低所得者の基準とは何なのか?
約半数以上を占める低所得者。その判断基準は「年収300万円未満の世帯」。確かにほとんどの家庭は年収300万円前後ですから、このラインで低所得と呼べば、半数近くまで上るのも分かる気がします。また、低所得者と呼ぶには、自分以外の家族も同じ様に低所得でなければ、低所得者とは呼ばれません。
ですが年収300万円といえば、一見普通位に稼いでいる様に思えますが、なぜ年収300万円世帯も低所得に入るのでしょうか?
低所得者の年収
そもそも「所得」とは、貰う給料から税金が引かれた後の金額を所得と呼びます。(手取りとは違います)なので、年収300万円稼いでいても、税金が引かれると案外少なく、そこから更に社会保険等が引かれると、手取りで20万円前後程度となります。
つまり、一言で年収300万円といっても、税金が引かれてる前に年収300万円を満たしていなければ低所得世帯と呼ぶようです。
これが一人暮らしだった場合、そんなに問題ない様に思えますが、この額で家族を養っていくとなるとやはり生活は厳しく、節約して何とかやっていけるぎりぎりのラインとなるのかも知れません。
低所得世帯に対する支援制度
現在の日本では、低所得者に対する支援制度がじつは沢山あるんです。主に、18歳未満の子供がいる世帯に対しては、就業支援などの自立支援、児童手当や児童扶養手当などの金銭的支援…
条件を満たしているのであれば、これらを上手に利用するといいでしょう。
支援制度や援助制度を利用できる条件とは?
まず、一言で年収300万円未満だから低所得といっても、先に書いた様に、自分以外の同居者も低所得者でなければ、低所得世帯とは認められず、支援を受けられません。
また、利用できる支援制度の種類も、必ず低所得者全員が利用出来るのではなく、低所得世帯の中でも、それぞれ条件を満たしたものが対象となります。
ではどんな支援があるのでしょうか?
支援制度 1.給付金
利用出来る支援制度の一つに給付金があります。給付金額は3万円。ではこの給付金はどのような人が対象となるのか、条件を見ていきましょう。
・年金を受給している65歳以上の人。
・住民税を免除されている世帯
・年金等を含めた収入が155万円を満たしていない一人暮らし世帯
・障害基礎年金、又は遺族基礎年金を受給している65歳未満の人
・一人が年収155万円以下、もう一人が年収211万円以下の夫婦二人の世帯
この条件を満たしている人が対象となります。
2.税金の控除
低所得者に対する支援制度の中でも、この税金の控除というものは、最も有名で、聞いた事のある方も多いのではないでしょうか。
低所得者はまず、所得税というのが控除されます。所得控除といっても種類は様々で、以下の様な控除があります。
・医療費控除
・配偶者控除
・寡婦控除
・扶養控除
など、低所得者に対する控除はほかにもあります。低所得者の中には、一人親世帯や障害者が含まれ、そのような方に対する控除もちゃんとあるんです。
3.医療費控除
生きていれば必ずお世話になるのが病院。医療費はもともと国民負担は3割とされていますが、医療費が年間10万円を超えた場合、確定申告で一部が戻ってくるのも皆さん聞いた事あるかと思いますが、年間10万円も病院にかからない!と思いますよね。でも実は、戻ってくるのは、病気やケガでかかった病院代だけではないのはご存知でしたでしょうか。
では一体どんなものが戻ってくるのでしょうか?それは以下の通りです。
・通院のための交通費
・おむつ代
・不妊治療代
・医療器具購入代
・レーシック手術代
いかがでしょうか?こんなものまで?!という物もありますよね。
もう一度レシートや領収書をかき集めて計算してみて下さいね。
また、低所得者の中でも、児童扶養手当を受給している方は医療費そのものがタダになるなど、お子様がいる家庭は更に控除されている物もあります。
3.就学援助
就学援助とは、これから学校に通うお子様、または通っているお子様がいる家庭が対象の援助制度で、子供の人数と所得額を見て計算し、それぞれの市町村の条件をクリアできた世帯が受けられる制度です。修学旅行費や、給食費などの一部が援助されます。この制度は各自治体で条件が異なりますので、お子様がいる方で低所得者は一度お住いの市町村に問い合わせてみるといいかも知れません。
低所得者の住宅ローン
低所得だけど、結婚すればマイホームが欲しいと思う事は自然な流れですよね。では、低所得世帯で、家を購入する場合どんなことに気を付ければいいのでしょうか。
・子供がいる、もしくはこれから子供を産む場合、教育費も払っていけるのか?
・もし万が一世帯主に何かあった場合、対応できるか
・夫婦で働ける年齢はどれ位までなのか?
家を買うとなれば必ずローンというものがついてきます。特に低所得世帯であれば、借りられる額などももちろん限られてくるのが現実です。
その中で、子供がいる家庭、もしくはこれからほしい場合、ローンを払いながら、教育費も払っていけるのかをよく考えなければいけません。小さいころはほとんどお金はかからなくても、大きくなるにつれてかかるお金も増えてきます。部活や習い事で予想外に大きな出費が続いたりするのも珍しくありません。
年収500万円世帯でも住宅ローンと教育費の支払いで生活が苦しいという話も決して珍しい話では無いのです。
またご主人に何かあった場合、その代わりにローンや生活費を支払える人、もしくはそれだけの貯蓄があるか、またその様な保険に入っているのか、夫婦共働きが出来るのはいつくらいまでなのか?など、家を買う事は夢いっぱいで楽しい事ですが、その裏ではこんな大変な現実もあるのです。
そんな現実をしっかり予想しながら住宅ローンやカードローン を組むことをお勧めします。
低所得者に対する国が行っている対策とは
低所得者に対してどんな対策が行われているのでしょうか。
国が行っている対策
・職業訓練
・生活保護
上記の対策はどちらも条件があり、その条件を満たしている物だけが受けられる制度です。また生活保護はあくまでも、乳幼児がいて、実家の援助も無く長時間働けない母子家庭や父子家庭、もしくは病気や事故で障がいがあり、働きたくても働けない方が対象となります。
職業訓練ですと、数か月ほど訓練校に通い、さまざまなスキルを身に着ける事が出来ます。ここで自分のスキルをあげ、より条件の良い会社に転職するというのはとても有効的な方法ではないでしょうか。
低所得を抜ける為にできる事
低所得者を抜け出したい。きっと誰もが重う事ですよね。ではどうしたら抜け出せるのでしょうか?
・副業をして収入を増やす
・日々の無駄な出費を無くす
・毎月決まった額を貯金する
一見難しそうですが、今の時代、副業と一言で言っても、どこか外でアルバイトを増やすのではなく、パソコンやスマホを使ってお小遣いを稼いでいる人は沢山います。
有名な所で言うと、クラウドワークスやランサーズ、シュフティの様なインターネットを通してお仕事を発注、受注できるサイトがあります。
それらを利用する事で、少しづつスキルや知識も身についていくので、そのままそちらが本業になったりする事もあるようです。
また、パソコンが無い場合はスマホアプリのポイントサイトを使ってポイントを貯めて、それを現金に換金したり、手持ちのポイントカード(提携している物)のポイントに変えてお店で使ったりする事も出来るのです。
こちらは本当に何のスキルもいらないのですが、登録した途端迷惑メールが増えたり、他のサイトに勝手に自動登録されてしまったりする事もあるようなので、怪しいサイトではないか、しっかり判断することが大切です。
また低所得者は、日々の小さな節約が後々の生活を左右してきます。光熱費や食費など、小さなことから始めていきましょう。また通信代を節約するのであれば格安スマホに変える、家族割などのプランを上手に利用する事が大切です。
何より家賃や保険などの固定出費を抑える事で、数千円~数万円といった大きな額を節約する事が出来ます。なので家賃が高い場合は安い所に引っ越しを検討したり、保険は小まめに見直すなど、一度節約できると事が無いかチェックしてみましょう。
低所得者の貯蓄
何かあった時の為に一番大切な物が貯金です。ただでさえ生活きついのに貯金なんて出来ない!といった声が聞こえてきそうですが、実はちゃんとあるんです。低所得者が毎月ちゃんと決まった額を貯金していく方法が。それは…
・先取り貯金をする
・財形貯蓄をする
・自動積立を利用する
この3つです。やっぱり無理!と思った方、もう少し待ってください。この先取り貯金と自動積立、郵貯銀行な場合ですと金額が1000円からできるんです。
給料日の翌日に積み立ての引き落としをしてもらうように設定すれば、給料を使ってしまって積み立て出来ないというような事を防げます。
つまり、生活費や支払いの残りを貯金に回すのではなく、先に少額でも貯金して、その残りの中で生活するという風にシフトしていくんです。毎月1000円からでしたらそんなに負担も大きくなく、出来そうですよね?
そしてこの先取り貯金や自動積立していく上で大切なのは、給料が入る口座や、支払いが引き落とされる口座とは別に、貯金専用の口座を作っておくという事です。
低所得者でも小さな額から貯金を始めて、小さな成功実績を作っていく事で自信やモチベーションにつながり、更に貯金を頑張ろうという気持ちになれるのです。
色々な制度についてしっかり知っておきましょう
いかがでしたでしょうか?低所得者と一言で言っても、年収300万円ぎりぎりの世帯もあれば、200万円未満の世帯もあったりと色々です。その中で、利用出来る制度も限りがありますが、大切なのは、必ず自分の生活を豊かにするという思いです。今より収入が上がったらどんな事をしたいのか?何が欲しいのか?未来にもっとワクワクする事で低所得者を抜ける意欲は変わってくるんです。
またその中でも、自分にできる事はほかに何があるのかなど、情報を集めておくことがたいせつです。情報不足ですと、せっかく色々な制度や、新情報があっても、それを知ることが出来なければ利用する事も出来ません。
自分が困った時や、知りたいことがあった時はすぐに調べる癖をつけておくといいかも知れません。