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2019年11月16日

粗利率とは?業界別の取り扱いの違い・粗利率の計算方法

粗利率とは、製品の売価もしくは売上高から、売上原価を引いたものを、売上高で割ったものことです。粗利率を計算する事によって販売する製品のおおよその商品力・市場競争力が分かります。今回は粗利率の計算方法などについて詳しく説明していきます。

粗利率とは?業界別の取り扱いの違い・粗利率の計算方法

粗利率とは

粗利率とは、製品の売価もしくは売上高から、売上原価を引いたものを、売上高で割ったものを百分率、すなわちパーセンテージのことです。会社の利益の目安となる粗利率を、計算式に表すと下記のようになります。

粗利率(%)=粗利(額)÷売価(売上高)

では、この粗利率を計算する事によって何が分かるのでしょうか?これで、販売する製品のおおよその商品力・市場競争力が分かるので、改善の力を入れるポイントが異なってきます。しかし、その粗利については、共通のキーワードでありながら、業界によって考え方が異なります。

粗利の業界別の取り扱いの違い

業界と言うとちょっと事が大げさになってきますが、大別すると小売業と製造業に大別できます。何が違うかという観点から見るのに、分かりやすく考える為、最終的に製造された製品が、世の中に出ていく出口から見たほうが分かりやすいと思います。

粗利の業界別の取り扱いの違い:小売業の場合

言わずとも小売業は物を仕入れて売ることで、その業態を成り立たせている訳で、それはつまりは需要のある市場に直結しています。先に述べた売上高-売上原価の計算式で表した場合、商品の仕入れは売上原価に相当するので、競合他社もある中での余程の専売性が無い限りは粗利は低くなります。一番わかりやすいのが、ブランドを取り扱う企業は、専売性が高いので粗利は高いのですが、周囲でも同じ商品を競合して販売している店舗が多い分野では粗利が低いと言えます。

特に分かりやすいのが、スーパーなどがその一例となります。消費者の目利きとメディアのチラシによる価格競争も厳しいところから、高くすれば客は寄ってこないし、安くすれば売れるものの1個あたりの利益は薄い、ましてや、安く売れば、安かろう、悪かろうのイメージが付きまとい、長い目で見ると集客力が落ちる場合もあるので、数を売って利益を稼ぎ出さないとならないのに、更に利益が上がらずに、販促の連発で広告宣伝費はかかるし、従業員の残業に因る対応は増える、どんどん経費だけがかさんで利益が出なくなるので、非常に難しい舵取りを迫られます。なので、粗利が高いという事は、優位性を持って広告宣伝などの、次の手に打って出る余裕があるという事になります。

粗利の業界別の取り扱いの違い:製造業の場合

一方、小売業に製品を供給する前工程になる製造業に目を向けてみると、小売業へ製品として渡して、需要のある市場で売ってもらう為に製造をするわけですが、その流れは、入口から見ていくと、原材料を取引先から仕入れて、自社の人や設備を使って加工して製品に仕上げます。製品に仕上げた際に、材料の仕入れから、加工して製品になるまでに、かかった費用を売上原価と呼びます。

売上原価を売上高から差し引くと売上総利益(粗利)になります。製造業も独自性の高い製品で特許も保有していれば、売価を高く設定しても他との格差で販売できますが、大概はは競合相手があるので、高くも設定できないという市場側面もありますので、製造業が一概に粗利が高いとは言えない部分があります。しかしながら、スーパーや量販店などに比べれば、比較的粗利が高い事は間違いありません。ここまでで、粗利について述べてきましたが、粗利益率と一般に言う利益率って違うの?という疑問が湧いてくると思います。

「利益」とは

利益というと、そんなもの分かってるよとおっしゃられる方が多いのですが、冒頭で粗利の業界別の取り扱いで、小売業の事例を記載しましたが、鋭い人であれば、その時点で既にあれ?と思った方もいらっしゃると思います。そこに気づいた人は、もはや、この先を読む必要性が無いと言っていいほど、経営に関して鋭いものをお持ちのようです。

会計上、財務諸表の一つである損益計算書には、利益と名前のつくものが5種類出てきます。その5種類の利益とは、会社の成績表ともいえる財務諸表の損益計算書に順じて言うと、売上総利益、営業利益、経常利益、税引き前利益、当期純利益(税引き後)と5種類出てきます。その中で、一番最初に出てくる売上総利益を粗利益と一般的に言うのは、先の文書で述べたとおりです。更に一歩踏み込んで、営業利益について言及してみます。

営業利益:小売業の場合

小売業は仕入=売上原価なので、先に算出した粗利には、販売費と言われる店舗の光熱費や販売営業の給料、広告宣伝費、荷造り運搬費などの諸経費が含まれておりません。その他にも、一般管理費と言われる役員報酬や、総務や経理などの給料や通信費、今やIT化の時代なのでシステム使用料なども入っていません。

なので、粗利で儲かっていると言っても、それは過去の成績表に順じた話であって、過去の粗利率を目安に売価を設定していたとしても、商品一個一個に設定した粗利を積み上げた費用(粗利)より、それ以上に当期に販売費や一般管理費に分類される部分でお金を使っていれば、赤字になるのは目に見えています。なので、小売業の売価設定には、戦略性を持たせないと、全然儲からないどころか、赤字になる話もあり得ますので、取り扱いには十分な注意が必要ですし、月度毎にその推移動向を監視して、都度テコ入れをする必要性もあります。

営業利益:製造業の場合

製造業に関しても販売では無いからと言って例外ではなく、製造業に関しては、製品を生産し、それを販売することで利益を生み出すので、仕入れの原料の価格低減の努力はもちろん、製造現場の効率を上げるために改善努力が必要です。

競合他社のいない製造業界はごくまれなケースですので、日々原価低減努力をしているとは思いますが、製造業と言えども指をくわえて注文を待ってることは無いので、販路拡大の為に、営業担当者が色々な得意先をあたって、売価折衝や数量の注文を取り付けて来ます。その製品を得意先に納品するための輸送費や営業の給料、交際費、広告宣伝費、荷造り運搬費などの諸経費が粗利には含まれておりません。その他にも、一般管理費と言われる役員報酬や、総務や経理などの給料や通信費、今やIT化の時代なのでシステム使用料なども入っていませんので、その部分を加算して、売上高から差し引くと営業利益となり、その会社の本業がどれだけの優位性と競争力を持っているかの指針となります。

原価率と粗利率について

ここまで売上総利益(粗利)と営業利益について述べてきましたが、それでは原価率と言うとどの部分を言うのでしょうか?それは、売上原価の売上高(売価)に占める割合を指し示し、その割合をパーセンテージで示したものが原価率なのです。つまり、原価率とは粗利率を指し示しており、同じことを言っているのです。

粗利率の計算方法

ここまで述べてきたことで、既に粗利率の算出方法は、既にお分かりの事と思います。総括の意味で記載しますと、粗利率(%)=(売上高-売上原価)÷売上高×100 となります。
上記の粗利率の計算式を、便利な表計算ソフトであるExcelを利用して算出してみると、
下記の計算式になります。

(売上高ー売上原価)/売上高*100

以上の計算式で簡単に求められます

粗利率を利用した売価設定と実務の違い

これまでの事から、原価と売価の関係、もしくは、粗利と売上の関係は理解いただけたと思います。しかしながら、これを分かっているだけでは、何にもならないのです。この数値は経営の物差しですので、上層部だけが知っていればいいと言うものではなく、実績を生み出している現場にも認識していただくことが大事なのです。粗利率を設定して粗利を取ってるから大丈夫と言って、営業の方々が高額な接待交際費や、高額な出張旅費を投じて行っては、粗利を設定してもそれを食いつぶして行くだけなのです。

粗利率から求めて設定した売価は、競合他社が出てくることで、設定を下げざるを得ない局面が出てくる場面もあるでしょう。それを設定した時が、経営判断に因る企画なのであり、実際にその分費用を削る施策を打たないと、営業利益を下げてしまう結果となるだけです。数値をうまく使って、戦略的に流動的な世の中という海原を、縦横無尽に駆け巡りましょう。

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