ケースメソッドとは?事例の選び方など学習方法4つ

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ケースメソッドとは

ケースメソッドとは、会社経営をどのように変えていけばいいかなどの漠然とした課題で討論をするのではなく、実際に会社で起きた事例を教材として用いながら討論し、問題点や最善の解決策を導きだす学習方法です。

ケースメソッドは、講師の話を聞き知識を得る受け身の学習方法とは違い、自分だったらどう行動するのかを、自分が持っている知識や情報を駆使して考えていくので、より主体的に行動する能力を高めることができます。

ケーススタディとの違い

企業の研修で用いられるケースメソッドとケーススタディは、名称は似ていますが、ケーススタディは、主体的に学んでいくケースメソッドとは学習方法が大きく異なります。

ケースメソッドが自分の知識や情報を駆使して会社で起きた事例の最善の解決策を見つけていくのに対して、ケーススタディは講師が会社で起きた事例から学んでほしいことを絞り、学習者の理解を深めるための資料を用意して講義をしていく講師主体の学習方法です。

ケースメソッドの方法

ケースメソッドは、主体的に学習して問題の解決方法を導きだす学習方法です。ケースメソッドでは、事例を選び、その事例を正確に理解し、事例について討論を重ねながら問題を解決するための最善策を考えていきます。

ここからは、ケースメソッドの方法について詳しくみていきます。ケースメソッドの方法を詳しく知りたい人は参考にしてみてください。

1:事例の選び方

ケースメソッドで扱う事例を自分で選ぶときには、すでに分析されている事例ではなく、今までに分析されたことのない事例を教材として使用すると、討論しやすくなり、学習の質が高まります。

企業の研修の際には、事前に研修で用いられる事例が決められている場合が多いので、事例を自分で選ぶことは少ないです。

事例を選ぶポイント

ケースメソッドで用いる会社の事例は、今までに分析されていない事例を選ぶことはもちろん、5年以内に起こった、できるだけ新しい身近な事例を選ぶことがポイントです。

身近で起こった最新の事例をケースメソッドで扱うことで、学習の質が高まり、仕事に活かしやすくなります。

2:目的別の学習方法

ケースメソッドの目的は、大きく分けると、物事をさまざまな目線に立って考えて状況を正確に理解する能力を高めることと、問題を解決する方法を自分で導き出す発想力を身に付けることの2つに分かれます。

状況を正確に理解する能力を高めるには、2社以上の事例の比較が必要です。問題を解決するための発想力を身に付けるには、過去の似たような事例の情報を収集し、現在のビジネスシーンに活かせる方法を考える必要があります。

結論を出すまでの課程を重視

ケースメソッドは、最終的に出た結論を最も重視する学習方法とは異なり、結論を出すまでの過程を重視します。過程を重視するのは、ケースメソッドの過程の中にビジネスに役立つ能力を高める作用があるからです。

ケースメソッドの過程では、事例を参加者がそれぞれに理解し、討論を重ねていく中で、自分の発想に欠けている部分を見つけたり、諦めずに考えぬく力を身に付けることができるようになります。

3:研修の進め方

ケースメソッドを用いた研修は、各参加者が事例を理解して自分の意見を持った上で、討論を繰り返しながら解決策を検証し事例を分析するという流れで進めていきます。

ケースメソッドを用いた研修では、事例に関する事前学習が必要です。事前学習での事例の理解と、自分なりの解決策を考えておくことで、参加者同士の討論の際に論理的な発言ができ、他者と意見をぶつけあったときに解決策をより深く検証することができます。

研修のメリット

ケースメソッドを研修に取り入れるメリットは、研修の参加者がどのように問題を解決したらよいのかを主体的に考えて討論を繰り返す中で、社員の実践力を向上させられることです。

ケースメソッドで実践力が向上するのは、主体的に考える訓練になるからだけでなく、他者の持つ情報や考え方も自分のものになるからです。ケースメソッドを用いた学習を積み重ねていくと、実際の仕事でもリーダシップを発揮できるようになります。

4:経験学習モデルについて

体験学習とは、知識を習得する学習と経験学習を区別するための呼びかたで、経験学習を「経験」「省察」「概念化」「実践」という4段階の学習サイクルに分けたものが経験学習モデルです。

経験学習モデルは、経験を積み、その経験を振り返り、経験を次に活かすことができるよう概念化し、新しい場面で実践してみるという流れを繰り返していくことで、人は成長することができるという理論です。

ケースメソッドとの関連性

経験学習モデルは、ケースメソッドと関連しています。ケースメソッドでは、実際の経験ほど深くは学べませんが、経験を疑似体験することができる事例を用いて、自分と他者の意見をぶつけ合うことで、経験学習モデルの中の省察・概念化を効率的に行うことができます。

ケースメソッドで他者と討論すると、他の人が行った事例の省察と、省察から得た概念を取り入れられるので、一つの事例に対してより深く検討することができます。

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ケースメソッドの学習の効果

ケースメソッドを用いた学習は、自分が直面している問題を正確に理解し、論理的な発想で問題を解決する能力を高めることができます。

問題を解決する能力は、実務でリーダーとして行動する際に必要な能力です。ケースメソッドを用いた学習でたくさんの疑似体験を積むことで、実際に現場で問題が発生したときに、すばやく問題解決のための行動を起こすことができるようになります。

1:多くの事例や知識の習得

ケースメソッドを用いた学習を積み重ねることで、実践に役立つ多くの事例や知識を習得することができます。ケースメソッドで得られる知識には、自分が省察・概念化して得たものだけでなく、他者の知識も含まれるので、実際の経験よりも多くの知識を一度に得ることができます。

2:実践力の向上

ケースメソッドを用いた学習では、自分の考えと他者の考えをぶつけ合うことで、事例に対してより深い検証をすることが可能になるので、実践力を効率的に高めることができます。

ケースメソッドで実践力を向上させることで、リーダーとして活躍していくための資質が備わっていきます。

3:問題解決と決定能力の育成

ケースメソッドを用いた学習では、問題解決能力を高めることはもちろん、自分で考えて問題を解決する訓練をする中で、決定能力を高めていくこともできます。

問題解決能力と決定能力は、会社の経営者や管理職などの会社での責任が大きい人物ほど重要になってきます。ケースメソッドは、それらの能力を育成する効果もあるため、多くの企業で取り入れられています。

経験を活かして応用する実践的な学習方法

ケースメソッドを用いた学習は、経験を活かして応用する実践的な学習方法です。他者の考えに触れながら考えを深めていく時間は、とても有意義なものです。

会社で実際に問題を解決したり、何かを決定したりする経験を積む機会が少ない人は、ケースメソッドをもちいた学習で経験を積んで、自分の能力を高めていきましょう。

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