PM理論の診断で解ること|PM理論の具体例5つ

スキルアップ

PM理論とは?

PM理論とは、社会心理学者だった三隅二不二(みすみじゅうじ)氏が提唱したリーダーシップ論です。目標達成行動のP(Performance function)機能と集団維持行動のM(Maintenance function)機能という2つの要素でリーダーシップは構成されると提唱しています。

P機能が大きい場合は大文字P、小さい場合は小文字p、M機能が大きい場合は大文字M、小さい場合は小文字mで表します。

PM型

集団の目標達成、課題解決に関する行動をP行動と呼び、集団維持を意図する行動をM行動と呼びます。このPとMの行動を理論上で診断をした結果によって大文字のPM型になった場合、PとMの双方が共に大きいことを示しています。

これは、目標を明確に示しながら成果をあげることが可能で、かつ集団の維持や行動規範が整っていてをまとめられている理想的なケースであること表現しています。

Pm型

PM理論の診断をした結果で、大文字のPと小文字のmで形成されるPm型になった場合は、Pの行動様式が大きくMの行動が小さいという特徴が見られます。

これは、目標を明確に示しているので成果をそれなりにあげてはいるが、集団を上手く機能させたりまとめていく力が弱いことを示しています。成果や結果にばかりこだわるが、人望がないようなワンマンなタイプの経営者などは、このパターンに診断されやすいと言えます。

pM型

PM理論の診断をした結果で、小文字のpの行動様式と大文字のMの行動様式を意味するpM型になった場合は、Pの要素が弱くてMが大きいという状態です。集団の維持やをまとめる力はそれなりにありながら、なかなか成果や結果に繋がらないような状況に陥っている場合です。

こここの診断結果の人は、リーダーとしての人望は備わっていながらも、仕事の内容はいまいち冴えない状況にあるという診断をされています。

pm型

PM理論の診断をした結果でpm型になった場合は、PもMも行動的に弱くて小さいというタイプです。これは、成果をあげることも、集団をまとめることも素質がないかやり方を間違えているといった、現段階でリーダー失格なタイプの人を指します。

あくまでも団体の中のリーダーシップが取れるかどうか、その診断は性格にもよるところがありますので、pm型だからといって人格そのものが悪いわけではありません。

PM理論の具体例

PM理論の診断をする際に考えることは、目標達成行動と集団維持行動の二つのバランスと効果にあります。しかし現実問題として、人員の配備や環境などは企業によってバラつきがあり千差万別です。

あまりにも環境が劣悪な職場では、なかなかPもMも発揮できないことが想定されます。では、このPとMの二つの行動をどのようにすれば理想的に向上させることができるのでしょうか。さらに細かくPM理論の中身を見ていきましょう。

P行動の具体例5つ

PM理論の中にあるP行動とは、目標達成へと向かう行動のことを意味します。組織や企業は、常に目標や目的を掲げて成立します。それは各部署のリーダーたちにも浸透していて、行動様式に落とし込めているか否かに掛かっています。

あるチームの責任者になった場合、そのチームがどのような目標を掲げて目指すのかを、メンバー全員が確認して理解していなくてはなりません。

P行動の具体例1:指示命令を与える

P行動の一貫としてまず挙げられているのは、部下に仕事に関して指示命令を与えるということです。リーダーが取るべき行動で最も分かりやすいもの、それが指示や指令を伝えるという役目です。

いつ誰にどのような指示を与えるのかは、まさにリーダーの裁量に掛かっていて、それによって成果にも差が出てきます。信頼関係が成立していない中で、上から目線で指令を投げかけていると、M行動のほうにリスクが傾く恐れがあります。

P行動の具体例2:目標達成への綿密な計画を立てている

P行動の中での心臓部とも言える部分は、目標達成に向けての計画が綿密に立てられているかどうかです。目標は漠然としてはいけません。具体的な質と量が測定できる状態にしておくことが重要です。

具体的な数字にしてあり、ゴールから逆算して何をどれくらい行動するのかをスケジュール化し、期限を定めておくといった過程を経て決めます。リーダーは自分のチームの目標を数値化し、それを達成するために何をすべきかを選定します。

P行動の具体例3:進捗の報告を求める

P行動が正常に進んでいるかどうかは、時折、確認することが重要です。自分の部下が今どこで何をしていて、どのような仕事をしているのかを把握しながら、追加や改善などを予測することができます。そのためにも進捗状況の報告を部下に求めるのも仕事の一つです。

監視するような感じで聞こえはよくありませんが、進捗状況を無視してしまうと、思わぬトラブルになる可能性もあり得ますので、細心の注意を払う必要があります。

P行動の具体例4:知識やスキルを教える

リーダーとしてのP行動の一つとして、部下に知識やスキルを教えるという課題が含まれます。特に日の浅い新人の部下などには、仕事のノウハウやスキルを伝授する必要があります。

人が行動するための要素で大切なのは、「知る」という現象です。例えば、美味しいスイーツのお店が近所にオープンしたという知らせがあれば、興味がある人は並んででも購入しに行きます。つまり、必要な知識をまず与えることで、良い行動に繋がります。

P行動の具体例5:問題の新しい解決策を示す

P行動においてリーダーになるための条件の一つは、問題解決力の高さです。解決できる問題が大きければ大きいほど達成しがいもあり、信頼も得るようになっていきます。常に問題に対しては新しい解決策を模索しているタイプのリーダーであれば、周囲からも期待されます。

リーダーは問題の浮上に対しての解決策を自分一人だけではなく、チーム全体で捉えて一緒に考えながら導く役目があります。

M行動の具体例5つ

PM理論におけるM行動とは、チームの団結力と統率力を意味します。組織では分担して仕事を遂行し同時進行することもあります。そのため各スタッフの連携は欠かせません。その総括と指揮をするためにリーダーシップを発揮することになります。

良い結果を得る時も、何か悪いトラブルを抱える時も、チームが一丸となりそれらに取り組めるよう、リーダーには適切な行動が求められています。

M行動の具体例1:気軽に話せる

PM理論の中のM行動にて、まずはリーダーとして信頼される立場にならなくてはなりません。気軽に話せるような間柄になる、そのようなキャラクターを目指すことは大切です。かつてリーダーシップとは威圧的な抑制が日常化されていました。

しかしスタッフが委縮するような性格や行動様式をしていては、本来のリーダーシップを取れなくなります。その日によって機嫌の善し悪しを見せる人は、リーダー失格と言えます。

M行動の具体例2:部下を信頼している

PM理論の中のM行動にて、部下を信頼する気持ちを絶やさないことは重要です。これは最終的に必要な条件とも言えます。どの企業でもチーム制で動くことが多いこともあって、そこでの人間関係は健全に働いていなくてはなりません。

まずはリーダーがスタッフを信用するような態度を示していなくては話になりません。部下の仕事を見守り日々をしっかりと過ごしていかなければ、示しがつかないのは言うまでもありません。

M行動の具体例3:部下が困っている場合援助する

PM理論の中のM行動にて、部下への配慮というのも一つのポイントになっています。仕事上で何か問題点が浮上してその解決策に困っている場合は、リーダーはその部下を援助することが必要になります。

何をどのように解決するのかはケースバイケースでもありますが、組織内を円滑にするためには、フォローをするという気持ちを忘れてはなりません。

M行動の具体例4:部下の意見を求める

PM理論診断にてM行動では、チームの中の体制を健全に運営することが謳われています。その際にリーダーが時折注意を払わなくてはならないことが、スタッフの話をしっかりと聞くという行動です。

傾聴する能力が備わったリーダーは、いち早く問題になる前に予防策も取れます。部下の意見を求めながら参考にするという気持ちがとても大切です。

M行動の具体例5:良い仕事をした時に褒める

PM理論診断でのM行動の中で、チームの団結や連帯性を向上させるため、リーダーはありとあらゆる工夫をする必要性があります。その顕著な事例は褒めるという行動です。

人はどうしても結果にこだわり過ぎて完ぺきを求めてしまいます。故に部下を褒めることをしません。できて当たり前だという考えこそ怠惰な証拠です。チームの一員が良い行いをしたら、全員の前で褒めるような習慣を持ちましょう。

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PM理論の診断テスト

PM理論に基づいた適性を知りたいという方には、PM理論診断テストがおすすめです。この診断テストは、PM理論に基づいてリーダーシップのスタンスを診断することが可能なツールです。

方法は至って簡単です。自分や部下、プロジェクトメンバーへのリーダーシップへの考え方、捉え方を幾つかの質問から選んでいきます。回答は5つあり、自分にとって最も近い回答を一つ選びながら進めていきます。

PM理論の診断で解ること

PM理論診断は、P行動、M行動それぞれに10項目を5段階の中から自分に適した値を回答していく診断ツールです。すべての回答を終えたら各項目の点数を合計します。すると自分自身や、自分の上司がPM理論上ではどのようなタイプの性格なのかを分析できます。

質問内容に対しては、あまり深く難がえず直感に従って回答をしてくことで、診断としてもその時の信ぴょう性に見合った分析結果になります。

PM診断をして理想のリーダーを目指そう

ここまで、PM理論に基づいた診断と、その内容の詳細についてお話してきました。PM理論診断はあくまでもバロメーターですので、必ずしもそこに該当するから自分はだめだと嘆く必要はまったくありません。

その逆も然りで、P行動もM行動も理想的な回答を得たからと言って過信しないことが大切です。できれば定期的に診断して、その時々の状況をチェックすると、足りない部分や調子のいい部分が見えてきます。

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