MBOとの内容や主な項目とは?
「MBO(目標管理制度)」とは、個人またはチームごとに目標を設定し、それに対する達成度によって評価を決める制度です。目標(ゴール)が明確であるため、到達するまでの道中を指示を待つだけでなく自発的に考察する必要があります。
MBOにはその目標によってさまざまな方向性があります。それぞれの目標ごとにご紹介いたしますので、現職場環境に最も必要な目標を考察してみてください。
能力開発目標
能力開発目標とは社員の職務に対する能力の向上を目的として設定されるMBOです。ゴールとして設定されるのは能力が身についたと客観的に判断されるものが多いです。
最もわかりやすい例でいうと資格の取得です。将来海外の取引先を相手にビジネスを展開していく必要があります。ビジネス英語での商談が求められる場合、具体的な目標は「年度末までにとあるビジネス英語試験の目標スコアをクリアする」など具体的に示されます。
職務遂行目標
職務遂行目標とは、仕事を効率よく段取りどおりに遂行するためのMBOを指します。業績ではなく結果にいたるまでの過程を改善するための目標設定であるといえます。
チームで仕事をする場合コミュニケーションは避けて通れません。具体的な目標としては報告・連絡・相談を徹底するなど基本的な業務管理ルールを設定して遂行することが挙げられます。MBOにおいてはそうした基本的なことも重要な目標設定に含まれます。
業務改善目標
業務改善目標は業務上で存在しているさまざまな課題を改善し、仕事の段取りとクオリティを向上させるために設定されるMBOです。この目標を設定するためにはまず何が課題として挙げられるかを精査する必要があります。
個人に与えられる目標の場合課題の解決は比較的容易ですが、チームの目標になると一部の個人の努力だけでは改善されないケースが多いです。目標管理者がチームの課題解決の進捗をしっかり把握し管理しましょう。
業績目標
仕事上で発揮された一定の結果に対し評価をするために設けられるMBOです。営業に課される期間あたりの販売成績などがこれにあたります。
管理職からするとこのように業務上の具体的な数値目標があると部下の仕事をより管理しやすくなります。しかし部下とのコミュニケーションが不足したり、部下の能力では到達不可能な目標を設定してしまうと、MBOとしての機能を果たすことができません。
目標管理制度(MBO)導入の注意点6つ
一見万能そうなMBOですが、安易に導入した結果むしろ悪化してしまうケースも存在します。MBOにおける注意点をしっかり把握した上で導入し、社員の評価に反映させていくことが重要です。
この項目ではMBO導入の際に注意しておきたい点についてご紹介します。安易なMBOにしたがって評価した結果、その評価が不当なものになってしまう可能性もあるため、導入する前に目標設定の確認が必要です。
目標管理制度(MBO)導入の注意点1:わかりやすい目標を設定する
自分が与えられた目標をクリアしたかどうかが曖昧だと、その目標は本来の意味を成しているとはいえません。具体的な数値や行動記録など根拠を持って社員の管理と評価を行わなくてはなりません。
わかりやすい目標であれば社員もそのゴールに向けて段取りをしやすいので、業務のクオリティも向上します。MBOの目的はあくまで業務全体の改善であることを念頭に置くようにしましょう。
目標管理制度(MBO)導入の注意点2:適切な目標のレベルにする
社員の能力では到底達成できない目標を与えてしまうと、社員は日々の業務で疲弊し結果的に業務全体のクオリティを下げることになります。MBOの目的として社員のモチベーションを維持することもその一つです。
モチベーション管理において最も重要なことは「達成感」です。自分は会社やチームに貢献しているんだという実感を持たせることがモチベーションの維持につながります。
目標管理制度(MBO)導入の注意点3:期間を決める
いつまでに目標を達成するのかを明確にしないと、結果的にその目標は達成されないまま放置されてしまう可能性が高いです。期間を設定することで目標を達成するために必要な段取りもたてやすくなります。
時間当たりの仕事のクオリティを向上させ、無駄な残業時間を減らすなど効率化を図ることもMBOの意義です。適切な期間を設定することで管理職による評価もしやすくなります。
目標管理制度(MBO)導入の注意点4:目標達成のみを目的にさせない
目標設定は業務改善に非常に有効ですが、それだけを目的にしてしまうと目標が無くなった時に問題が発生します。あくまでMBOは評価基準であって思考停止させるためのものではないことを認識させる必要があります。
社員が自発的に行動し、目標達成後に何をすべきなのかを事前に把握させておきましょう。目標に到達していない同僚のサポートなどがそれにあたります。
目標管理制度(MBO)導入の注意点5:目標設定の意義を共有する
チームでひとつの目標を達成する場合、なぜこの目標が必要なのかを明確にしないとチームの団結力は生まれません。管理職は全員が納得した上で目標までの道筋をサポートする必要があります。
これは個人にも当てはまります。個人の業務改善が結果的に会社全体にどのような影響を与えるのか、説明し納得することでより質の高い改善を期待することができるでしょう。
目標管理制度(MBO)導入の注意点6:目標に段階を設ける
長期目標・中期目標・短期目標といったように大きな目標から小さな目標まで設定することで道筋がより明確になります。いきなり10年先の目標だけ与えられても社員は困惑してしまうでしょう。
一段一段階段を上るように社員の目標達成を管理しなくてはなりません。しかしその管理が質の高いものであればあるほど、社員は安心して全力で働くことができるでしょう。
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MBO導入のメリット3つ
MBO導入のきっかけは成果主義の普及によるとされています。年功序列制だった日本の会社組織だと、能力のある人材が正しく評価されないことが往々にして存在していました。
会社のあり方そのものが変わろうとしている現代の日本で、MBOを導入するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。3つのメリットを紹介していきます。
MBO導入のメリット1:モチベーションアップにつながる
目標達成は最もわかりやすい達成感を感じる瞬間であるといえます。社員のモチベーション管理は非常に難しいですが、離職率を低下させるためには避けて通れません。
先述のとおり、管理職にとって社員が会社に貢献できていると思ってもらうことが重要です。そのために適切な目標をたててそれをサポートすることが良い結果につながります。
MBO導入のメリット2:能力開発が見込める
資格や検定のスコアなど専門領域の能力開発のために目標設定はうってつけといえるでしょう。期間を設定すると明確なスケジュールをたてて勉強することも容易になります。
ここで重要なのは社員が自発的に能力開発のための勉強を行えるかどうかです。与えられただけの目標ではそれを行うことは難しいでしょう。
MBO導入のメリット3:評価がしやすくなる
曖昧だった評価基準に対し、具体的な結果をもってして評価の根拠を社員に伝えられます。目標に対して達成できたか否か、その期間・質など様ざまな決定要因から評価を導くことができます。
部下は自分の評価に対して納得しやすくなりますし、現在の成果主義の風潮にあっているといえるでしょう。
MBOを有効に使えるようにしよう
MBOを有効に使うことで社内の業務改善や社員のモチベーションの管理・維持のしやすさなど様ざまなメリットがあることがお分かりいただけたでしょうか。
目標達成には個人の能力やチームの状態にあわせた柔軟な対応と適切なサポートが必要不可欠です。結果だけでなく、達成するための道筋にも視点を置いて業務改善に取り組みましょう。