オーセンティックリーダーシップとは?具体的な行動と振る舞い4つ

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オーセンティックリーダーシップとは?

オーセンティックリーダーシップとは、誰かを真似るのではなく自分自身がどういう人間かを認識し、自分の価値観やスタイルを大切にしつつ、他者も尊重し導いていく力のことです。

メドトロニックを12年間で世界最先端の医療テクノロジー企業へと成長させ、ハーバード大学ビジネススクールの教授も務めたビル・ジョージが提唱したリーダーシップ論です。彼はオーセンティックリーダーシップについて5つの特性を挙げています。

自分の目標を明快に理解している

オーセンティックリーダーシップの1つ目の特性は、「こうあるべき」「こうしなければならない」という従来の枠にとらわれず、自分というものをしっかりと認識した上で、自らの実現したい目標を十分に理解していることです。

オーセンティックリーダーシップを備えた人は、自分を冷静に見つめて自身の強みや弱みを捉え、自分の意志や理想、価値観に合った行動をとることができます。

自身のコア・バリューに忠実である

オーセンティックリーダーシップの2つ目の特性は、リーダーとして自分の価値観や揺るぎない信念を持ち続け、それを実現することです。

「コア・バリュー」とは、中心となる価値観のことです。オーセンティックリーダーシップがあると、コア・バリューに忠実なので、外部に影響されることなく、自らが正しいと思える価値観や信念を持ち続け、それらを実現していきます。

情熱的に人をリードする

オーセンティックリーダーシップの3つ目の特性は、上司や部下に関わらず、自分の周囲の人に本音で語りかけ、情熱を持ち、真心を込めて引っ張っていくということです。

本音から出ていない言葉や行動から発することのできる情熱は限られています。情熱的に人をリードするということは、自分を偽ることなく本音で語りかける姿勢をしっかりと持つことをいいます。

人とのリレーションシップを構築する

オーセンティックリーダーシップの4つ目の特性は、深い信頼関係、永続する人間関係を築くということです。

「リレーションシップ」とは、信頼関係、人間関係のことです。リーダーシップを発揮するには、人との信頼関係が必要です。オーセンティックリーダーシップを発揮する人は、社内の上司や部下だけでなく、家族や友人など周囲との強固な信頼関係を構築することができます。

自身の規律を守る

オーセンティックリーダーシップの5つ目の特性は、外的要因に影響されない倫理観をしっかりと持ち、自らを律することです。

オーセンティックリーダーシップが提唱されるようになったきっかけは、アメリカで起こったエンロン社の不正発覚事件です。

この事件以来、不正の防止や企業統治が問われるようになり、周りの環境や評価、利益に影響されず、自分の倫理観や道徳観を常に持つということが重視されるようになりました。

オーセンティックリーダーシップの具体的な行動と振る舞い4つ

ここまで、オーセンティックリーダーシップとは何かについてお話してきました。では、具体的にどういった行動がオーセンティックリーダーシップと言われるのでしょうか。

ここからは、オーセンティックリーダーシップの具体的な行動と振る舞いを4つ取り上げていきます。

1:自身が正しいと思える価値観・倫理観に沿って行動

オーセンティックリーダーシップを発揮する行動として、まず挙げられるのは、自身が正しいと思える価値観・倫理観に沿って行動することです。つまり、周りの意見や評価、利益に影響されず、「自分らしさ」や「自分の価値観・倫理観」のみに従って行動するということです。

誰かの真似や偽りではない自分の価値観を貫き通すことで、リーダーの中にあるコア・バリューを周囲の人に感じさせることも重要です。

2:周囲のメンバーに本音で語りかけ自分を偽らず本音でリードしていく

オーセンティックリーダーシップの具体的な行動と振る舞いには、周囲のメンバーに本音で語りかけ自分を偽らず本音でリードしていくこともあります。つまり、周囲の人に偽りの自分で接するのではなく、自分をさらけ出して情熱と真心を込めて語りかけ、リードするということです。

時には自分の弱みも隠さずに見せて本当の自分として語りかけ、リードしていくことで、周囲の人々との信頼関係がより深くなります。

3:周囲との建設的なリレーションシップを作る

オーセンティックリーダーシップの具体的な行動と振る舞いとして他に挙げられることは、周囲との建設的なリレーションシップを作ることです。自分らしさを持って本音で語りかける中で、上司や部下だけでなく、家族や友人などの周囲の人とも親密な関係を築きます。

自分をさらけ出し、情熱を持ってリードしていくリーダーに、周囲は共感を感じます。その共感がリーダーへの信頼を生み、周囲との密接な関係に繋がります。

4:成長し続ける姿勢を持ち続ける

先に述べたような具体的な行動と振る舞いの原点として、成長し続ける姿勢を持ち続けることが重要です。自分の強みや弱みを客観的に認識し、それを謙虚に受け止めた上で、自らを向上させることに主体的であるということです。

オーセンティックリーダーシップは従来の型にはまらず、自分らしさのあるコア・バリューを実現することを重視します。そのため、その都度、最適なスタイルや方法を常に学び続けることが必要です。

オーセンティックリーダーシップを開発するために必要なこと4つ

ここからは、オーセンティックリーダーシップを開発するためにはどのようなことが必要なのかについて4つご紹介します。必要なこととはいえ、決して難しいことではありません。誰でも簡単にできる「自分らしさ」を生み出すために必要な考え方の工夫といえます。

1:自己理解を促進する

オーセンティックリーダーシップを開発するために必要なことに、自己理解の促進が挙げられます。言い換えると、「自分らしさ」を生み出す材料を見つけ、理解することです。

先ほど述べたように、オーセンティックリーダーシップは自分自身のコア・バリューを体現するリーダーシップです。その実現のためには、「自分らしさ」を主体的に知ることが必要です。自分を知り理解することは、他者を知ることにも繋がります。

2:自身が持つ「道徳性」を理解する

次にオーセンティックリーダーシップを開発するために必要なことは、自身が持つ「道徳性」を理解することです。求められるのは、外的要因に影響されない「道徳性」を持つと同時に、自分を律するということです。

外的要因に影響されない「道徳性」とは、揺るぎのない一貫性のある「倫理観」です。企業や集団のリーダーとして必要な「倫理観」とはどのようなものなのかを深く考察する必要があります。

3:自分の行動を振り返る

オーセンティックリーダーシップにおいて重要視されることは、リーダー自身のコア・バリューです。そのため、自分の行動が自身のコア・バリューに即した行動なのかを常に自問自答し続けることが求められます。

信頼できるリーダーの行動には明確な理由付けがされており、一貫性を持っています。それらは全て自身のコア・バリューに基づいています。自身の行動を真摯に振り返り、倫理観に照らし合わせることも必要です。

4:関わる人たちと「公平」かつ「透明性」のある関係を目指す

オーセンティックリーダーシップを開発するためには、リーダーと周囲との関係性において「公平」かつ「透明性」を持たなければなりません。言い換えれば、秘密のない自分をさらけ出した対等なコミュニケーション、人間関係の構築を目指すことが必要です。

嘘や偽りのない発言は、意見の相違や衝突を生むこともあります。しかし、そうした本音でのコミュニケーションの積み重ねにより、より深い信頼関係を築くことができます。

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オーセンティックリーダーシップの事例

オーセンティックリーダーシップを持ったリーダーの事例を挙げてみます。

上司Nさんはまだ中堅のため分からないことも多く、正直に自分の部下にそう伝えています。ですが、研修会に参加して常に新しい知識を学び、そこで学んだことを実践・共有しています。

部下のMさんは自分と同じ目線で会話ができ、相談もしやすく、目標達成のために常に新しいことを取り入れる姿勢に共感し、その上司から学ぼうという姿勢を常に持っています。

オーセンティックリーダーシップ具体的な行動を学ぼう

オーセンティックリーダーシップは、誰の真似でもないリーダーシップです。「自分らしさ」を持つことで、誰にも真似できない唯一無二のリーダーシップを発揮することができます。自分だけのリーダーとしての素質を活かすことができるリーダーシップです。

コア・バリューをしっかりと持ち、生身の人間として他者と関わり、成長していこうとする姿勢を見せることで、周囲は共感し、共に目標を達成しようとしてくれるでしょう。

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