき、営業方針の立て方の問題点にも気がつきます。

営業日報のフォーマットの例

以降で、営業日報の1つのフォーマットを示し、その作成方法を解説します。これ以外のフォーマットは、次のサイトなどで数多く、無償で提供されています。

営業日報の項目名は、「時間」「訪問先」「用件」「面談者」「内容」というように、できるだけ何でも書けるものにしました。最後に「問題点」と「次回訪問予定」の欄を設けて、次の営業への発展性を確保しています。その上で、全体的な「本日の目標」を書き、上司への「相談事項」を書き込んで、「助言」を受けるというわけです。
なお、以降のエクセルはEXCEL 2007で操作していますが、EXCEL 2010でも同様です。EXCEL 2010の方が、上述のPDF保存など、機能が増えていますが、ダイアログボックスが過大なので、EXCEL 2007の方が操作しやすいと思います。

営業日報の作り方(1) 列幅を変える

ワークシート全体の列幅は、行高と同じになるように変えて、全体を方眼紙のようにしておくと、レイアウト作業が簡単になります。それには、下図のように、ワークシート全体を選択して、最上段の列番号のセルの右端からドラッグして、行高と同じ16ピクセルが表示されるまで左向きにドラッグします。

営業日報の作り方(3)  文章を書きこむ欄は「左揃え」に設定する

[月]、[日]、[所属]、[氏名]と表の見出しなどはこのまま「中央揃え」でよいのですが、文章を書きこむ欄は「左揃え」に変更しておきます。営業マンがいちいち設定するのは大変なので、制作側がキッチリと設定しておくことが肝要です。

営業日報の作り方(4)  書式の異なるセル全体を1つの罫線で囲む

このワークシートの中で唯一、数値書式を設定するのは、訪問時間の部分であり、左右のセルには「時刻の書式」を設定し、中央の「~」の両側には罫線を引きたくないわけです。それには、これら3つのセルを選択して、罫線メニューで[枠なし]をクリックし、罫線がなくなったのを確認してから、罫線メニューで[外枠]をクリックします。

営業日報の作り方(5) 印刷範囲を設定する

下の画面のように、営業日報のセル範囲全体を選択して[印刷範囲の設定]をクリックしておくと、印刷範囲を設定することができます。この操作によって、いつも同じ範囲を、同じ大きさで印刷することができます。

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