マイナンバーとは?
つい最近、日本でもマイナンバー制度が導入されましたね?それからということ、新聞やテレビなどのメディアでよくマイナンバーに関するニュースや記事を見かけることが多くなりました。
ところで皆さん、このマイナンバー制度が何のために開始されたのかしっかりと理解していますか?
今回は、マイナンバー制度がもたらすデメリットについてあらゆる観点から考察していきたいと思いますが、まずはそもそもこのマイナンバー制度に何のメリットがあって導入され始めたのかについて考えて行きたいと思います。
マイナンバー制度がもたらすメリットその1 ~行政の効率化~
まずマイナンバーのメリットとして挙げられるのが、「行政の効率化」です。
具体的にどんな効果があるのかというと、国民一人一人に専用のナンバーを与えることで、その人にいくら収入があるのかとか、どのくらい税金や保険料を支払っているのかという情報をあらゆる行政機関や地方公共団体などで瞬時に共有することが可能になります。
それによって、あらゆる行政機関が様々な情報の照合、転記、入力などに今まで要している時間や労力が減少するといった効果がもたらされます。
さらに、複数の期間で連携がとりやすくなるため、作業の重複などの無駄も減少します。
マイナンバー制度がもたらすメリットその2 ~国民の利便性の向上~
メリット2つ目は、「国民の利便性の向上」です。
先ほど、マイナンバーが国民一人一人に与えられることで、あらゆる機関が国民の個人情報を瞬時に共有することができるようになると言いましたが、逆に国民も自分のマイナンバーを提示するという簡単な手続きだけで、自分の個人情報を全て確認できるようになったり、行政機関から様々なサービスやお知らせを簡単に受け取ることができるようになるんです。
マイナンバー制度がもたらすメリットその3 ~公平・公正な社会の実現~
メリット3つ目は、「公平・公正な社会の実現」です。
国民一人一人にマイナンバーが与えられて、個人情報があらゆる行政で共有されることで、その人の所得金額や収入源、またそれに応じた所得税や保険料を国に納めているかどうかを一瞬で把握できるようになる。
それによって、国民の不当な給付や脱税などを防げる可能性が格段にアップし、また本当に国からの支援を必要としている人に対して、政府のサービスを利用しやすくなります。
マイナンバーのデメリット
今までマイナンバー制度のもたらすメリットをいくつかご紹介してきましたが、マイナンバー制度にはやはりデメリットも存在するんです。
ここからは、マイナンバー制度のメリットの裏に存在するデメリットについて考えて行きたいと思います。
副業しているサラリーマンにとってのデメリット:副業がしにくくなる
まずマイナンバー制度の1つ目のデメリットは、「今までより副業が行いにくくなる」という点です。
どういうことかというと、ある会社に勤めているサラリーマンがその会社から給与を得ているという情報を勿論その会社は把握しています。そして、その給与から所得税や住民税などの税金がどのくらい差し引かれているのかも把握しています。
しかし、もしそのサラリーマンが本業である仕事以外に副業を行っていたとしたら、本業でる方の会社は、サラリーマンが副業として働いている方の会社での情報までをも把握することは困難でしたし、そもそもそのサラリーマンが副業を行っているかどうかもわかりづらかったのが今までです。
そこでマイナンバー制度が導入されて個人情報が一本化されることで、そのサラリーマンのマイナンバーさえ把握していれば、そのサラリーマンにとって本業である方の会社は、副業である会社でのサラリーマンの情報も把握することが容易になるということです。
それによって、もともと副業を禁止している会社としては、副業が発覚した際にサラリーマンに対して厳しい処罰を行う可能性もあります。
同じように行政機関も今までは副業の存在に気づきにくかった部分が改善されて、全ての情報を容易に把握できるようになるわけですから、本業での収入からだけでなく、副業での収入からも税金をしっかり集めることができるようになるため、副業を行っても個人的な利益を上げることが難しくなってきます。
これが、1つ目のデメリットです。
個人にとってのデメリット:総合的に納める税金が増える
デメリット2つ目は、「総合的に見て、納める税金が増えてしまう」という点です。
株式・投資・FXで得た収入というのは、分離課税の対象であって、所得税などが差し引かれるときに目安となるその人の所得金額には含まれませんでした。
そのため、今までは株式・投資・FXなどで得た収入にかかる税率は一律で20パーセントになっていて、所得税に採用されている累進課税制度のように収入が多くなれば多くなるほど税率も高くなるというわけではありませんでした。
しかし、マイナンバー制度が導入されることで、行政機関が個人の収入がどこからいくらあるのかが特定できるようになるため、個人の総合所得額を容易に把握することができるようになります。
それによって、マイナンバー制度が導入されたのをきっかけに、株式・投資・FXなどの金融所得も総合所得に含まれて、その総合所得額に応じた税率が定められるようになります。
つまり、株式・投資・FXなどの金融所得額が増えて、総合所得額が高くなればなるほど、税金として納めなければいけなくなってしまうということです。
これが、2つ目のデメリットです。
法人にとってのデメリット:個人情報の漏洩の危険性が高まる
デメリット3つ目は、「個人情報の漏洩の危険性が高まる」という点です。
今では、従業員の健康保険や厚生年金などの社会保障関係の手続きは、会社や企業側が行うのが一般的になっています。
しかし、そういった社会保障関係の手続きだったり、所得税などの税金関係の手続きを行うためにはマイナンバーが必要になってきます。そうすると、会社は従業員全員分のマイナンバーを取り扱うことになります。
マイナンバーは個人のあらゆる個人情報につながっているため、万が一会社全体として大きな情報漏洩が発生したときに、今までより何倍もの情報の漏洩につながってしまいます。
最近では、企業への悪質なサーバー攻撃などによる情報の漏洩が多発しているため、マイナンバー制度がより本格的に使用されるようになり始めたら、会社側としても情報漏洩を防止するためにセキュリティー面の強化を行う必要があるという点が会社側としてのデメリットとなります。
さらに、会社として従業員への理解を得るための何らかの方針や取扱規定を定める必要性が出てくるというのも会社側のデメリットの一つです。
業務委託時のデメリット:業務委託がしにくくなる
デメリット4つ目は、「業務委託がしにくくなる」という点です。
先ほど述べた、個人情報の漏洩へのセキュリティー面での対策が重要になってくるということに大きく関わってくるのですが。
もし会社の業務の一部を他の会社へ業務委託する場合に、個人情報の漏洩を防ぐための規定に関して両社が合意し、良く理解しておく必要があるということです。
そのためには、会社としては今まで必要なかったような時間や労力を費やすことになるため、業務委託今までと比べて行いづらくなるというデメリットが考えられます。
マイナンバー制度にはメリットもあるが、デメリットも多い
いかかでしたでしょうか? 今回は、「マイナンバー制度」の導入によってもたらされるメリットとデメリットについて様々な観点から考察してみました。
マイナンバー制度の導入にあたって、色々なメリットが国民や会社にもたらされることが考えられますが、一方でマイナンバー制度の導入に伴って起こりうるデメリットも数多くあります。
そういったデメリットに対して個人としても、会社としても、そして国としても、どのように対策していくかが重要になってきます。