システム開発の流れを18工程に分けて解説!|おすすめの資格

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システム開発とは

システム開発とは、IT技術を利用して既存業務の流れを最適化し、業務管理の標準化を進めて仕事全体の効率化や業務改善を実現するシステムを構築することです。

システム開発では、情報化されていない業務に対して新たにシステムを導入する場合と、すでに構築されている情報システムの改善・見直しの2通りがありますが、システム開発の流れはどちらも同じです。

システム開発の流れを18工程に分けて解説!

システム開発を成功させるには、決められたフェーズを守って進めるのが有効です。

システム開発は細かいフェーズに分けられており、フェーズごとに決定すること、やらなければならないことが決まっています。

フェーズごとにやることがきちんとできていれば、システム開発は問題なく進みます。ここではシステム開発の流れについて、フェーズごとに詳細に説明していきます。

流れ1:開発範囲を決定しRFPをまとめる

システム開発で最初にやる事は、開発範囲を決定してRFPをまとめることです。RFPとはRequest For Proposal、提案依頼書のことです。

現在の業務でシステム化すると効果があると思われる範囲を検討して、もっとも有効だと考えられる範囲をシステム開発するスコープとして決定します。

開発したいシステムの全体像や流れをまとめ、要件や特記事項をまとまたRFPを作成するのが、システム開発の第一歩です。

流れ2:発注先候補に対してオリエンテーションを行う

開発したいシステムのRFPが作成できたら、発注先候補のシステム開発会社に対してオリエンテーションを行います。

RFPに必要なシステムの概要や要件は記述されていますが、受け取る側の解釈がこちらの要望と合わない可能性があるので、すり合わせをする必要があります。

RFPでこちらが要求している内容を誤解なく開発会社と合意するには、オリエンテーションで理解内容を確認しながら進める必要があります。

流れ3:相見積もりを検討して候補を絞り込んで決定

システム開発の次の流れとして、RFPの内容をオリエンテーションなどを通じて各システム開発会社と合意できたら、こちらの予算を伝えて見積もりを出してもらいます。

適正なシステム開発費用で必要なシステム開発を実現するためにも、相見積もりをとる事は重要です。

各社ごとの予算内で実現できる範囲と、システム開発費用のコスト感を知るためにも、複数社での見積もりは有効です。

流れ4:基本契約書締結

システム開発を依頼する開発会社が決まれば、システム開発の次の流れは基本契約の締結です。

この時点では詳細なシステム設計がまだできませんので、基本契約書には契約の有効期間や支払い条件などのおおまかな枠組みについて合意をとります。

システム開発の基本契約書で取り決めるのは、作業範囲や責任分担、納品成果物や検査方法をどうするか、システムの保証範囲や訴訟時の解決方法などになります。

流れ5:要求定義作成

契約が締結されたら、次の流れはシステムの要求定義の作成です。

システムの要求定義は依頼側が主に行います。

要求定義は開発するシステムで実現したいことを、基本的な流れと例外があった場合の対応などすべてを含めたシステムの基本仕様の定義です。

ここで決められた内容で実装されるシステムの姿が決まりますので、抜けや漏れのないよう、必要な仕様すべてを記述しなければなりません。

流れ6:要件定義作成

要求定義が決まったら、システム開発の次の流れは要件定義の作成です。

要件定義の作成は、要求定義で決まったシステムの要求事項をシステムで実現するための開発要件を決めることです。

依頼元が期待する機能をどのようにシステムに実装するかということの定義ですので、開発側が作成して依頼元に提案します。

流れ7:外部設計

外部設計は、利用者からみたシステムの外観の設計です。

入力画面や出力画面などのインターフェースや業務処理の流れに従って進めていく画面の遷移、マスターデータの入出力画面など、利用者がシステムにアクセスする時の見た目の部分を決めていきます。

外部設計は利用者からみたシステムの窓口であり、システムの使いやすさを左右するキーになるところですので、妥協せずしっかりと詰めていきましょう。

流れ8:内部設計

内部設計は、システムの要件をシステム外部設計と関連付けて実現するプログラミングの設計です。システム要件の実現のプログラムの作り方については、依頼する側は考える必要はありません。システム開発の流れの中で、内部設計はシステム開発会社に任せる部分です。

流れ9:個別契約書作成

システム開発で要件定義、外部設計、内部設計の三つができれば、詳細な費用計算が可能になります。

システム開発の作業分担、共同作業をするべき部分を明らかにし、その上で最終的な請負金額を決めて、その内容について明記するのが個別契約書です。

ここで決めた内容と実際のシステム開発の内容で大きな相違が出てくると、追加開発として余分な費用が請求されるなどのトラブルにもつながりますので、十分な注意が必要です。

流れ10:テスト計画

テスト計画は、開発するシステムの品質を担保するために行うテストの実施計画です。

通常の業務や特別処理、例外処理などすべてのシステムの流れについて、どのようなテストを行い、検証するかを明示するのがテスト計画です。

テストを行うことで、システムの振る舞いが正しいことを担保しますので、テスト計画はチェックリストなどにまとめ、テスト実施の結果を管理しなければなりません。

流れ11:プログラムコーディング開始

すべての設計とテスト計画ができたら、システム開発は実際のプログラム開発に入ります。

契約に基づいた期限の中で、設計と仕様に基づいてシステム開発会社がプログラムコーディングを開始します。

プログラムコーディングはすでに決まった設計図に基づいてプログラムを組み立てていくだけですので、システム開発の流れの中では下流のプロセスです。

流れ12:単体テスト

システム開発の流れで、プログラムコーディングの次に行われるのは単体テストです。

単体テストは、コーディングされたプログラムが仕様どおりの動きをしてくれることを確認するために行います。

単体テストはプログラミングの品質確認のために行うので、システム開発会社が管理します。

流れ13:結合テスト

プログラムの単体テストが終わったら、関連するプログラムを連携させた結合テストを行います。

結合テストは、機能別に分割した単体プログラムを連携させた時に正しい動きをするかどうかを確かめます。

通常は単体テストの延長としてシステム開発会社が行います。

流れ14:システムテスト

すべての単体テストと結合テストで正常に動くことが確認できたら、システムテストを行います。

システムテストはシステム開発の実装ステップの流れの最終段階で、導入する企業の環境ですべてのプログラムが要求どおりに動くことを確認するためのテストです。

システムテストまではシステム開発会社で行うことが多いですが、利用者側の要求によっては利用者側が参加してシステムテストを行うこともあります。

流れ15:受入テスト

システムテストが終わったら、システム開発の次の流れは受入テストです。

受入テストでは、流れ10のテスト計画で作成したリストを使って、システムの発注者がシステムの動作確認を行い、検収します。

システムが本番稼働した後に不具合が明らかになった場合、修正はかなり難しく、業務にも支障が出てしまいます。

いいかげんに確認を済まさず、期待されたとおりにシステムが動作することをしっかりと確認しましょう。

流れ16:納品

システム開発の次の流れはシステムの納品です。

納品では、システム本体の発注者のシステム環境へのインストールを行い、バックアップのシステムや仕様書などを併せて発注者に引き渡します。

ここまで来る前に、発注者側も社内での実運用に備えて、社内への説明や勉強会などを行い、導入体制を整えておく必要があります。

流れ17:本稼働

システム導入の流れの最終段階が本稼働です。

本稼働では、実際に現場で新システムを使用して業務を開始します。

本番稼働したら、なるべく早くさまざまな業務パターンを試してみましょう。

個別契約書で決められている期限内であればシステム開発会社で無償対応してくれますが、それを過ぎてからのシステム修正はプログラムミスであっても有償対応になる場合もあります。

流れ18:保守・メンテナンス

システム開発が完了し、システムを本番稼働して問題なくシステムが流れるようになってきたら、運用のフェーズに入ります。

システムは運用している間に不具合が発生したり、業務の変更などによって要件の見直しが必要になってきたりする場合もありますので、システムの保守・メンテナンスが必要です。

保守・メンテナンスは基本的に有償で、費用、範囲などの契約条件を決めて契約書を交わしましょう。

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システム開発者におすすめの資格

システム開発者にとって、システム運用やシステム開発に役立つ資格がいくつかあります。

資格の勉強をすることでシステム開発の流れを理解し、システムの品質を向上させていくために必要な知識や技術を習得できますので、システム開発者になるつもりなら資格を目指すとよいでしょう。

ここでは、システム開発に役に立つ資格をご紹介していきます。

情報技術者試験

情報処理技術者試験は、情報処理技術者の技術の向上を目的とした国家試験で、情報処理を行う際に必要な知識や技能を問われます。

情報処理技術者試験には、求められるレベルや関係するシステム、技能によってたくさんの試験が用意されています。

システム開発の流れを把握するためには、高度情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ試験などを目指すとよいでしょう。

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は高度情報処理技術者試験の1つです。

システムアーキテクト試験はシステム開発の流れの中で、必要要件の定義や、それを実現するためのアーキテクチャの設計ができる人間の育成を目指しています。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、システムアーキテクト試験と同じく高度情報処理技術者試験の1つです。

ネットワークスペシャリスト試験は、実際に企業で情報システムを導入する際に必要な情報システム基盤の専門家として、企画から要件定義、開発や運用保守までを行える人材の育成を目指しています。

オラクルマスター

オラクルマスターは、日本オラクル社が独自で行っているデータベース技術者の認定試験です。

国家試験ではありませんが、データベースとしてオラクルがよく使われていることもあり、メジャーな資格として大勢の情報処理技術者が目指しています。

オラクルマスターは、システム開発の流れの中でデータベースの設計・運用を行う際に役に立ち、システム開発のデータベース構築の際に中心的立場になる人間には有効な資格の1つです。

システム開発の流れを把握しましょう

システム開発は個々を見てみるとどれ一つとして同じものはありませんが、システム開発の流れは同じです。

システム開発の標準的な流れをなぞることで、本番稼働後に発生する不具合やトラブルを最小限に抑えることができます。

システム開発の流れを正しく把握し、情報システムの導入を成功させましょう。

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