コーチングとは
コーチ は個人や組織が掲げている目標を達成するために支援していく立場の人物で、スポーツ界を中心に、今ではビジネスなどさまざまな分野にまでおよんでいる概念です。特にビジネスコーチングに関しては、マネージャー職は必須とも言えるコミュニケーションスキルに成長しています。
そこで今回は、ビジネスでのコーチングをテーマに、その資格の取得やメリットなどをご紹介する特集です。
コーチングの資格について
コーチングはただスキルを身につければいいというものではなく、それを行動として実践させなければ意味がありません。書籍もたくさんありますし、簡単な研修やセミナーも各地で行われています。
しかしそれらはきっかけ作りに過ぎず、コーチングのすべてをマスターできるほど網羅されていません。コーチングは、その人のセンスで自然とできることもありますが、やはり資格制度が整った機関などで学ぶほうが、取得するのに確実です。
コーチングの資格を取得するメリット7つ
コーチングをマスターしたいのなら、誰かに教わらなくとも独学で十分だと考える方もいらっしゃることでしょう。基本的知識などは書籍を使って独学で学ぶことも可能です。
ただし実践的なコーチングをマスターするには、対人的スキルが欠かせず、そのためには資格取得を目的にする講座にてマスターすることをおすすめします。ここでは、コーチングの資格を取得した場合のメリットをご紹介します。
1:信頼性が上がる
コーチング資格を取得すると、ある一定の基礎基準をマスターしたものと認定してもらえるため、周囲からの信頼性が高くなるというメリットがあります。
特に一般的に名の知れ渡っているコーチング資格認定の講座を修了しているのであれば、業界でも認知度が高いこともあって、より信頼性に繋がりおすすめです。ただし、高額な講座に通えば安心だと思うのは大きな間違いです。あくまでもどのように相手と向き合うかは個人次第です。
2:名刺に記載できる
コーチングの資格を認定してもらえれば、そのことを名刺などに記載してアピールすることができます。人の心理として、権威に惹かれるという特徴があります。例えどれほど力量があっても、何もそれを証明するものがないと相手は不信感を抱きます。
ある一定の教育団体からの認定を受け資格を持っていることで、世間からの安心感を得られるからです。できれば認知度の高い団体の資格を取得することをおすすめします。
3:履歴書に記載できる
これも名刺への記載と同じような理由です。資格取得は一般的に認知されることにより、履歴書に記入してアピールすることができます。とくにコーチングに関わった企業などへ就職したい場合や、その企業がコーチングを高く評価していれば、かなり優位な状態になります。
肩書きに弱いのが社会の特徴です。それを良しとして受け入れるほうが、新たな道を開く可能性があります。
4:自分の技能水準を証明できる
コーチングを独学で行う場合、どのくらいの実力や成果なのかが不透明になります。それを証明する手立てがないというのが最大のデメリットです。
一方、コーチング資格認定を受けておけば、自分の基準を一定の目安で証明できるバロメーターになり、それを知る相手にも伝えやすくなります。ただし、あくまでも最初の切り口です。習った技能水準や権威に媚びているだけでは、コーチとして精進しませんので、常に努力を重ねることです。
5:職場でコーチング技術を活用できる
コーチングを取得したいという目的はさまざまです。将来的に独立・起業を考えている方もいれば、職場での部下とのコミュニケーションに活かしたいという方もいるはずです。特に後者に該当する場合は、今まで学んできた内容を即に実行できることがメリットです。
今自分が所属する職場でなら、クライアントを探す必要もなく、しかも一切の手間も掛からないし、場数を踏む簡単の方法にもなります。
6:キャリアップにつながる
かつての仕事の在り方は、先輩社員が仕事を教えるというティーチングが主流で、今でもその流れは続いています。しかし今やティーチングだけでは限界を感じています。そこでコーチングの技能を持っている資格取得者は、かなり評価も高くなっています。
キャリアアップを図る際、特にマネージャークラスの立場にもなれば、コーチング能力は必須扱いとされています。資格を取得すれば、キャリアのステップアップに活かせます。
7:対面トレーニングで実践が学べる
独学でコーチングを勉強していると、そのノウハウやスキルを活かす場所がないというデメリットがあります。理論では分かっていても実践できないので、何も発揮できないことになります。
一方、資格取得を目指す場合は、その講座のカリキュラムで対面トレーニングを設けているところが多く、実際にリアルな相手を通じてコーチングが何かを体験できます。実践的ノウハウにも配慮されているというのが利点です。
コーチングの資格を取得する際の注意点4つ
コーチングの活用によって、仕事や人間関係といった人生の全般にわたって質を高める効果が期待できます。しかしコーチングの資格取得の際には、それなりなリスクの側面もあります。それらをどう受け入れるかは個人差や覚悟が要ります。
ここではコーチング資格取得の際の注意点をご紹介します。
1:団体によって違う基準
現在、コーチングのマスターを目的にして教えている団体が、日本にも続々と登場しています。幾つかの有名な団体が存在し基盤となっていますが、その概要や基準は団体ごとに差が生じていると言えます。
そのため、どの団体が良いか悪いかといった決定時の理由も、しっかりと線引きされていないので、自分の感覚で最後に決めるしか方法はありません。A社の内容よりもB社のほうがいいのかもという不安も想定されます。
2:費用
コーチング資格取得の最大の注意点は、やはり費用の問題です。コーチングの内容を取得するのは一日でできることではなく、一定期間を要し段階を追うことになります。そのために費用も結構高額になります。
コーチングスクールで学ぶのにかかる費用は、概ね30〜100万円くらいは考えておかなければなりません。なので、気軽に入れてすぐ取れるというわけではないと言えます。
3:所要時間
コーチングは一朝一夕でマスターできる内容ではないため、ある程度の期間を重ねながら進めていきます。どこのスクールでも数か月以上の教室を運営し、そこに通える人を募集しています。
コーチング資格取得までに掛かる期間としては、平均6カ月を設けいているところがほとんどです。それだけの日数を掛けて勉強する以上、なぜ自分がコーチングを学びたいのかを、最初にしっかり決めておく必要があります。
4:資格取得後の活用方法
コーチングをなぜ自分は取得して資格を取りたいのかを、必ず最初に決めておく必要があります。特に多い事例は、今の職場で活かしたいという方です。しかし、これは漠然としている目的です。もっと明らかな目標達成を決めないと途中で放棄しやすくなります。
他にも独立や起業という考えも多いのですが、コーチとして独立できる人はほんの一握りとされています。コーチングスキルとは別にビジネススキルが必要です。
コーチングの資格が取得できる主な団体5つ
コーチング資格は、各コーチング団体が規定を設け、その基準を満たした人物へ付与するという流れです。なので国家資格ではありません。資格取得そのものでその人物の実力を証明できないため、必ずしもコーチングで生活できるとは限りません。
しかし、各団体にて一定期間のトレーニングや試験を乗り越え合格することでトレーニングを受けた証明にはなります。では、今現在どういったコーチングスクール団体があるのでしょうか。
1:(株)コーチ・エイ
コーチ・エィは、特にエグゼクティブコーチングに主旨を置いたコーチングスキルを取得できる団体です。会社や組織内でのリーダーを起点にした、組織全体の能力開発を目指した独自のコーチングである「システミック・コーチング」のメソッドがあります。
組織にて働くマネージャー的な存在の人々を支援しています。個人でコーチングをマスターしたい人よりも、今所属する会社や組織でのスキルアップなどにおすすめです。
2:CTIジャパン
日本のコーチング業界で最も知られている団体は、おそらくCTIではないかとされています。ここでは国際コーチ連盟が認定しているプログラムが提供されているという信頼感があります。日本ではCTIを含め3社しか認定されていません。それが定評だという特徴です。
カリキュラムも平日開講で高額というデメリットはありますが、それだけ本格的にコーチングを学びたい人にだけ向き合っている正統なイメージがありおすすめです。
3:(株)チームフロー
本格的にプロのコーチとして独立していきたいと考える方におすすめなのがこの団体です。圧倒的なコーチング実績で裏付けされたメソッドを体系化しています。6ヶ月の集中カリキュラムには最新の理論とスキルがあり、超実践的プログラムとして成立しています。
まさにプロコーチ養成スクールとも言える内容です。現在、代表者が交代となり新たなスタートを切っています。
4:銀座コーチングスクール
日本のコーチングスクール業界の中でも老舗と言われています。全国拠点数も日本で有数多く、実技試験を含んだ認定制度を持っている数少ない大規模なスクールの一つでもあります。
受講者もさまざまな方々が入学され男女比も丁度半々くらい、人間関係のコミュニケーションを実践するにもかなり層が厚くておすすめです。子供とのコミュニケーションから職場でのマネージメント、プロコーチとして独立したい方のフォローもしています。
5:一般社団法人日本NLP能力開発協会
NLPとは、神経言語プログラミング(Neuro Linguistic Programing)の略称で、米国で誕生した能力開発テクニックの一つです。このNLPを米国NLP協会から正式認定を受け資格認定プログラムにしています。NLPとコーチングを融合させた他者変革や自己変革を起こすスキルです。
創始者のリチャード・バンドラーはじめ、複数の理論体系とトレーニングメソッドを導入した世界レベルなクオリティです。
自分に合うコーチングの資格を見極めよう
以上のように、コーチングは各種団体にて資格認定をしています。本格的なコーチングスキルを勉強したいとお考えならば、各種プログラムを検討して入学することをおすすめします。
ただし高額で良いスキルを学んだから安心というのはお門違いです。実務では、相手やクライアントがあなたを評価するのであって、あなたがどこに通っていたかなどは問題ではありません。最終的にはあなたの能力によりけりだと心得ておきましょう。