年収750万円あるのはどんな人で、どれくらいの割合いる?
自分の年収と異なる額だとどのような生活になるのか、なかなか想像しにくいものです。年収750万は高い部類に入るイメージですが、実際のところはどのぐらい高いのでしょうか。こちらではまず、年収750万ある人の割合や、各年齢層の平均給与と比べた時の位置づけについてご紹介します。
年収750万ある人の割合
平成27年度の国税庁「民間給与実態統計調査」の結果報告によると、各年収の給与所得者の割合は次のようになります。
・100万円以下 : 8.6%、412万人
・100 ~ 200万円 : 15.0%、719万人
・200 ~ 300万円 : 16.3%、780万人
・300 ~ 400万円 : 17.5%、838万人
・400 ~ 500万円 : 14.1%、678万人
・500 ~ 600万円 : 9.7%、463万人
・600 ~ 700万円 : 5.9%、284万人
・700 ~ 800万円 : 4.1%、195万人
・800 ~ 900万円 : 2.7%、131万人
・900~1000万円 : 1.8%、85万人
・1000万円以上 : 4.3%、209万人
年収750万の人は700~800万円の層に入り、給与取得者全体の中の約4%で、上位13%以内に入ります。男性のみだと男性給与取得者全体の6.0%(170万人)、女性のみだと女性給与取得者全体の1.3%(25万人)です。数字を見ていると、特に女性で年収750万ある人はほんの一握りということがわかります。
年収750万は、どの年代の平均給与よりも高い
前項と同様に、国税庁「民間給与実態統計調査」の結果報告によると、年齢階層別の平均給与は次の通りです。
・19歳以下 :(男性)158万円、(女性)103万円
・20~24歳 :(男性)271万円、(女性)233万円
・25~29歳 :(男性)383万円、(女性)306万円
・30~34歳 :(男性)451万円、(女性)307万円
・35~39歳 :(男性)510万円、(女性)299万円
・40~44歳 :(男性)567万円、(女性)294万円
・45~49歳 :(男性)626万円、(女性)292万円
・50~54歳 :(男性)670万円、(女性)296万円
・55~59歳 :(男性)652万円、(女性)278万円
平均給与所得と見てみると、年収750万円という額面は、平均給与の額が最も高い50代男性よりも高額であることがわかります。年収750万円は、どの年齢層においても一般的に高所得であると言えますね。平均給与では年齢が高い方が収入が多い傾向にはありますが、もちろん、20代や30代でも年収750万以上の高所得者が居るのは確かです。
年収750万円の人の税金、手取りはどれくらい?
給与所得者全体の4%程度、どの年齢層においても高所得といえる年収750万円ある人たちはどれくらい納税していて、手取りはおよそいくらくらいになるのでしょうか。こちらでは、年収750万円あるときの金銭事情に着目していきます。
納税額はどれくらい?
税金には所得税と住民税があり、こちらではそれぞれについて見ていきます。いずれも、配偶者控除や扶養控除、医療費や生命保険料などの控除は加味していませんので、家族構成などによって実際の税額は異なりますのでご留意ください。
所得税
所得税は額面の給与所得から①給与所得控除額、②社会保険料、③所得の基礎控除を差し引いた額面に課税され、年収750万円の場合は約39万円です。詳しい計算を下記しますので、興味のある方はご覧くださいね。
①給与所得控除
給与所得控除額は給与所得によって異なり、660~1000万では所得の1割+120万です。
750万×10%+120万=195万
②社会保険料
健康保険料、雇用保険料、厚生年金なども控除の対象となり、合わせて年収の14.22%程度ですので、
750万×14.22%=約107万
となります。
③所得の基礎控除
年収によらず、38万円一律です。
④課税対象となる額面
年収750万から①~③を差し引きします。
750万 – 195万 – 107万 – 38万=410万
⑤年収750万に対する所得税
課税対象額410万円の時の税率は20%、控除額は42.75万なので、
410万×20% – 42.8万=39.2万
となります。
住民税
住民税も所得税同様、所得から各控除額を除した額面に課税されます。税率などは市区町村によって異なるため、こちらでは標準税率の均等割5000円、所得割10%を仮定として概算すると、年収750万円では約42万円になります。計算の詳細は下記の通りですので、気になる方はご一読ください。
①給与所得控除
所得税の計算の場合と同様で195万円です。
②社会保険料
こちらも所得税の計算と同様で約107万円です。
③住民税の基礎控除
基礎控除額は収入によらず33万円一律です。
④課税対象となる額面
年収750万円から①~③を差し引き、415万円となります。
⑤年収750万に対する住民税
課税対象の415万円に税率10%を掛けて均等割5000円を足し、調整割2500円を差し引いて
415万×10%+5000円 – 2500円=約41.8万
となります。
所得税、住民税を合わせると約81万円にも
年収750万円の場合、約81万円の税金を納めることがわかります。これは年収500万円の場合の税額(約38万)の2倍以上。年収が1.5倍に増えても税金は1.5倍ではなく2倍に上がっていて、高所得者により多くの税金を納めてもらうシステムであることを数値として実感することができる結果です。
手取り収入
手取り収入は額面の750万円から社会保険料、所得税、住民税を差し引いて、
750万 – 107万 – 39.2万 – 41.8万=562万円
となります。仮に夏冬ボーナス各2ヶ月分とすると、月々およそ35万円。家族構成やライフスタイルにもよりますが、庶民的な生活ならば十分な額面ですね。
年収750万円の人の生活
年収750万円ある場合の税金、手取り収入を見てきましたが、実際はどのような生活を送っているのでしょうか。こちらでは家賃や住宅ローン、金融資産などにクローズアップしていきます。
家賃、住宅ローン
家賃や住宅ローンで無理なく支払いを続けられ、かつ生活に余裕があるのは手取り収入の25%と言われています。年収750万円の場合、手取り562万円、その25%を12ヶ月で割ると11.7万円。これが年収750万円で家賃や住宅ローンで適正と言われている額面です。
生活の他項目の出費を抑えたり、配偶者がいればダブルインカムで収入を増やしたりすることで、幅広い選択肢から住居を選べる金額です。
ふるさと納税
近年人気があり、たいへん注目されているふるさと納税。年収750万円で全額控除される寄付額の目安は、独身または共働きの世帯で12.9万円になります。家族構成や共働きの有無などで金額は変動し、例えば夫婦と大学生、高校生の家庭では8.5万円。収入が多ければ、その分多くの金額を応援したい市区町村に寄付できるのがメリットです。
金融資産
年収750万円の世帯ではどのくらい金融資産を持っているのでしょうか。
高所得世帯であってもなくても、堅実なライフスタイルを
いかがでしたでしょうか。年収750万円の世帯はいわゆる高所得世帯であり、多くの世帯が金融資産を保有していて堅実な生活を送っていることが見て取れました。所得が多いからといって無駄遣いをしてしまっては、すぐにお金はなくなってしまいます。
それぞれの所得に応じて適正なライフスタイルがあるので、年収が750万より多くても少なくても、身の丈に合った堅実な金銭感覚を身につけたいです。