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2019年09月15日

グループシンクだと考えられる症状8つ|グループシンク回避方法8つ

「集団浅慮」と訳されるグループシンクは組織を停滞させ、誤った方向へと突き進み破滅的な結末を向かる原因になり得ます。この記事ではグループシンクの典型的な症状に加えて、それを回避するための方策についてご紹介しているのでぜひご覧ください。

グループシンクだと考えられる症状8つ|グループシンク回避方法8つ

グループシンクとは

みなさんは「グループシンク」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

グループシンクとは社会心理学者のアーヴィング・ジャニスが提唱した概念であり、集団(グループ)で物事について協議を行う際に誤った道筋を辿ってしまうプロセスや、明らかに間違っている判断・決断が異議申し立てされることなく実行されてしまうことを意味します。

集団浅慮・集団思考

グループシンクとは、日本語では集団浅慮や集団思考と訳されるのが一般的です。

「三人寄れば文殊の知恵」という言葉があるように、本来ならば多くの人々が集まって協議を行えば単独で考えるよりもよりよい決断を下せそうなものですが、これは必ずしも正しくありません。

集団であるがゆえに同調圧力などの心理が働き、明らかに誤った決定が何の疑問も抱かれることなく下されてしまう恐ろしさをグループシンクは指摘しています。

グループシフトとは

グループシフトも、グループシンクを知る上で欠かすことのできない社会心理学の概念のひとつです。

グループシフトとは、一人や少数で協議を行うよりも集団で協議を行ったほうが、極端かつ過剰に同質的な意見へと収束してしまうことを示す概念であり、日本語ではしばしば「集団傾向」と訳されています。

グループシンクの特徴

以上でご紹介したように、グループシンクには明らかに間違っている決定であっても、その間違いが指摘されることなく集団の中で共有され、それが貫徹されてしまうとうい恐ろしさがあります。

グループシンクは企業においても、また政策決定を行う専門家集団や政治家サークルの中でも頻繁に見られるものです。

ここからは、グループシンクに見られる特徴について詳しく見ていきましょう。

支配的なリーダーが存在する

グループシンクの特徴としてまずご紹介したいのが、支配的なリーダーが存在するということです。

リーダーが支配的であり、グループの他のメンバーがリーダーに反論したり異議申し立てを行うことが不可能な状態にあれば、リーダーの独断的で誤った考え・決断が上意下達的に貫徹されてしまうため、グループごと誤った方向に突き進んでしまうでしょう。

政治においては、リーダーが独裁者である場合にこのような傾向が顕著になります。

集団凝集性が高い

集団凝集性が高いというのも、グループシンクに陥りやすい集団に共通してみられる特徴のひとつでしょう。

同じ社会集団に属していたり似通ったバックグラウンドを持つメンバーがグループの大半を占めているならば、意見に多様性が存在せず、外部から新しい考えや価値観を頑なに取り入れようとしないどころかそれを排除しようとします。

よって、傍から見ると明らかに間違っている決定でもそれを妄信して追従してしまいがちです。

グループシンクだと考えられる症状8つ

企業にせよ政治家集団にせよ、グループシンクの状態に陥ってしまうとその集団の生産性が低下するだけではなく、場合によっては破滅的な結末を迎えてしまうことになるでしょう。

そうならないためには、グループシンクだと考えられる症状を正確に把握し、自分の所属するグループがそのような状態に陥っていないかどうかを常に検証する必要があります。

ここからはグループシンクだと考えられる症状について詳しく解説していきます。

グループシンクだと考えられる症状1:自分たちは絶対に大丈夫という楽観的な幻想・過大評価

グループシンクだと考えられる症状としてまず知っておきたいのが、「自分たちは絶対に大丈夫」という幻想を抱いているということです。

何の根拠もないのにもかかわらず、これまでの成功経験にあぐらをかき、将来のことについてきちんと分析・熟考することなしに「自分たちは失敗するわけがない」と過大評価をしていると、グループシンクに陥っている可能性が大でしょう。

グループシンクだと考えられる症状2:自分たちの考えを再考しようとはしない

自分たちの考えを再考しようとしないというのも、グループシンクだと考えられる症状のひとつでしょう。

集団が正しい方向へと進むためには、常に自己点検を行い自省的に自らの行動や決定を振りかえる必要がありますが、このような必要作業を怠り、自分たちが下した決定を再考しようとさえしなければ、グループシンクに陥っていると言えます。

グループシンクだと考えられる症状3:自分たちが正しいと思い込み倫理や道徳を無視する

自分たちが絶対的に正しいと思い込み、倫理や道徳を無視するということもグループシンクに陥っている状態のひとつに数えられるでしょう。

自分たちの権力や影響力の大きさに酔いしれ、「自分たちは絶対的に正しく自分たちを批判する者たちは間違っている」と思い込んでしまうと、道徳や倫理を無視するだけではなく人々を虐げ、抑圧する破壊的な行動を取ってしまいがちです。

グループシンクだと考えられる症状4:外部の集団への偏見・軽視

外部集団への偏見や軽視が頻繁になされるようになっているというのも、グループシンクだと考えられる症状のひとつでしょう。

自分たちの集団が絶対的に正しく至上の存在であると勘違いをしているからこそ、外部集団を見下し過小評価を行い、外部集団の提案やそれが提唱する自分たちとは異なる価値観や意見を全く受け入れようとしません。

グループシンクだと考えられる症状5:異議をとなえることへの圧力

グループシンクだと考えられる症状のひとつとして、異議を唱えることに対して陰に陽に圧力が存在するということも挙げられます。

グループシンクに陥っている集団においては適切な批判や異議申し立ての余地が一切排除されており、同調圧力によって間接的に異議を封殺するか、あるいは異議を申立てしようとするメンバーに対して抑圧や排除を行うことでしょう。

グループシンクだと考えられる症状6:疑問や考え・思考を自分で抑制する

疑問や思考する機会を自分で抑圧するというのも、グループシンクの症状のひとつです。

自分たちグループが間違っていることをしていると内心は気づいていたとしても、それを疑問視したり批判的に検討せずに逃げてしまいます。

集団が悪の道へと突き進んでいたとしても疑問視したり批判するどころか、思考停止状態になって追従してしまうため、哲学者アンナ・ハーレントが指摘した「凡庸なる悪」と似通ったところがあるでしょう。

グループシンクだと考えられる症状7:全員が一致していると思い込んでいる

グループシンクだと考えられる症状のひとつとしてご紹介したいのが、全員が同じ意見を持っていると思い込んでいるということです。

最初から「自分たちグループのメンバーは完全に意見が一致している」という大前提に立ってしまっているため、メンバーの異なる意見に耳を傾けようともせず、多様性も認めません。

仮に少しでも疑問を呈する人がいたならば、「異端分子」として徹底的に排除するでしょう。

グループシンクだと考えられる症状8:グループにとって都合の悪いことは目をそらす

グループにとって都合の悪いことからは目をそらすというのも、グループシンクの典型的な症状です。

明らかに間違った方向へと突き進んでしまい、それによって外部から強い批判を向けられるようになったとしても、自らの集団の過ちを認めることは決してなく、それを黙殺しようとします。

グループシンクを防ぐ回避方法8つ

グループシンクの症状にいったん陥ってしまったのならば、その集団はどんどん退廃していき、破滅的な道を辿ってしまうことでしょう。

では、どうすればそれを防ぐことができるのでしょうか。ここからは、グループシンクを防ぐ回避法をご紹介していきます。

グループシンクを防ぐ回避方法1:尊重しあう

何よりも大切なのが、グループのメンバー一人一人を尊重するということです。

どんなに同質的に思えるグループであっても、所詮は違う考え・価値観を持つ人間の集まりであり、完全に意見が一致しないということを認識することが大切です。

この前提に立ち、メンバーの異なる意見や価値観に対して敬意を払い、それに耳を傾けることが必須でしょう。

グループシンクを防ぐ回避方法2:公平な姿勢をとる

公平な姿勢を取るということも、グループシンクを回避するための方法として挙げられるでしょう。

グループ内においてマイノリティの意見であったとしても、マジョリティの意見を優遇せず、少数派の意見にもきちんと傾聴することが必須です。

グループシンクを防ぐ回避方法3:批判的な意見を言う

グループシンクを防ぐためには、意識して批判的な意見を言うということも大切でしょう。

グループ外部ではなくグループ内部に対する批判を述べることは、グループ内を健全化する上で不可欠なことだからです。

そのためには、たとえ権限のないメンバーであったとしても気軽に批判を述べられる雰囲気を作ることが必要でしょう。

グループシンクを防ぐ回避方法4:集団の外部にグループを作る

集団の外部にグループを作るというのも、グループシンクを防ぐための回避方法でしょう。

集団の内部だけにしかグループを作らないと強い同調圧力が働き、異なる意見や批判が封殺されてしまうので、それを防いでグループ内部の硬直化を改善するためには、外部にグループを作り定期的に交流を行うことが大切です。

グループシンクを防ぐ回避方法5:外部の意見を取り入れる

グループシンクを防ぐためには、外部の意見を積極的に取り入れることも必要でしょう。

グループ内だけで協議を行うとどうしても考えや価値観が凝り固まってしまい自分たちの過ちに気づけなくなってしまうので、異なる属性や価値観を持つ外部の人間とコミュニケーションを積極的にとり、その意見を取り入れることが大切です。

グループシンクを防ぐ回避方法6:多数意見に挑戦する

多数意見に挑戦するというのも、グループシンクを防ぐために不可欠なことです。

マジョリティの意見に引きずられて誤った決定がなされることもしばしばですので、それを防ぐために安易に多数決を取らず、少数派の意見を尊重して時には多数意見を批判的に検証する作業が必要でしょう。

グループシンクを防ぐ回避方法7:リーダーはサポートへ

グループシンクの回避方法としておすすめしたいのが、リーダーはサポート役に徹するということです。

支配的なリーダーがいると上意下達の独裁体制がいつの間にか出来上がってしまうので、このような状態を避け、下位メンバーであっても積極的に自分の意見を述べ批判が行えるように、リーダーは補助的な役割にまわりましょう。

グループシンクを防ぐ回避方法8:評価する機会を作る

評価する機会を定期的に作るというのも、グループシンクを回避するためには欠かせません。

自己点検だとグループ内の問題点を正しく把握したりそれに果敢に切り込んでいくことは難しいため、自己点検を行いながらも同時に、第三者で作った外部委員会などに評価してもらうことが大切です。

グループシンクを理解し自分をしっかり持っておくことが必要

今回はグループシンクをテーマに、その典型的な症状や回避方法などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

グループシンクの恐ろしさやそれに陥ってしまう原因や条件をきちんと把握したうえで、自分らしい考えや意見を持ち、それを恐れずに堂々と表現できるようになりましょう。

そうすればグループの健全性が保たれ、より良い方向へと進むことができるはずです。

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