正社員の30代の平均年収は467万円(2016年現在)
30代で正社員の人の平均年収はどのようになっているのでしょうか。
転職サイト「doda」が2016年にリサーチした結果では「467万円」でした。
2017年2月現在の日本の場合、平均年収は420万円ですので、30代では日本人の平均年収よりも少し多く稼いでいるビジネスマン、ウーマンも少なくないようです。
では、これを年齢別に見ていくとどうなるのでしょうか。
30歳の平均年収
男性は結婚を意識し始め、女性は結婚を焦り始めたり出産を考えたりする年齢。特に女性の場合、このあたりからキャリアチェンジ(いわゆる”バリキャリ”か”ゆるキャリ”、または結婚をきっかけに寿引退)が強いられます。そんな30歳正社員の平均年収は426万円。
日本人の平均年収より少し高くなっています。
31歳の平均年収
30歳と同じく男性は結婚を意識し始め、女性は結婚を焦り始めたり出産を考えたりする年齢。特に女性の場合、このあたりからキャリアチェンジ(いわゆる”バリキャリ”か”ゆるキャリ”、または結婚をきっかけに寿引退)が強いられます。
31歳の平均年収は441万円となっており、30歳に比べて20万円近くの増額となりました。22歳で就職した大卒の人の場合、30歳で昇格を果たして31歳になって給料に反映されるケースも多く、この年収差につながったと予想されます。
32歳の平均年収
30歳、31歳と同じく男性は結婚を意識し始め、女性は結婚を焦り始めたり出産を考えたりする年齢。特に女性の場合、このあたりからキャリアチェンジ(いわゆる”バリキャリ”か”ゆるキャリ”、または結婚をきっかけに寿引退)が強いられます。
32歳の平均年収は455万円となっており、30歳から31歳に比べると昇給幅は衰えますが、それでも10万円近くアップしています。
33歳の平均年収
30歳から31歳と同じく男性は結婚を意識し始め、女性は結婚を焦り始めたり出産を考えたりする年齢ですが、このあたりから世間の眼差しは徐々に変わってきます。
女性の場合、このあたりからキャリアチェンジ(いわゆる”バリキャリ”か”ゆるキャリ”、または結婚をきっかけに寿引退)が強いられますが、このあたりになると人生の方針が決定している人も少なくありません。
33歳の平均年収は465万円となっており、31歳から32歳同様に幅は大きくありません。
34歳の平均年収
33歳は「ざっくり30歳」と言われることもありましたが、34歳は「ざっくり35歳」と世間的に見られるようになり、いよいよ男女ともに恋愛しづらくなり、また未婚者で結婚願望がある場合は婚活が本格化します。
実際ネットで「33歳」と検索すると、サジェスト変換に「芸能人」「独身」「平均年収」などといったキーワードが出、「33歳の芸能人特集」「33歳女性の厄年乗り越え方」などといったサイトが表示されますが、34歳で検索して引っかかるのは「女性の恋愛事情」「結婚への焦りに対する回答」など、現実的なサイトが多くなります。
そんな34歳の平均年収は466万円と、33歳の時よりも全く変化していません。このあたりになると30代の平均年収を超えていきます。
35歳の平均年収
本格的に「アラフォー」と呼ばれることも多くなったこの世代。
一般的に35歳は転職市場で大きな転換期とされており、一部では「35歳転職限界説」もささやかれています。
実際、この年齢になると未経験職種にはぐっと就職しづらくなり、就職できたとしても正社員採用は難しくなります。
そんな35歳ですが、平均年収は476万円と10万円のアップです。転職をせず、なおかつ一般的なキャリアロードを歩んでいれば、そこまで大きな変化はないでしょう。
36歳の平均年収
男性は働き盛りの年代に突入する一方、女性で出産を考えている人の場合、高齢出産を和らげたいがために妊活を本格的に考えるようになります。36歳の平均年収は489万円と13万円のアップで、35歳同様ビジネス面で大きな変化はないでしょう。
37歳の平均年収
仕事でもプライベートでも36歳と比べて大きな変化はありませんが、親の年齢や状況によっては親の老後の心配をしたり、30歳前後で子供を産んだ場合は小学校入学で本格的に子供が親離れする年齢です。
37歳の平均年収は490万円とわずか1万円のアップですが、500万円の大台も夢ではなくなりました。
38歳の平均年収
仕事面でもプライベートでも大きな変化はありませんが、女性の場合は「急に老け込んだ」として美容対策を本格的にするようになった人も少なくないでしょう。38歳の平均年収は507万円で、いよいよ500万円の大台に乗っかりました。
39歳の平均年収
目の前に「40代の壁」が急に立ちはだかるようになり、男性の未婚者は急に焦りだすようになり、女性で出産願望がある人は急に焦りだすようになるでしょう。また、30歳前後で子供を出産した場合は中学校受験についても考えるようになり、その場合ライフスタイルが急変します。
39歳の平均年収は510万円で、38歳と比べて昇給がなければ大きな変化はないようです。
公務員の30代の平均年収は?
世間一般では「給料高すぎ!」とバッシングされることも多いものの、その安定性から不安定な現在の世の中では人気が高い「公務員」。では、30代の平均年収はどのようになっているのでしょうか。
28歳から31歳まで
公務員は20歳から59歳を4歳ずつ10区分に分け、その区分によって平均年収が変化していきます。
仕事には慣れた反面人生を考えることも多い28歳から31歳では、月275,063円と正社員より少ない数字をマークしていますが、子供が小さくなおかつ親の介護のリスクも少ない年代ですから、ある意味必然的なのかもしれません。
32歳から35歳まで
子育てが本格化したり、婚活が本格化したり、妊娠への動きが本格化するこの年代。平均月収は319,872円と4万円のアップを果たし、また年収では40万円以上のアップを果たしています。
こちらもこの年代で起きるモロモロのリスクを考えると合理的なのかもしれません。
36歳から40歳未満
男性の婚活や子供のお受験(幼稚園小中学校)、それから親の介護など様々なライフイベントが起きるこの年代。平均月収は360,084円、年収に換算すると432万円に達します。
この年代にもなると、平均的な給料をもらっている公務員と正社員の間では最大70万円以上もの差ができ、公務員が「給料が高い」とは言い切れなくなりそうです。
30代男性の平均年収は?
結婚や妻の出産、子供のお受験に介護など様々なイベントを経験する一方で、30代後半からは働き盛りに突入する男性。では、平均年収はいくらになるのでしょうか。
30代前半
・結婚
・妻の出産
・昇進
・子育て
・家を購入する
・転職するかどうか
・子供の幼稚園〜中学校入園、入学、受験
・出世できるかできないか
など、男性にとって重要なライフイベントが盛りだくさんの年代です。
そんな30代前半男性の平均年収は438万円とされており、結婚して子供が一人いる場合は独身時代より節制を、二人の場合は節約しなければなりません。
30代後半
・結婚できるかどうか
・妻が出産するかしないか
・昇進
・家の購入
・子育て
・子供の幼稚園〜中学校入園、入学、受験
・転職するかどうか
・親の介護はどうするか
・いわゆる”働き盛り”に突入
30代前半同様、ライフイベントが盛りだくさんの30代後半男性。そんな30代後半男性の年収は499万円とされており、子供を私立幼稚園〜中学校に通わせたり、結婚して子供がいて親の介護がある場合は少し注意が必要そうです。
30代女性の平均年収は?
30代前半
・キャリア形成をする上で”バリキャリ””ゆるキャリ””寿退社”どのルートを取るか
・結婚できるかどうか
・出産するかどうか、できるかどうか
・出産した場合子育て
・子供の幼稚園〜小学校入学、お受験
男性に比べればライフイベントの数は少ないですが、女性の場合はこのあたりでバリキャリかゆるキャリ、寿退社を選ばないとどの道を取っても手遅れになってしまうため、大きな決断をしなければなりません。
そんな30代前半女性の平均年収は294万円とされており、男性に比べると130万程度差があります。
30代後半
・出産できるかどうか、諦めるか
・子育て
・子供の幼稚園〜中学校入学、受験
・親の介護はどうするか
30代前半に比べれば落ち着いてはいますが、万が一離婚が生じると親権問題に揺れ一人で暮らしていかなければなりませんし、子供にいじめや不登校、成績不振がある場合は落ち着いていられないでしょう。
それに早い場合はこの段階から親の介護を考えなければならず、その場合も落ち着いて入られません。
そんな30代後半女性の平均年収は297万円とされており、男性とは200万円差にもなります。何故平均年収には男女格差があるのでしょうか。
なぜ、平均年収で男女格差ができているのか?
30代の女性は比較的勤務時間が短い
特に30代以上になってくると、結婚している女性は勤務時間が短くなってきます。
要因は「子育て」と「子供のお迎え」ですが、男性が終電まで残業をしているのに対し、女性が夕方で帰宅している…となると、残業時間のなさが年収に響くケースも少なくありません。
また、結婚して働くことに対して消極的な価値観を持っている場合「家計を支えるだけのアルバイトやパート、在宅ワークのみでいい」と思っている場合も多く、これも平均年収の男女格差の原因です。
30代女性は非正規雇用者が多い
30代以上の女性の場合、結婚に出産に子育て、介護などで時短勤務を望む人も多くいますが、正社員で時短勤務…は2017年現在難しい実情があります。
そのためパートをする人も少なくなく、それが統計に影響されています。
30代女性は昇進が難しい
残念ながら、この日本では2017年現在も女性の昇進が難しくなっています。
通常年収は勤務年数と昇進によってアップするものだとされていますが「職場の雰囲気が子育てや介護との両立を応援する雰囲気でない」「女性へのキャリアアッププランがない」という意見も多く、これらが原因となっています。
実際問題、女性管理職の7割には子供がいません。仕事を極めて高年収を目指すためには子供がいない人生を歩まなければなりませんが、結婚すれば自然な流れでその話も出てくるでしょう。
世間には「女性は子供を産もう」「産まない女性と産んだ女性で意見が対立する」などといった風潮や事柄もありますので、非常に難しい問題です。
男性と女性が平等に評価され、女性が働きやすくなる社会へ
平均年収の格差を減らすためには、見出しの文章にあるような社会にしていかなければなりません。しかし、最近の日本の会社は目先の利益だけをひたすら追いかける会社も増えました。
そのため、男性と女性が平等に〜と言われても管理職は「知らんがな」というリアクションをし、「女性が働きやすい社会」「子育てをしている人も採用する」と言っても「だったら男性を採用しろ!女はコスパが悪い」などといった発言が平気で飛び出てもおかしくなく、社会全体での働きかけ・うねりが必要そうです。
地域別平均年収
それでは、地域別平均年収はどのようになるのでしょうか。今回は日本列島は北海道地方、東北地方、関東地方、北陸地方、東海地方、近畿地方、中国・四国地方、福岡県に分類をし、それぞれの地方の中心となる都市がある都道府県で計算していきます。
東京都
言わずと知れた関東地方の中心であり、なおかつ日本の中心でもあります。2016年度の最低賃金は932円と全国的に見ればかなり高く、都市部では飲食店のバイトでも1000円超えを果たしています。
そんな東京都ですが、30代の平均年収は687.4万円とかなり高い数値が出ています。最近では物価の高さとどこでも稼ぎやすくなったことから、東京から地方から移り住む若者が増加しています。
北海道
言わずと知れた北の大地です。中心地の札幌にはサッポロドームなどといった大型施設がある一方で、一部地域ではJRが廃線寸前にまで陥っているなど首都と田舎の差が大きい都道府県でもあります。
2016年度の最低賃金は786円。30代の平均年収は441.9万円をマークしています。全国の平均年収と至って変わらない値です。
宮城県
東北地方最大の都市であり、人口100万人超えを誇る仙台市の他に、人口10万人超えの市(石巻市、大崎市)を2つ抱える宮城県。5大ドームはありませんが、2万人以上のコンサートホールが2つあります。
そんな宮城県の2016年度の最低賃金は748円、30代の平均年収は491.0万円です。北海道より最低賃金は安いものの、平均年収は高くなっています。
新潟県
北陸新幹線開通により、金沢との差が縮まりつつあるとは言え、新潟市の人口は80万人なのに対し、金沢市の人口は46万人と俄然人口面では北陸圏最大の都市に位置づけています。
また新潟県自体は220万人もの人口を抱えており、長岡市、上越市、三条市、新発田市の4つの市は10万人以上の人口があり、それぞれが単独で都市圏を築いています。
5大ドームはなく、2万人以上のコンサートホールは42,300人収容の東北電力ビッグスワンスタジアムと30,000人収容のHARD OFF ECOスタジアム新潟のみです。
そんな新潟県の2016年度の最低賃金は753円、30代の平均年収は441.9万円です。
愛知県
言わずと知れた中部地方最大規模を誇る都道府県であり、愛知県全体では700万人、名古屋市だけでも230万人がいます。また豊田市、一宮市、豊橋市、岡崎市、春日井市、豊川市、安城市、西尾市、小牧市 、刈谷市、瀬戸市、半田市、東海市と名古屋市の14の市は人口が10万人を超えており、それぞれで都市圏が完成しています。
5大ドームの1つ「ナゴヤドーム」があり、また45,000人収容の豊田スタジアムもあります。
そんな愛知県の2016年度の最低賃金は854円、30代の平均年収は540.1万円と、東京までは行きませんが日本の平均値以上はあります。
大阪府
こちらも言わずと知れた近畿地方最大規模を誇る都道府県であり、また日本の第二の首都です。大阪府全体では883万人の人口があり、大阪市だけでも270万人が住んでいます。
大阪市、堺市、東大阪市、枚方市、豊中市、高槻市、吹田市、茨木市、八尾市、寝屋川市、岸和田市、和泉市、大阪市住吉区、守口市、門真市、箕面市、大東市、松原市、富田林市、羽曳野市、河内長野市、池田市、泉佐野市の19の市は10万人以上の人口を抱えています。
5大ドームは京セラドーム大阪があり、その他にも50,000人収容のヤンマースタジアム長居や万博記念公園東広場、それに30,000人収容の万博記念公園もみじ川芝生広場があります。
そんな大阪府の2016年度の最低賃金は883円、30代の平均年収は589.2万円とこちらも全国平均より高い数値をはじき出しています。
広島県
中国・四国地方最大の都道府県です。県全体で283万人の人が住んでおり、また広島市には119万人が住んでいます。
人口10万人以上の市は広島市、福山市、呉市、東広島市、尾道市、廿日市市、三原市の7つです。
5大ドームはありませんが、2万人以上収容できる会場としては、50,000人収容のエディオンスタジアム広島や、33,000人収容のMazda Zoom-Zoomスタジアム広島、それから20,000人収容の国営備北丘陵公園・大芝生広場野外ステージがあります。
そんな広島県の2016年度の最低賃金は793円、30代の平均年収は491.0万円となります。最低賃金面では差がありますが、宮城県とほぼ同じ水準です。
福岡県
言わずと知れた九州最大の都道府県です。
県全体で510万人の人口を抱えており、県庁所在地となる福岡市には156万人もの人々が住んでいます。
福岡市、北九州市、久留米市、飯塚市、大牟田市、春日市、筑紫野市の7つの市で人口が10万人を超えています。
また、5大ドームとして福岡ヤフオクドームがあり、2万人以上が収容できる会場としては、20,000人収容の北九州メディアドーム、海の中道海浜公園野外劇場があります。
そんな福岡県の最低賃金は765円、30代の平均年収は491万円と新潟県に近い数値となっています。
30代の平均年収を超えたければ、3つの条件をクリアしよう
30代の年収についてさまざまな角度から検証してきましたが、
気味の悪い話、30代の平均年収以上の収入を稼ぎたいのであれば
・大企業の正社員になり、20代のうちに努力をして出世コースに乗る。30代以降も産休や介護休暇は取らず、とにかく働く
・女性は出産をライフプランから消す。もし会社が女性の昇進に消極的な場合は、女性の昇進に積極的な会社に20代のうちに転職をする。
・東京か大阪で働く
この3つ全てを成し遂げる必要がありそうです。
※独立起業をした場合、30代でこれらに当てはまらなくても平均年収以上を稼ぎ出せる可能性あり。ただ、独立起業はリスクが高く、収入が不安定。
ただこの3つ全てに当てはまる人は少なく、特に「出産や介護は年収を上げる上で邪魔になる」のであれば、人間らしさが全くない生活を送ることになりそうです。
平均年収以上=幸せ、平均年収未満=不幸ではなく、平均年収以上でも勤務時間の都合などで不幸になるし、平均年収未満でも幸せになれることを抑えておくと、いざとなった時の心の負担が軽くなりますよ。