給与所得控除を計算する際のポイント4つ|確定申告をする際のポイント

雑学

給与所得控除とは

給与所得控除とは、給与をもらって働く人、いわゆるサラリーマンの課税対象額を計算するうえで、適用される控除で、その年の年収によって変動します。個人事業主でいうところの必要経費に該当するのがこの給与所得控除になります。

給与所得控除が持つ意義

給与所得控除が持つ意義とは?

給与所得控除は個人事業主とサラリーマンで課税対象額に不利が生じないようにするために設けられています。

もし、給与所得控除が存在しなければどうなるでしょうか。個人事業主の方は仕事をする上で必要なパソコンであったりインターネットの費用などを必要経費扱いにすることができます。必要経費は課税対象にはならないため、収入から差し引くことができます。

もしも、サラリーマンに給与所得控除がなかったら
・個人事業主の場合
収入-必要経費=課税対象
・サラリーマンの場合
収入=課税対象
となり、課税対象額に大きな差が生まれてしまいます。

給与所得者の公平性を保つ

個人事業主であれば仕事に必要なものは必要経費として課税対象額から差し引くことができます。しかし、サラリーマンであっても仕事に必要なものはありますが、自己負担で用意したものに関して、すべてを把握するのは事業者にとっても我々にとっても大変な手間になります。

そこで給与所得控除としての枠を設けることで、個別に経費を判断する必要がなくなり公平に控除額を決定することができます。

「所得控除」との違い

給与所得控除の他にも所得控除というものがあり、どちらにも所得控除とついていますが、中身は別物となっています。給与所得控除は給与所得者の給与に対して無条件に適用される控除です。給与所得者自身が申告せずとも適用されます。一方の所得控除は、控除を受けるためには特定の条件があり、さらに個人で申請が必要となります。

所得控除とは、14種類の控除の総称で医療費控除、雑損控除、社会保険料控除、寄附金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、小規模企業共済掛金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、基礎控除があります。

給与所得控除を計算する際の4つのポイント

給与所得控除額を計算する際には次の4つのポイントに注意する必要があります。

給与所得控除額の計算にはその年の収入(ボーナスや各種手当を含む)を使用して計算します。ただし、社内規定に基づいて支給される通勤費、出張旅費、祝い金、見舞金などは含まれません。
給与所得控除を計算する際にはいくつか注意しなければいけないことがあります。ここで紹介するポイントをしっかりと抑えて正しく計算できるようにしましょう。

給与所得控除を計算する際のポイント1:【年収別】計算方法

給与所得控除は次のように計算できます。

年収給与所得控除額
180万円以下年収×40%(控除額が65万円に満たない場合には65万円)
180万円超360万円以下年収×30%+18万
360万円超660万円以下年収×20%+54万
660万円超1000万以下年収×10%+120万
1000万円超220万(上限)

この計算方法を見ると、給与所得控除額は年収が低い人ほど控除額の割合が多くなっていることがわかります。

年収別の計算方法1:年収400万の場合

360万円超660万円以下の場合の給与所得控除額は年収×20%+54万円となります。
よって、年収400万の場合は
400万×20%+54万=80万+54万=134万
となります。

年収別の計算方法2:年収600万の場合

360万円超660万円以下の場合の給与所得控除額は年収金額×20%+54万円となります。
よって、年収600万の場合は
600万×20%+54万=120万+54万=174万
となります。

年収別の計算方法3:年収800万の場合

660万円超1000万円以下の場合の給与所得控除額は年収×10%+120万円となります。
よって、年収800万の場合は
800万×10%+120万=80万+120万=200万
となります。

給与所得控除を計算する際のポイント2:基礎控除も加わる

課税対象額を計算する際にの控除額には基礎控除も加わります。

基礎控除は所得控除の1種です。しかし、基礎控除は他の所得控除と異なり申告の必要がなく、無条件に適用されます。また、基礎控除額は所得税計算時と、住民税計算時では控除額が異なり、所得税計算時は38万円、住民税計算時には33万円となります。

よく、パートやアルバイトの方が年収が103万円を超えると税金が発生すると言っているのは、給与所得控除65万円+基礎控除38万円=103万円の控除の枠組みのことを示しています。

給与所得控除を計算する際のポイント3:特定支出がある場合は控除額が変わる

特定支出がある場合は控除額が変わりますので注意しましょう。

給与所得控除はサラリーマンの必要経費であるとご説明しましたが、人によっては給与所得控除を上回る費用が経費として生じる場合があります。

例えば会社の通勤補助では通勤費が賄いきれず自己負担している場合や、仕事に必要な資格を自己負担した場合などです。このような場合には、確定申告をすることで給与所得控除額を超えた自己負担分を所得金額から差し引くことができます。

特定支出として認められるのは、通勤費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費・勤務必要経費の6つで、上限はその年の給与所得控除額の50%です。

給与所得控除を計算する際のポイント4:給与所得控除は変動する

給与所得控除は変動するので注意しましょう。

給与所得控除はその年によって変動します。今回紹介した計算方法は2018年・2019年の収入に適用されます。2020年はまた計算方法が変わるとされています。詳しく気になる方は国税庁のホームページをチェックしてみましょう。

よって、給与所得控除額を計算する際には必ずその年の計算方法を確認するようにしましょう。

給与所得者が確定申告をする際のポイント

多くのサラリーマンは会社が行う年末調整しか行わないという人もいるのではないでしょうか。ここでは、そんなサラリーマンの方々の中で、確定申告をする義務がある場合と確定申告をした方がいいケースについてご説明します。

確定申告をする義務がある場合

以下の場合に該当するときには、サラリーマンの方でも確定申告が必要になります。
・年収が2000万円を超える人
・副業や投資の合計所得金額が20万円を超える人
・本業となる会社以外からの所得金額が20万円を超える人
・同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
・災害減免法により所得税の軽減免除を受けている人
・源泉徴収義務のない人から給与をもらっている場合
・退職金の税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

確定申告をした方がいいケース

以下の場合に該当するときには、確定申告をすることで税金を軽減することができますので、積極的に利用していきましょう。
・途中退職で、年末調整を受けなかったとき
・認定住宅のマイホームを新築で取得したとき
・特定支出控除の適用を受けるとき
・各種取得控除を受けるとき

給与所得控除について正しく理解しよう

今回は給与所得控除についてご説明してきましたがいかがでしたでしょうか。給与所得控除はサラリーマンにとっての必要経費であり、個人事業主との差をなくすために存在しています。

また、その計算方法は年収によっても年によっても変わってきます。さらに、実際の課税対象額の計算の際には、給与所得控除以外にも基礎控除や特定支出なども控除額に加えることができます。

また、人によってはサラリーマンであっても確定申告が必要な場合や、確定申告することで減税措置が受けられることをお伝えしてきました。

給与所得控除について正しく理解して、余計な税金を取られないようにしましょう。

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