状況把握力とは
優秀なビジネスパーソンは、往々にして状況把握力に長けているものです。では、状況把握力とは一体どのようなものなのでしょうか。
簡単に言うならば、状況把握力とは現在を客観的に把握して問題点や改善点を適切に認識し、将来起こりうるトラブルやリスクを回避するために欠かすことのできない能力のことです。
状況把握力は、想定外のトラブルが起こることの多いビジネスシーンにおいては必須の能力とも言えるでしょう。
社会人基礎力
社会人として企業に貢献し、利益を上げるためには自分が置かれた状況を正しく把握し、自分がどのような役割を果たすべきか、将来のためにいかなる行動を起こすべきかを考える力が必要です。
状況把握力は、社会人として必須の基本的なスキルであり、それを磨くことができれば周りに差をつけられる優秀なビジネスパーソンになれるでしょう。
以下では、社会人基礎力としての状況把握力の内容について詳しく解説していきます。
前に踏み出す力
状況把握力の特質としてまず挙げられるのが、前に踏み出す力を包含しているということです。
自分やチーム、あるいは組織が現時点でどのような状況に置かれているか分からなかれば右往左往して先を見通せなくなりますが、状況把握力があれば、前に踏み出すことができます。
ビジネスパーソンとして常に前進し、絶えず成長を続けてさまざまなことにチャレンジしていくためには、前に進む力を持つ状況把握力が欠かせません。
考え抜く力
考え抜く力も、状況把握力を鍛えるために必要なスキルのひとつとして挙げられるでしょう。
自分が現在どのような状況にあり、いかなる役割や行動を求められているのかを正しく理解するためには、現状についてとことん考え抜く力が不可欠です。
主観的に考えたり感情的に物事を捉えてしまうことなく、客観的かつ冷静に現状を分析し、現在の問題点を解決してよりよい将来を歩むためにはどうすればよいのかを考えることが必要でしょう。
チームで働く力
状況把握力の中には、チームで働く力も含まれています。ビジネスで成果を上げるためには単独プレーではなくチームプレーをすることも時には必要であり、協調性をもってチームの中で自分の役割をきちんと果たすことが必要です。
現在チームはどのような状態の中にあり、最終的にどのような目標を達成する必要があるのか、そのためには自分はチームの中でいかなる行動を取るべきかを認識する力も、状況把握力のひとつです。
状況把握力を鍛える方法10
以上では、知っているようで意外と知らない状況把握力の概要についてご紹介してきました。
与えられた自分の職責を全うし、職場に迷惑をかけないためにも、また仕事で成果を上げるためにも、社会人として状況把握力を鍛えることが必要だと言えるでしょう。
では、具体的にどうすれば状況把握力を身につけられるのでしょうか。ここからは状況把握力を鍛える方法を10個ピックアップしてご紹介していきますので、ぜひご参考ください。
状況把握力を鍛える方法1:何ができるのか把握する
状況把握力を鍛える方法としてまず挙げられるのが、今自分に何ができるのかをきちんと把握するということです。
よい将来を歩むためには、よりよい今を積み重ねることが不可欠ですので、今自分は何をすべきかを冷静に考えてみましょう。
自分のことばかり考えていると視野が狭くなってしまうので、鷹の目になって物事を俯瞰し、チームや組織・企業のために自分がどのような行動を取ればよいのかを考えることが必要です。
状況把握力を鍛える方法2:周囲と自分の違いを理解する
周囲と自分との違いを正しく認識するということも、状況把握力を鍛える方法のひとつとして挙げられるでしょう。
自分と周囲の人々を比較し、どのような差異があるのか、他の人に比べて自分の頑張りの足りない部分はどこなのかを考えてみることが大切です。
比較対象があってはじめて、自分のことを客観的かつより深く理解することができるでしょう。また、自分の置かれた状況も、周囲との違いを認識することで把握できます。
状況把握力を鍛える方法3:自分の強みを把握する
状況把握力を鍛える方法のひとつに、自分の強みを把握するということも含まれるでしょう。
どんな人にでも強みや長所があるものですので、ビジネスシーンで活かせる自分の強みは何なのかを自己分析してみてください。
他の人と比べて自分の秀でている部分はどこなのか、具体的にどのようなシーンで活かせるのか、また能力をより伸ばすためにはどうすればよいのかを考えることが大切です。
そうすれば、自己成長の道が開けるでしょう。
状況把握力を鍛える方法4:周囲の状況を観察する
周囲の状況を観察してみるというのも、状況把握力を鍛える方法のひとつとして挙げられます。
自分のことばかり考えていると自分の置かれた状況や周囲の状況を客観視できなくなるので、常に周囲を観察する目を持つようにしましょう。
観察力を養うことができれば、現在どのような状態にあり、将来のためにどんな問題を克服すべきかがおのずと見えてきます。
観察力を磨いて、状況把握力をどんどん鍛えていきましょう。
状況把握力を鍛える方法5:自分の立場を常に考える
状況把握力を鍛える方法のひとつとして、自分の立場を常に考えるようにするということも挙げられるでしょう。
仕事は自分一人だけの力で成し遂げることは決してできず、チームや企業という組織の力が絶対的に不可欠です。
組織の中で自分はどのような立場にあり、いかなる行動を求められているのかを認識することが必要です。
自らの領分を出すぎず、かと言って物事に消極的になりすぎず、立場にふさわしい言動を取ることが大切です。
状況把握力を鍛える方法6:優先順位を常に意識する
常に物事の優先順位を考えるようにするというのも、状況把握力を鍛える方法のひとつです。
ビジネスパーソンは往々にして複数の案件を同時並行でこなさねばならないものですので、今すぐにすべきことと後回ししてよいことの順番を正しくつけられるようになることが必要でしょう。
優先順位をつけて行動ができるようになるためには、仕事の内容や期日をきちんと把握しておかねばならないので、結果として状況把握力が鍛えられます。
状況把握力を鍛える方法7:組織の方針に従って行動する
状況把握力を鍛える方法のひとつに、組織の方針に従い行動をするということも含まれるでしょう。
組織に属する社会人は、組織の方針を正しく理解し、組織の利益になるような行動を取らねばなりません。
自分勝手な行動や組織の方針に反する行動は、組織に利益をもたらすどころか損害を与えてしまいます。
自分は組織の一員であることを自覚し、組織の中で求められている自分の役割をきちんと考えることが必要でしょう。
状況把握力を鍛える方法8:疑問を持ち情報収集する
物事に疑問を持ち、情報収集をするように努めるというのも、状況把握力を鍛える方法でしょう。
少しでも疑問に感じたことは放置せず、納得できるところまで徹底的に調べたり、関連する物事について情報収集を行い、全体像を把握することが大切です。
常日頃からさまざまな情報を収集し、それらの中から自分にとって本当に必要なものを取捨選択することができれば、状況把握力を効率的に鍛えることができるでしょう。
状況把握力を鍛える方法9:先入観を排除する
状況把握力を鍛える方法のひとつとして挙げられるのが、先入観を排除するということです。
先入観や固定概念があると、そればバイアスとなって物事の本質を見抜くことができなくなり、結果として現状を正しく把握できなくなります。
「前もこうだったから今回もこうに違いない」と先入観を持たず、常に「本当にこうだろうか」と疑いを持ちながら、現状を分析する癖をつけましょう。
そうすれば、今の状態を正確に把握できるはずです。
状況把握力を鍛える方法10:もしもを想像してみる
「もしも」の場合を想定するということも、状況把握力を鍛える方法のひとつとして挙げられます。
現在に関する自身の推理が間違っていることもよくあるので、誤った推理にもとづいて現状を間違って把握してしまわないためにも、「もしもこうだったら」とさまざまなケースを想定することが大切です。
「もしも」のケースをイメージすることができれば、今自分が置かれた状況を複眼的に把握できるようになるでしょう。
状況把握力を鍛えるメリット4つ
以上で見たように、状況把握力を鍛えるためにはさまざまなことに留意し、意識して自己鍛錬を行っていかなければなりません。
そもそも、どうしてこのような苦労をしてまで、状況把握力を鍛える必要があるのでしょうか。状況把握力がとても役に立つからというのが、その答えです。
ここからは、状況把握力を鍛えることで得られるメリットや利点についてご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
状況把握力を鍛えるメリット1:チームをまとめる存在になれる
状況把握力を鍛えるメリットとしてまず挙げられるのが、チームを統率できる立場になれるということです。
自分だけでなく周囲の人々の置かれた状況を正しく認識し、今なすべきことを的確に指示できるようになれば、チームを率いるリーダーとしてのポジションを得ることができるでしょう。
リーダーになれれば、単なるチームのメンバーでいるよりも権限が大きくなりますし、仕事に対するやりがいもより感じられるようになります。
状況把握力を鍛えるメリット2:役割分担ができるようになる
役割分担ができるようになるというのも、状況把握力を鍛えることの利点として挙げられるでしょう。
チームや組織の置かれた現状を正しく把握することができれば、チームや組織の構成員各々がどのような役割を果たすべきかを分かるため、役割分担を行って物事を効率的に進めることができるはずです。
状況把握力を鍛えるメリット3:優先順位をつけられるようになる
状況把握力を鍛えるメリットのひとつに、優先順位をつけられるようになるということも含まれるでしょう。
今本当に必要なことは何なのか、後回ししてもよいことはどれなのかをきちんと把握できるようになれば、優先順位をつけて仕事を効率的に執り行うことができます。
状況把握力を鍛えるメリット4:計画が的確に立てられるようになる
適切な計画が立てられるようになるというのも、状況把握力を鍛えるメリットのひとつでしょう。
状況把握力をもっていれば、今の問題点を正しく認識し、それを克服してよりよい将来を築くために必要なことが見通せるため、実現可能であり、本当に実現すべき計画を適切に建てられるようになります。
チームで働く力をつけるために状況把握力を鍛えよう
今回は状況把握力を鍛える方法やそのメリットについて特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。
組織の中で働くビジネスパーソンだからこそ、状況把握力を鍛え、チームの中で自分が果たすべき役割や自分の置かれたポジションをきちんと認識できるようになりましょう。